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2024/06/01 18:10
ロード用のチューブレスタイヤは最近の傾向を見ていると、重量自体はそれなりに重くなっているように思います。気密性や耐パンク性以外にも、路面からのエネルギーリターンを狙っていたり、コーナーのグリップを稼ぐためだったりと速く走る為に必要な要素が増えている事が要因としてはあると思います。
最近のタイヤは新ETRTOに対応したというだけでなく、リムのワイド化に伴い、ダウンヒルやタイトコーナーでタイヤの端っこまで使えるようにワイドトレッド化が各社進められています。
軽くするだけなら重さのあるトレッドの幅を狭く薄くする方が良いのですが、それでは根本的に速く走るという目的は達成されないので重量の増加は我慢して各社設計を一新しています。
また、タイヤが太くなることで役割も少しずつ変わってきており、空気圧も低くなることで確実に速いという概念は変わりつつあります。
個人的に良いと思っている要素は、「タイヤはつぶして走る」という理屈ですが、近年タイヤを横長につぶすことでエネルギーロスは減り、コーナーでのグリップは増し、衝撃吸収も良くなり、逆にタイヤの変形をコントロールする事で路面からトラクションや反力の様なものを感じられるようにもなってきているタイヤが出てきました。
そんな最新のロードチューブレスタイヤもいくつか革新的なモデルが出ているのでその辺りも紹介しつつ、毎年のようにあげているスタッフによるチューブレスタイヤのおススメモデルを紹介します。
今年は圧倒的にこの二つが違いを感じたのでまずはこれから紹介です。
まずはTLRタイヤの大本命ハッチンソン期待の最新モデルの紹介です!
まずは、名前に気合が感じられます。超音速の乗り物からインスパイアされたネーミングとなっています。
このタイヤの速さの理由としては以下の3つがあげられます。
・新しいスイフトイージーケーシング:これまでで最も柔軟で高性能な構造
・マッハトレッド3.0コンパウンド:当社で最も速く、最も有効な混合物は前例のないエネルギーリターンを保障
・トレッドを15%拡大し、大胆なコーナリングを可能にします。
私が今回使ったのは30cモデルではありますが、空気圧を思い切って落としたにも関わらず平地の巡行も登りの加速も非常に気持ちよく走れ、圧倒的に乗り心地も良くなりました。
空気圧を落とせたことで路面に力が伝わる時間も長くなり、結果的に速さにもつながっているように感じました。
また、コンパウンド自体の反力なのか、タイヤ構造全体でのリターンの高さなのかどちらかは正確には分かりませんが、とにかくエネルギー効率が良く、タイヤがつぶれる際のロスも少なく感じますし、トラクションが良くかかるので速く走ろうとする動きに対してリニアに追従してくれるので今まで以上にタイヤの存在感を感じる事ができるタイヤだという印象です。
このタイヤ自体もおススメですが、是非バイク環境が許すのであれば21mm以上のワイドリムに30cを付けて走っていただきたいですね。
新しい時代を感じる事が出来ますよ。
30cも良いよねから30cの方が良いよねという時代が間もなくやってくるとこのタイヤを使って感じる事が出来ました。
耐パンク性も高く、4000km耐久というコスパの良さも光ります。
気密性も高く、フィッティングも非常に行いやすいのでご自身で組み付けされる方にとっても整備性の面で非常に有利な元祖のチューブレスブランドHUTCHINSONです。
HUTCHINSON BLACKBIRD TLR
¥12,100‐税込
個人的にずっと待っていた待望の最新モデル、アサゾーでは今一番勢いのあるタイヤです!!
続いてはピレリの最新モデルPIRELLI P ZERO RACE RSです。
P ZEROシリーズも最新モデルに関してはイタリア生産になったことでより細かい所までこだわる事ができているようで、気密性の高さが段違いですし、路面からのエネルギーのリターンも感じられるとても速いタイヤに生まれ変わりました。
ピレリはF1をはじめとするモータースポーツでの実績が高く、特に2輪車でのノウハウを持っていることでロードバイク用のTLRタイヤの自社設計もアップデートが早く、どんどん進化していっている印象があります。(要求されたことを形にするノウハウの様なものがすごい)
自転車のタイヤははるか昔にやっていたことがあるようですが、実質新しいタイヤブランドであるPIRELLI。
経験値はまだまだ多くないので、レースモデルについてはプロチームからのフィードバックを受けつつどんどん進化しています。
これまでのピレリのタイヤはライバル比較での耐パンク性が思った以上に高く作られていたみたいで、ロードレース用のタイヤへの落としどころというのが今回数値などを比較する事で明確になり、耐パンク性能をライバルぐらいまでに抑えて出来上がったのがこのRSモデルです。。
プロレースでも使われる十分な耐パンク性能を持ち、PIRELLI史上最速のロードTLRタイヤとなります。
トレッド幅も非常に広く、グリップを最大限利かせられるようにコントロールしてワイドリムでも安心してバイクを寝かせる事ができます。
タイヤの変形をコントロールする取り組みは、ブランドの立ち上げ当初から掲げているPIRELLIタイヤという事もあって、ごく自然にバイクをコントロールする事が出来るのも引き継がれている特徴です。
感覚としては、ホイールが立っている状態(直進している状態)でのタイヤの変形が少なく、路面に対して最小限の沈み込みでバイクを進ませられるのでロスをしている感じがとにかく少ないです。
トラクションをかけているときは踏ん張りのある感じですが、下りのコーナーで体重を預けると路面に吸い付くようにへばりつくように食いついてくれるので安心して下る事ができます。
登りでも下りでも速いタイヤという事もありレースでは確実に武器になりますし、ロングライドに使いたいという場合にも十分な耐パンク性能のあるタイヤという事で十分選択肢になり得る万能なレースタイヤです。
SPEEDCOREテクノロジーを採用する事でチューブレスとして非常に高い気密性としなやかさ、軽量さを全て兼ね備えています。
エア漏れは本当に少ないので、シーラントの乾きも遅くなるのではないかと個人的には思っています。
このタイヤの登場で私の中でタイヤによる助力が近年顕著になってきており、その分の機能を盛っているタイヤの方が結果的に速いというのが一つ私の中で生まれた考えになります。
その分重量がかさむのですが、エネルギー効率が良いですし、結果的にアスファルトの上で速いのでデメリットになりません。
タイヤを重量で語る時代ではなくなってきたかもしれませんね。
私の中で軽いタイヤの方が良いという感覚があったのですが、今回考え直すきっかけになりました。
PIRELLI P ZERO RACE RS
¥14,400‐税込
今回この二つが飛びぬけて印象が強いので、あえて二つに絞ります。
ローラー上の数値的な速さは変わらず某ベンチマークのタイヤが強いですが、アスファルトの路面を低圧で走るという条件ではフィーリングがとてもいいタイヤが増えてきてうれしいですね。
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