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10年以上乗った相棒をリフレッシュ。メンテ次第でまだまだ走ります。PINARELLO PARIS オーバーホールを承りました。
by: 木立春之介

こんにちは。修理・カスタム担当です。
普段はお客様からご依頼いただいた修理やカスタムを承っているのですが、日々のカスタムや修理の中から私の琴線に触れる一台を担当させていただきましたので、ご紹介させていただきます。まずは掲載にご協力いただきましたオーナー様に感謝申し上げます

PINARELLO PARIS

ピナレロのパリ。
ウルリッヒが乗ってたピンク色の方を思い浮かべる方がいるかも、いないかも分かりませんが、その伝統の名前を受け継いだカーボンフレームの方ですね。この頃のピナレロを眺めているとお家芸であるONDAフォークが、よりONDAしてた頃のピナレロだなーと思わされます。意味不明ですみません。

今回のご依頼

さて、本題へと入っていきます。今回当店にお持ち込みいただいたPARISなのですが、オーナー様が10年以上前に当社でご購入いただき、今日に至るまで大切に乗られてきた一台です。最初に驚いたのがその綺麗さ。目に見える部分は何処もかしこもピカピカな状態で、お世辞抜きに10年前に購入された車体とは思えないくらいのコンディションで大切に維持されていました。きっちりと維持された車体ではございますが、長年乗られていることで生じたダメージは出始めており、ヘッドパーツの回転のゴロゴロ感、BBからはパキパキという軋み音が出ていることから、普段は手の届かない内部部品はそれなりにお疲れのようです。

そこで今回の作業は主要パーツを外してパーツとフレームの洗浄、ブレーキ、変速周りの消耗品交換までを行うオーバーホール作業と、傷んだヘッドパーツの交換、前後ホイールハブの洗浄とグリスアップを行います。
こちらのオーナー様、大変ありがたいことに以前ブログにて投稿したCAAD9の記事読んでいただいたようで、愛車を長く維持しようという想いを持って当店にご相談いただきました。半分くらい私の趣味な部分も混じっているブログなのですが、こういう形でお客様から声を掛けていただけると素直に嬉しいですね。

ヘッドパーツとの格闘

そうと決まれば作業に取り掛かるだけなのですが、メインのオーバーホールに入る前にちょっとした関門が待っております。ヘッドパーツです。この頃のPINARELLOのヘッドパーツは、何度か交換作業を承ったことがあるのですが、ヘッドチューブに固着している個体が多くて、すんなりと外れてくれる方が珍しいかもしれません。
今回も例に漏れずバリカタでして、あの手この手で格闘することおよそ20分。なんとか外すことに成功致しました。
こちらが外れたヘッドパーツのベアリング。

一枚目が上側で二枚目が下側のベアリングです。

走行中の汗が滴り落ちる影響なのか上側のベアリングの方が腐食している個体が多い気がしますね。ちなみに外したベアリングを指で回そうと試みたのですが、下側ベアリングはジョリジョリという音を奏でながら辛うじて周り、上に関しては私の指力では全く回すことができませんでした。新しいベアリングが入ったら見違えるはずです。ちなみに新品ベアリングと外したベアリングの比較はこんな感じです。

美しいONDA

心配していたヘッドパーツ問題も解決したところで、主要パーツたちを取り外してフレームだけの状態に。個人的にこの作業は好きですね。せっかくですのでフレームだけの状態の画像を皆様にお裾分けさせていただきますので、お楽しみください。(背景がごちゃごちゃしててすみません。)

こうしてみると、有機的な形のフレームですよね。現代のエアロなフレームたちとはまた違った良さがあると感じます。普段は手が届かない狭い箇所を重点的にクリーニングさせていただきました。

パーツのクリーニングとハブのグリスアップ

続いて外したコンポーネントのお掃除です。まず驚いたのが汚れの量。ディグリーザーを使用して一つずつゴシゴシ洗っていくのですが、全ての部品を洗い終わってから出た汚れの量がこんな感じです。

これ相当汚れが少ないんですね。通常のオーバーホールですと、バットの底が汚れで見えなくなるほどドロドロになることが多いのですが、ご覧の通りディグリーザーがサラサラしております。お客様が日頃しっかりとお手入れされていることが、こういった部分からよく分かります。
せっかく綺麗になりましたので記念に撮影。

続いてハブのクリーニングとグリスアップです。前後とも軸の回転にゴロゴロ感は無し。良好な状態でしたので部品をよく洗ってからグリスをしっかり付けて元に戻して完了です。

完成

白ベースに赤いラインが映えますね。

主要なコンポーネントとヘッドパーツ、BB、ハブを一気にリフレッシュしましたので、しばらく安心して楽しむことができる自転車に仕上がりました。

ここまでお客様と10年以上共に頑張ってきた相棒なわけですが、もうさらに10年はいけるんじゃなかろうかと思わせてくれるくらいパリっとしたオーラが自転車から放たれており、非常に眩しかったです。(オーバーホールに携わると本当にそういうものが出てる気がするんで不思議です。)

最後になりますがオーナー様、当店のご利用、ブログへの掲載協力、誠にありがとうございます。

生まれ変わった愛車で楽しい自転車ライフをお過ごしください。

 

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