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2022/12/24 13:20
前回の【準備編】に続き、今回はいよいよ【ライド編】です。
ライド編は長くなりますので前編後編に分けて掲載します。
ライド計画に関してはこちらで記事してあります。
未読の方は一読されてからの方が状況が分かり易いかと思います。
今回のキャノンボールでは個人的なルールとして、
・0:00に出発
・2日間の休みの中で完結させる
という2つを追加しました。
0時発にしたのは、24時間以内ではなく1日で完走したいと思ったため。
2日間というタイトスケジュールで組んだのは、「土日休みがあればキャノンボールできますよ!」と主張したかったためです。つまりは、世間一般の休みとされる金曜日の仕事終わりから、土日休みの間で実行可能であることを実証したかったわけです。
そのため、火曜日は普段通り仕事をこなしたうえで、水曜日と木曜日の2連休での達成を試みました。
そんなこんなで仕事終わりに輪行し、駅へ直行。
モノレールに乗って立川駅に着いた後は中央線に揺られ東京駅へ。
しかしこの間に事故が発生し、東京駅到着は遅れてしまいました。
とはいえ、新幹線の到着には余裕があったため、それなりに大慌てすることも無く。予定通りに乗り換えをして行けば、新幹線で仮眠を取りながら新大阪駅まで。下車して組み立て、スタート地点へ移動して、大阪市道路元標を0:00出発にはちょうど良いタイムスケジュールとなる筈でした。
しかし、この新幹線への乗り換えで盛大なやらかしをします。
ここでは詳細には語れませんが、結論から言うと
新幹線を逃しました
新幹線代の返金手続き。指定席の料金は返却されないため、かなり痛い損失。
これにより、東京→大阪キャノンボールへの変更を余儀なくされました。
追い風から一変。超向かい風の中を進む、地獄のライドが始まります。
しばらく東京駅出口付近で立ち尽くし、大きなため息を何度もつきます。
「DNS※」の文字も幾度となく浮かびましたが、キャノンボールのために既に夕食として2400kcalを摂取してしまっています。「もともと計画していた東京→大阪キャノンボールに戻っただけ」と考え、強行することにしました。※「DNS=Did not start」
東京駅前で車体を組み立てますが、相変わらずため息が溢れます。
東京スタートの場合は秋葉原駅まで輪行し、快○クラブで仮眠をしてからスタートするつもりでした。
しかし、一度組み立てたものをまた輪行して。というのもいい加減面倒だと考えた私は、22:20から0:00までの時間をスタート地点である日本橋で待機することに。
寒さに体を震わせながらしゃがみこむその姿はまるでホームレス。バイクと体を鍵で繋ぎ、目を閉じて可能な限りの休息をとります。
23:40。そろそろ動こうかと準備を始め、Garminをセットしたり、コンビニでカイロを調達したり、ストレッチをしたり。
そしていよいよ0:00。日本国道路原標をスタートします。
シューズと鎖骨下に貼ったカイロのおかげもあり手先足先も冷えることなく、8kmほど進んだ所でジャケットの袖部分を外しジレモードに。体調も万全のため、意気揚々と走り続けます。
タイミングが悪いと2回に1回のペースで引っ掛かることもある信号も、0:00スタートだと引っ掛かることも少なく、比較的スイスイと都心を抜けることができました。
全国的に強風吹き荒れる予報でしたが、東京都内だけはなぜか無風に近く、ただただ順調に進んでいきました。
横浜にて、向かい風を感じるようになり、茅ヶ崎市に入るころには体感的には風速4m/sほど。この時点で既に精神をゴリゴリ削られていますが、エアロポジションでペダルを回せばまだ進めるレベル。「負けるものか」と[達成]に向けてペダルを回し続けます。
信号待ちの数十秒も無駄にはできない。ハンガーノックにならないように隙間時間で補給を挟む。
しかし、徐々に徐々に風は強くなっていき小田原市に着いた頃には進むのが嫌になるほどの向かい風。「大阪→東京キャノンボールだったらどんなに楽な事か」と、ため息を漏らします。
小田原市にて、「何か凄い風貌の建物がある」 と写真を撮ったが、建物以上に風になびく草がその風の強さを物語るワンショットとなった。
4時10分。キャノンボール最大の難所とも言われる箱根に到着。本来であれば箱根を4時30分までに通過する算段だったため、大幅な遅れをとっていることになります。しかし風は強くなる一方。勾配3%の坂を200wで回しても15km/h前後しか出ない地獄を味わいながら登り始めます。
案の定、全く進まない。私の体重だと3%の勾配では200w出力できれば22km/h程出せるはずなのですが…。
真正面からの向かい風によって押し戻されるため、勾配+3~4%の坂道に感じます。逆にコーナーを曲がり、追い風になった瞬間は電動アシストのようにペダルが軽くなります。「大阪→東京キャノンボールだったらどんなに…(以下略)」
予定以上に足とカロリーと精神をゴリゴリ消費するので、予定を変更し箱根のコンビニで初の休憩をします。
おにぎり3つとコーヒーを流し込み、羊羹を補充。100km地点で箱根も登り切ってもいないのに時間は5時を過ぎ、[達成]はもはや諦めムードです。本来であればこんなところでホットコーヒーをすすっている余裕などありませんが、精神がチェダーチーズの如く削られているため回復に徹します。
10分程度休憩をした後再び走り出し、やっとの思いで山頂まで辿り着きましたがまだまだ箱根の洗礼は始まったばかり。
気温は2℃。湿塩散布車が塩を撒き散らしながら走っていきますが、撒かれた塩がショットガンの如く飛んできます。-2~3%程度の下り勾配ではペダルを回さなければ止まってしまいそうなほどの強風は、体温を奪いながら吹き抜けていきます。
「ア゛ア゛ア゛ア゙ァ゛ァ゛ァァ!!!」「寒い―――!!!」「タスケテーーーー!!!」などと絶叫しながら箱根を下っていきます。
箱根を下りきって三島市の市街地へ出ると、ようやく体の震えがおさまりました。
静岡県の国道1号線は多くの区間が「自転車通行禁止」となっています。作成したコースが必ずしも合っているとは限らないため、標識にも細心の注意を払って進んでいきます。
ここから先はただひたすらに走り続けるだけですが、今回は一旦ここまで。
後編ではライドの続きと、帰路でのトラブル。思わずグローブを地面に叩きつけて頭を抱えたほどの「トドメの一撃」。そして今回の無謀な「向かい風キャノンボール」をしてみての振り返りを記したいと思いますので、お楽しみに!