日本最大級のスポーツサイクル専門店!サイクルライフサポート!
2023/10/06 18:17
前回の記事はコチラ
スタート直前に特大サイズの不安の種を抱えたスタッフ高橋。
果たしてフロントワンバイ600kmの旅はどうなってしまうのでしょうか。
ブルベはコースを逸れても問題は無いのですが、ショートカットなどはもちろんご法度。
寄り道などでコースを逸れたら、コースを外れた場所まで戻ってコースに復帰しなくてはいけません。
ほぼ一本道の田舎道であればそこまで問題無いのですが、交通量の多い道や分岐の多い道は常にGARMINを気にしながら進みます。
GARMINを頼りにしていてもなお、不安に思う瞬間というのは度々訪れます。
更には交通量が多い道路は環境音も多いため、GARMINのアラートに気付きにくい。といった注意点もあります。
かといって当然、端末とにらめっこしながら走るのは危険なので基本は前を見て走るわけですが、この時前に人が居ると物凄く安心して走行ができます。
「とりあえず前の人に付いて行けばいいや」みたいな。
ただ、流石にずっと後ろに引っ付いているのもいたたまれないので、率先して先頭交代しますが、本音を言えば「ずっと誰かの後ろを走っていたい」。
自分とだいたい同じペースの人と固まり、3人組になりました。
先頭を走っていると後ろから「ここ左ですよー!」と大きな声。「嘘!?」と思いマップを開くと、確かに交差点を左折。画面上部には「オフコース」の文字。
やっちまった!
…と、まぁこんなこともある。
前に人が居るのは頼もしいですが、後ろでもこうして間違いを教えてくれる人が居るというのはとても心強いです。
3人組を形成したまま第一通過チェックポイントに到着。どうやら一番乗りの様子。
ブルベカードとレシートを一緒に撮影し、それをGoogleフォームで送信することで認定を貰う方式。
そしてブルベの第一PC(point de controle)あるあるですが、次々にライダーがやってくるので比較的混雑します。一番乗りで到着した場合にはトイレを真っ先に済ませることをオススメします。
数分話しながら休憩を取り、出発。
つぎのPCまでは130kmと距離があり、信号や入り組んだ道も少なくなるため、必然的に各々のペースで進む形となりました。
今回導入したフロント40T-リア11-30T。非常に快適に走ることが出来ました。
「平地ライドならベストチョイスだな」と思いながら走り、
綺麗な渓流を横目に、
美しい田園風景を横目に
時速30km/hを下回ることなく駆け抜ける。
前にも後ろにもブルべライダーは見当たらない。蛍光ベストを着ているので居れば一瞬でわかるのですが…
そして誰もいなくなった。
スタートから80km。「ここからは単独走かぁ」と考えながら、「ここまで来たら速さを追い求めてみよう」という方向にシフト。
補給はカロリーメイトを10km毎に1袋食べる方式に。効率最優先でその後も走り続けます。
パワーメーターのおかげでオーバーペースになる事もなく快適に走り続け、折り返し地点である喜多方に到着。
何気に日暮れ前に到着できたのには自分でも驚きです。
この時の平均スピードは30.1km/h。
「原付の速度感ってこんな感じかぁ」
ルートを大きく逸れるのも面倒な為、有名店よりルート沿いを優先してお店を選びます。
目的はもちろん
喜多方ラーメン
「”食ってこい喜多方”なんだから食わなきゃダメでしょ。」
立ち寄ったのは
「とりそば にこみ 和」
通過チェックポイントの喜多方ラーメン神社から目と鼻の先の場所にありました。
「肉とりそば」を注文。
出来上がるまでの数分間、店主と話をしていましたが300km自転車で走って来たことに驚かれたのは言うまでもありません。
「これでもまだ半分なんですけどネ。」
あっさりした味わいの醤油ラーメンは、これまで効率最優先で甘いカロリーメイトしか食べてこなかった身体には最高の至福。本能に訴えかける美味さでした。
比喩でもなんでもなく、「一生忘れない味」となりました。
ここまでで疲労感は5割程度。「十分余裕がある。」と思っていたのですが…
ラーメンを食べ終え、「食った―!!」とやたらテンションがハイになりながらライドを再開しますが、ここで身体の異常に気付きます。
身体が。。。重い。。。
「そりゃラーメンを汁まで飲み干したんだから単純に1kgくらい重くなっている」とかそういう話ではなく、全身の動きが鈍重になっているのです。
そこからというものの、驚くほどのペースダウンをします。
ログを見ても一目瞭然。心拍数が上がらなくなっています。
頭では「走りたい!」と思っていても、身体が「休め馬鹿」と言っているような、カロリーが不足していないハンガーノックの様な感覚を延々と味わいました。
適当に休憩出来そうな場所を見つけては仮眠をとったり、休憩したりしながら進み続けます。
誠に申し訳ないことに、ここからは写真も無ければ語れるほどの記憶もございません(キッパリ)
夜通し走り続け、日が昇りはじめます。身体も覚醒モードに入り、睡魔は一体どこへやら。なお、疲労は蓄積している模様。
気が付けば千葉県柏市までやって来ました。
髙橋「あぁ。憂鬱だ。」
この道は3回程通ったことがあるのですが、大体ここから交通量が非常に多くなり、渋滞も発生するようになります。
更には今回は東京の中心部を通って川崎に向かうルートです。
案の定渋滞にハマり、江東区ではお祭り(恐らく江東区民まつり)の影響で大幅な足止めをくらったり、挙句にコースに設定されている銀座通りは歩行者天国。
ホントに、、、最後の最後にコレは勘弁してほしい。。。
心を折られそうになりながらも、ゴールまではあと数十km。
ここまで来たらもう止まる事はなく、ひたすらゴールを目指します。
Garminからアラートが聞こえる。方向指示に従う。次の指示を確認する。
今回のライドで幾度となく繰り返した動作。
しかしそれもいよいよ終わりを迎えます。
画面には「終点」の文字
「ウ゛オ゛ア゛アァァアァァァ!!!!!」
心の中で歓喜の雄たけび。
”無”になっていた私に再び魂が宿りました。
終わる
あと1.5㎞で
もうへとへとです。魂が戻って来てからは「ゴールしたら祝杯(コーラ)だっ!!」それしか考えていません。
ゴール地点のコンビニに到着。
コーラ片手にカウンターに向かいます。動線に迷いはなく、買い物は秒で終わりました。
そしてこれまで通貨PCで撮った写真をGoogleフォームで申請し、フィニッシュです。
終わってみればなんとも味気ない。
イベントらしかったのは序盤だけじゃないか。
今回のライドではフロントワンバイの心配も杞憂に終わりました。「ビビらせやがって…(小声)」
それでも何にも替えられない”達成感”がある。
スピードを競うものではないですが、全体の2番目にフィニッシュ。「2」という数字は好きなので地味に嬉しい。(高橋の番号は11149です)
この記事を書いている現在、まだメダルは届いていませんが、ブルべ完走者にはメダルも発行されます。
むしろこのメダル欲しさに走ったと言っても過言ではありません。
メダル…早く届かないかな。
完
ちなみに今回雨にも見舞われた600kmブルべですが、一度もチェーンルブを追加塗布していません。その後帰宅するまで追加で35㎞程走りましたが、油切れを起こすことはありませんでした。
「何を使っているの?」と聞かれそうですが内緒です。気になる方はぜひ髙橋にお問い合わせください。
そしてこの後もちろん爆睡した髙橋ですが、翌日にはまた200㎞ほど走ってある場所に向かったのですがそれはまた別のお話。