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【輪行ことはじめ】基礎知識をおさらい
by: 長山靖

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 輪行 愛車と共にどこまでも!

お気に入りの愛車で、自宅近隣エリアだけでなく、もっといろいろなところを走り回ってみたい!

そんな時に便利なのが輪行です。主に自転車のホイールを外して専用の袋に収納し、公共交通機関を使って遠方へとワープすることを言います。

例えば、私は以前、3連休を使って自走で秋田県を目指したことがありました。東京の南端からスタートして3日目、500km強を走って、ようやく秋田県へ到達。しかし!もう休みは最終日。明日は仕事だ、帰らなきゃ!

そこで、輪行の出番です!

輪行して新幹線に乗ったら、愛車と共に秋田県内から東京駅まで4時間以内でビューン!とんぼ返りすることが出来、翌日は普通に出勤。このように、走れるだけ走って遠くまで辿り着いた!というライドを、限られた休日の中で叶えさせてくれます。

また、もし3連休初日に新幹線を使って輪行すれば、午前中にはもう秋田県入り。帰りも輪行とすれば、現地で思い切り走り回る事が出来ます!良いとこどりが出来るのです。

愛車と共に自由自在なライド旅。ぜひ、活用して世界を広げてみて下さい!

 今回は、輪行デビューを検討されている方へ向けて、基礎知識の概略を纏めてみました。

 

もくじ

輪行時に使える主な交通手段と特徴

様々なシーンに合わせて展開される輪行袋の種類

準備が出来たら、いざ、実践!

 

輪行時に使える主な交通手段と特徴

鉄道

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輪行袋の持ち込みは、ほとんどの鉄道会社は無料で出来ます。
(※一部の地方私鉄では持ち込み料金が掛かるところもあります)

輪行収納時のサイズがタテヨコ高さの合計250cm以内、かつ一辺が200cm以内、重量は30kg以内で、専用の袋に完全収納、が基本ルールです。ハンドルやサドルなど一部が飛び出している状態は完全収納ではありませんので要注意。

日常生活での鉄道利用は、最短経路を利用するのが主かと思います。輪行の場合は、大きい袋を担いで行動するため「空いている路線、列車、時間帯を狙う」「乗換しやすい経路を考える」「少し離れていても利用しやすい駅があればそこまで自走してから輪行」など、いつもと異なる目線で経路を考えるとかなりやりやすくなります。平日に輪行する際は、ラッシュ時間帯の混雑する方向は絶対に避けましょう。

ただの移動手段としての利用でも十分便利ですが、普段は全く利用しない路線を使うことも多く、プチ鉄道旅もセットで楽しめてラッキーと思って利用すれば、更に旅情が深まります。

余談ですが、サイクルトレインを期間や列車限定で運行しているところもあります。その場合は、輪行せずそのまま持ち込みが可能です。

 

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 半島から半島へと、湾を回り込まずに移動したり、離島を走ってみたい、となったら欠かせない手段です。特に離島は、独特の風土が新鮮だったり、車や信号が少なく走りやすかったりと、ならではの魅力が満載でオススメ。

東京近辺では、三浦半島~房総半島を結ぶ東京湾フェリー、竹芝~伊豆諸島を結ぶ東海汽船などが代表的です。

大抵の船は、鉄道利用に準ずる輪行袋に収納すれば乗船可能です。車ごと乗れる大型フェリーでは、輪行せずそのまま乗れるところもあります。有料、無料、袋に入れれば無料、など運賃は船によってまちまち。鉄道と比べると代替手段に乏しいため、利用の際は事前によく輪行の規定を調べ、当日はスムーズに利用出来るよう備えておくのがベター。

強風など悪天候の影響を受けやすいため、直前には運航状況の確認をしておくと安心です。

乗り遅れは厳禁!終電を逃したからタクシーに切り替えよう、は、海の上では通じません。

 

飛行機

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北海道や九州沖縄など、思い切り遠方に短時間でワープしたい時の強い味方。基本、鉄道の輪行基準内に収めれば利用出来ます。大手航空会社は無料、格安会社は有料、とまちまちで、事前の調査が安心。

難点なのは、自らの手元を離れて預ける形となるので、傷、破損の心配があること。

これまでの経験や見聞をまとめると、

・国内線は比較的取り扱いは丁寧で、普通の輪行袋でも割と行ける。が、絶対ではない。心配ならソフトケースを。
・袋には「こちらが上」「高級自転車取り扱い注意」といった目立つ注意書きを添付し、正しい扱いを促す。
・念のためリアディレーラーをハンガーから外しておき、不意の圧力に備える人もいる。
・タイヤの空気圧を少し下げておく(という指示を受ける、やらなくても大丈夫、など混在)
・オイルやCO2カートリッジ、規定サイズ以上の工具などは預け不可のため持ち込めず、着払いで空港から自宅へ送るハメになる。
・国際線は、丁寧な扱いは望めず、上積み、横倒し、投げる、は日常茶飯事。そのためしっかりした箱形のケース収納がマスト。利用可能サイズは国内線よりもシビアで、ケース選定も含め事前調査は必須。

・・・など。

 

マイカー

道のあるところならどこでも自由自在にワープ。荷物が多めでも、車載で行けます。

ただ、必ず車に戻らないといけないので、スタートとゴールを別にすることが出来ません。また、走り疲れた身で、更に運転して帰らないといけないという点がデメリットです。

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バス

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会社、路線によっては利用可能なこともありますがNGなところも多く、事前の確認が必須です。また、NGとはしていないものの、混雑時は断られる場合もあります。これまで利用したことがあるところでは、路線バス(無料だった)、路線バス(子供料金発生=それだけ場所を取っているという扱い)、高速バス(荷室に入れて貰えたが輪行袋は横倒し状態。結果的に大丈夫だったが傷や破損の心配でハラハラした)という感じでした。どうしてもバスを使わないと成り立たない、というプランでなければ、まずは他の手段を優先した方が無難かも知れません。

 

 様々なシーンに合わせて展開される輪行袋の種類

袋や用品を選ぶ際の着目点をざっくりご紹介します。

1、袋の生地の厚さ

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生地が薄い(保護性は低いが軽量コンパクト)
 ↑
 ↓
生地が厚い(重く嵩張るが保護性は高い)

となります。これは、主に輪行するシーンによって選びます。

●生地薄手のメリット:軽量でコンパクト

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↑ スタート地点とゴール地点が異なるライドでは、走っている間、使わない輪行袋を携行することになります。この場合は、軽量コンパクトになる薄手タイプの方が有利です。輪行の予定は無いけど、遠乗り先の万が一に備えて携行、という時にも荷物量を抑えることが出来て助かります。あまり薄いと心配になるかも知れませんが、手元で袋を管理出来る鉄道輪行などでは、丁寧に扱えば十分な性能を持っています。

 

●生地厚手のメリット:保護性が高まる
イベントや大会参加で遠征するための輪行、スタートとゴール地点が同じコースに行く、などの場合、現地に着いたら輪行袋を宿やコインロッカーなどに預けておくことが出来ます。ライド中に携行する必要がないため、保護性が高まり安心感ある厚手が魅力的になってきます。

 

これらの中間くらいを取ったモデルもあります。また、少し嵩張りますが袋内部に車体とホイールを分ける仕切りが付いて保護性を高めているものもあります。店頭で現物を見比べて、大きさ、重さを確認して選ぶのが理想的です。

 

2、収納形式の違い

縦型

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前後輪を外して、車体を縦長に収納するタイプ。サドル後端とリアエンド部を下にして置くため、リアディレーラー保護のためのエンド金具使用が必須です。その手間はありますが、横幅が少なめで済むため、乗り物の中で置き場を見出しやすいのが大きなメリット。一般的な電車の、ドア入ってすぐ脇、座席横の手すり部分に置いても導線を妨げないサイズ感です。担いで歩く際は、袋のサイズ感の脳内イメージと実サイズとの乖離が少なく、普通に気を付ければぶつけたりすることは少ない印象。無事に収納さえしてしまえば最も輪行しやすいタイプです。

 

横型

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 前後輪を外して、車体を横長に収納するタイプ。ハンドル、サドルを下にして置き、リアディレーラーは上側に来て地面に接しないため、そこを保護するためのエンド金具を省略することが出来るのが大きな魅力。

また、縦に短いサイズ感のため、担いだ時に小柄な方でも地面と袋とのクリアランスを確保しやすく歩きやすい、という点があります。

ただ横幅がある分、注意しているつもりでもぶつかったりしやすい傾向があります。担いで歩く際は細心の注意が必要です。また、場所を取るため、交通機関内での置き場探しは難易度が上がります。

エンド金具は省略出来ませんが、縦型に収納して、担ぐ時だけ横向きにして地面とのクリアランスを確保、置く時は縦にして省スペースで、というやり方もあります。

 

ソフト、ハードケース

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きちんと納めれば、もっとも自転車にとって安全なタイプです。飛行機利用の際は、自分自身で袋を取り扱う鉄道と違い、預けて取り扱いを委ねることになるため、確実さを求めるならここに行き着きます。ただケース自体がかなり大きいため、輪行というよりは輸送という感覚になってきます。国際線では特にサイズ規定がシビアなため、ケース選びは事前調査の上で入念に。これらは店頭に在庫が無いことが多く、メーカーでも品薄になりがちなので、極力早めの準備をおすすめします。

 

3、車種別のタイプ

①ロードバイク用、②ロード・クロスバイク兼用、③エアロロード&グラベルロード用、④MTB用、など、車種別にタイプが分けられています。主に袋の収納サイズが変わり、先に挙げた例では①→④になるほど大きくなります。

いちおう大は小を兼ねますが、収納時にダブついたり、無駄に重くなったりします。逆に車種に対して小さいものを選んでしまうと入らない!なんてことになってしまいます。必ず輪行袋の適応車種を確認して選びましょう。

 

4、袋以外の周辺用品

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収納用の袋本体だけでなく、保護のために周辺用品も必要となります。袋のモデルによっては一部用品が付属している事もありますので、購入時には付属品有無の確認をしましょう。

●全車種共通用品●

・エンド金具(縦型収納では必須)
車種によって規格の種類がありますので、どれが適合するか確認が必要です。

飛行機輪行など、預ける形になる場合は、横からの不意の圧力への防御力を上げるため前にも装着すると安心。

 

・フレームカバー
フレームへの傷、ダメージ防止に是非使いたいアイテム。幅や太さなど種類があります。太いフレームの自転車で細いカバーを選んでしまうと使えませんので要注意。

・スプロケットカバー
後輪に付いているスプロケットの、鋭利なギア歯を覆うカバー。他の部分にダメージを与えないために使うと安心。

・チェーンカバー
袋内部のチェーン汚れを防ぐカバー。無くても輪行は出来ますが、カラフルな袋なんかだと黒い油汚れがどんどん付着して残念な状態に・・・。

 

●ディスクブレーキ車体用●

・ローターカバー
油分付着は厳禁のローターを保護するカバー。他の部分にダメージを与えないためにも。

・ダミーローター
油圧ディスクブレーキ車では必須。ホイールを外した際、いなくなったローターの代わりにブレーキ本体のパッドに挟み、パッドの位置が狂うのを防ぎます。

 

細かいところは店頭で!!

袋のモデルや必要用品の選択は、規格、相性など種類が多彩ですので、多分これだろうで買ってしまうと失敗する可能性大。店頭でご相談頂くのが間違いありません。乗られている自転車のモデル、どんなシーンでの輪行で使いたいか、などお伝え頂ければアドバイスさせて頂きますので、お気軽にご相談下さい!

 

準備が出来たら、いざ、実践!

 輪行作業は「単純な作業の積み重ね」です。覚えてしまえば決して難しいものではありません。段取りを大雑把に言ってしまえば、前後輪を外して袋にしまう。ただそれだけなのです。性格が豪快な方などは、まさにその段取りだけでドーンと輪行されていますが、愛車と共にワープという目的は、いちおう達成出来ています。ただ、やっぱり傷やダメージが入らないよう保護したい、というのが大方の心理であり、オススメでもあります。そのための作業がちょこちょこ出てくるのですが、ほとんどが簡単な作業で、熟練の技が・・・なんてことは必要ないのです。

ビギナーにとってはホイール脱着がハードルの一つかと思いますが、そのやり方をマスターしておきたい理由が他にもあります。それは、パンク修理がホイール外しから始まるから。ライド時のマシントラブルの大半はパンクなので、そのやり方をマスターすると、心配が大きく減ります。輪行で遠くへ行くなら、是非セットで覚えてしまいたいところ。メカは苦手な私の妻も、やり方を覚えたら輪行もパンク修理も出来るようになりましたので、どなたでも必ず出来るようになります。

パンク修理くらいなら出来るぜ、それ以上のマシントラブルがあったら輪行で脱出すれば良いし♪

という安心体制で、どんどん異郷ライドを堪能してみて下さい!

尚、輪行の際は、周囲への配慮をくれぐれも忘れずに!それが良い旅を生む秘訣かも知れません?

みなさまのオモシロ旅の報告、楽しみにしております!!

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written by 長山  靖

 

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