日本最大級のスポーツサイクル専門店!クロスバイクに特化した専門館!
ワイズロード名古屋クロスバイク館 Y'sRoad nagoya-crossbikekan
[英語対応可]
2021/12/20 17:59
皆さんこんにちは!名古屋クロスバイク館 鈴井です。
▲ CANNONDALE QUICK 4
¥79,200 (税込)
手前からCMTカラー XSサイズ、BIOカラー Sサイズ、ALPカラー Sサイズ
突然ですが、こちらただいま当店に在庫しているQUICK 4です。どれもいい色で、3色並べると鮮やかですね!
ところで、こちらの車体には「フロントディレイラー」がありませんね?
最近耳にする機会の増えた「フロントシングル」という仕様です。
クロスバイクといえば、このようにクランク側にも変速があるイメージが強いのではないでしょうか。
こちらは3枚あるので「フロントトリプル」です。
本日は、QUICK 4の仕様を紹介しながら、「フロントシングルって何?メリットは?デメリットはないの?」というお話をしたいと思います。
目次
こちらは、とあるマウンテンバイクのドライブトレインです。
昨今、一定グレード以上のマウンテンバイクではフロントシングルが当たり前になりました。
これは、フロントシングルのメリットに大いに関係があります。
当たり前ですが、フロントに変速がない以上、「フロントの変速をいつ使えばいいのか?」ということを考える余地はありません。
ついついリアだけ変速しているとなりがちな「クロスギア」は避けた方がいい、ということも考えなくてよくなります。
当店でもお渡しの際には「掃除をしよう!」と書かれた説明書をお渡ししていますが、実際に掃除してみるとフロントダブルやフロントトリプルって掃除しにくいですよね?
フロントシングルなら、クリーナーをつけて回しながら拭き取るだけです。
「でもフロントが1枚になったら、変速の幅が狭まってしまうのでは?」と思われるかもしれません。
そのために、一般にフロントシングルでは、リアに大きなカセットがついています。
注目すべきは “Crank” の 38T と “Rear Cogs” の 11-42 の部分です。
“T” は “Teeth” で、「歯」のことです。チェーンに嚙みこむ歯の数のことです。フロントのチェーンリングは38丁の歯があるという意味になります。
11-42 という表記法ですが、最も小さい歯車が11丁、最も大きい歯車が42丁という意味になります。
QUICK 4の場合、9速なので 11-13-15-18-21-24-28-34-42 というスプロケット構成になっています。
スプロケットの最も大きい歯車がチェーンリングよりも大きいということは、ひと漕ぎ (クランクの1回転) で車輪が1回転しないことになります。街中の大抵の坂道は登れるはずです。
一方最も大きいギアですが、タイヤ周長がおよそ2,200mmですので、計算上はケイデンス60rpmでだいたい27km/h出ます。
……と言われても、よくわからないと思いますので、もう少し詳しくご説明します。
「ギア比」という用語ですが、何となくわかりそうな言葉ではありますね。
ギア比 = フロント丁数 / リア丁数
です。これにタイヤの外周の長さをかければ、ひと漕ぎでどれだけすすむかわかりますね。
GD (ひと漕ぎで進む距離) = タイヤ周長 × ギア比
となります。
ここで「ケイデンス = 一分間に何回転のペースでクランクを回すか」という数値を掛けると、自転車のスピードになります。
スピード = ケイデンス × GD
これらを合わせて、整理すると、
スピード [km/h] = ケイデンス [rpm] × タイヤ周長 [mm] × フロント丁数 [T] ÷ リア丁数 [T] × 60 ÷ 1,000,000
となります。
ケイデンス60というと、フィットネスとしてはゆっくりめな回転数です。タイヤ周長は約2,200mm (筆者実測) で、フロントは38T、リアのトップは11Tです。
最後に「× 60 ÷ 1,000,000」は、「分速ミリ」を「時速キロ」に直しています。
先ほどの「トップギアでケイデンス60rpmなら時速27km」はこのようにして計算できます。十分速いと思いませんか?
では、ここでフロントシングルのQUICK 4と、フロントトリプルであるMISTRALとで、ギア比を比較してみます。
最小 | 最大 | |
---|---|---|
QUICK 4 | 0.90 | 3.45 |
MISTRAL | 0.88 | 4.36 |
このように、最小はほぼ変わりません。一方、最大はやや小さくなります。
しかし上記の様に、街乗りやフィットネスには十分なギア比をカバーしていて、むしろフロントトリプルには使うことの少ない重いギアがあるといえます。
しかし、何事もメリットばかりでデメリットがないということはありません。
11-42 9s: 11-13-15-18-21-24-28-34-42
11-34 9s: 11-13-15-17-20-23-26-30-34
比較のため、QUICK 4のスプロケット構成と、GIANT ESCAPE RX 2 DISCに装着されているスプロケット構成を並べてみました。
小さいほう3枚は同じですが、その次から丁数の差が大きくなることが見てとれると思います。
これは何を意味するかというと、「速度が乗ってきた!変速しよう!」と右手の人差し指のレバーをカチっと押し込んだ時に、丁数差が大きいとギア重くなりすぎてしまうということです。
また、丁数差が大きいことで、変速のスムーズさもいくらか失われます。
「乗車中、クランクは逆回しをしないでください」というご案内を普段からしておりますが、このようにロー側が極端に大きいスプロケットでは、これが特に問題になります。
チェーンを逆回しすると、「カリカリ」という音がすると思います。
スプロケットが重いとチェーンの逆回転についてこられず、チェーンが手繰り寄せられてたわみます。
これがチェーンが外れる原因になります。
フロントがシンプルなのに対して、リアが極端に大きく重くなるので、それに伴ってこのようなデメリットも生じます。
このように、フロントシングルにもデメリットはもちろんあります。
たしかに、オンロードのレースシーンにおいては変速のスムーズさや重量バランスなどが重要ではあるのですが、街乗りにおいてはおおむね無視できるものであるといえます。
掃除が楽で、操作も楽なフロントシングル、街乗りには素晴らしい選択ではないでしょうか。
ということで、冒頭で3台並べて紹介したように店頭にございます!
XS (145-155cm) |
S (150-165cm) |
L (175-185cm) |
|
---|---|---|---|
CMT | 1 | ||
BIO | 1 | 1 | |
ALP | 5 (うち即納可 1 ) |
ぜひ店頭でご覧ください!
↓また、店頭在庫とはカラーが異なりますが、オンラインに掲載されている商品もご覧ください。↓
2021年12月20日 鈴井
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