街乗りこそフロントシングルを推したい!!【CANNONDALE QUICK】
by: 加藤

※写真 CANNONDALE HPより

フロントシングル。※前側のギアがひとつしかないこと。

自転車フリークなら当たり前に耳にする用語。しかしスポーツバイクに乗られていない方からすると、呪文のように聞こえるかもしれません。

フロントシングルが定着するまえ、わたしはアメリカのライダーに憧れてトリプル(前側の変速が3つあるもの)ギア2つ取っ払いシングルで乗っていました。当時はナローワイドというものがなく、チェーンキーパーでチェーン落ちを防ぐ。それでもチェーンが落ちることもありましたが…

それからチェーン落ちを劇的に解消するナローワイド型のチェーンリングが出始め、WOLFTOOTHから気の利いたアイテムが出た時は衝撃でした。

今ではMTB、シクロクロス、グラベルバイク、さらにはクロスバイクまでフロントシングル仕様のバイクが定着しています。なぜここまで広まり定着したのかメリットとデメリットを考えてみたのです。

1 フロントシングルのメリット
2 フロントシングルにデメリットはあるのか
- 2.1 1)ギア比の選択が難しくなる
- 2.2 2)クロスレシオに出来ない
3 現在フロントシングルでご用意できるクロスバイク
4 最後に

フロントシングルのメリット

※写真 TREK HPより

1)フロントの変速を考えなくていい!!

フロントの変速をいつしよう…というのがなくなります。当たり前ですが。シクロクロスなどの競技を楽しむ私は、路面やスピードの状況が激しく変わり、フロントの変速まで考えている暇がないと感じています。そしてクロスバイクを購入した方の多くの方は、フロントの変速をあまり使われていないのが見受けられます。

2)メンテナンス性が上がる!!

フロントをシングル化するということはチェーンリングの掃除もしやすくなります。また、シフターやワイヤーなどが一つ無くなるわけですから、消耗品の交換費も抑えることができるのです。

3)軽量化につながる!!

スプロケやリアディレーラーが大きく重たくなりますが、フロントディレーラー、シフター、ワイヤー、チェーンリングの一部が不要になる訳ですので軽量化につながります。

4)フロントのチェーンが落ちにくくなる!!

フロント変速がなくなるということは、フロント側でのチェーン落ちのリスクが減ります。もちろん路面状況によりチェーンがバタつき落ちることもなきにしもあらずですが。ただ冒頭でお話しているナローワイドという技術により格段にリスクが減っています。 ※ナローワイドとはチェーンの噛み混む部分に合わせて厚歯→薄歯→厚歯→薄歯となっているもの。

フロントシングルにデメリットはあるのか

フロントをシングル化するともちろんデメリットもあります。

※写真 TREK HPより

1)ギア比の選択が難しくなる

フロントの変速がなくなるということは、ギア比の幅が狭くなるということ。街中でしたら全く問題はないのですが、峠などアップダウンが激しい場所は、どちらか(軽いギアもしくは重たいギア)が足りなくなることがあります。その辺も見極めてギア比を選択するのも楽しみだったりもします。

2)クロスレシオに出来ない

フロントシングルの場合、スプロケをワイドギアにしてギア比の幅を広げなければなりません。その際に生じる問題はクロスレシオに出来ないということ。通常であれば1〜2Tづつ変化するところが4Tになる部分もあるため、思ったよりも変速が軽くなったりします。また変速のレスポンスも遅く感じる方もいるかもしれません。

街乗りをメインに考えられている方にとってはこのようなデメリットはあまり感じないかと思います。むしろフロントシングルの車体を選んだ方がメリットばかりだからです。