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【空力徹底】もてぎエンデューロ7時間ソロに挑戦①
by: 佐野 隆

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◯もてぎ7時間エンデューロの詳しい情報はこちら→大会公式ホームページへ

 

本格的なエンデューロレースは十数年ぶりに参加するため、今回は本当に未知の領域である。

7時間のロングライドであれば何の問題もないが、7時間のハイペース走に関しては別モノくらいの理解度しかない。

 

このレースにおいて重要な事は「マネージメント(management):経営、管理」

目標の達成へ必要な要素の分析をし、能力の有効活用と効率の最大化をすることである。

 

1 目標

7時間ハイペース(※)を維持する。

※平均速度32km/h(48Lap)

 

2 必要な要素

2-1 必要出力の算出

目標達成には時速32km以上を維持する必要である。

速度は出力と抵抗の関係で成り立つため、マネージメントすることが可能である。

自転車において出力はペダルを漕ぐ力、抵抗は空気抵抗、登坂抵抗、転がり抵抗、駆動抵抗で表す事が出来る。

 

2-1-1 コース

場所/栃木県ツインリンクもてぎロードコース

距離/4.8km(1周回)

標高差/30m(1周回)

 

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img2.1:もてぎロードコース
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fig2.1:エネルギー算出のため簡易化したコースプロフィール

区間勾配/①0〜800m:-0.8%(-6m)

     ②800〜1700m:3.3%(30m)

     ③1700〜3000m:-2.3%(-30m)

     ④3000〜4800m:0.3%(6m)

 

2-1-2 気象

抵抗を算出する上で、外的要因である気象条件を想定する。

気圧/1013hpa

気温/20℃

湿度/50%

空気密度ρ/1.20kg/m3

 

2-1-3 能力

出力と抵抗を算出する上で、内的要因である身体能力と機材条件を想定する。

バイク重量/7.5kg

その他重量/2.5kg(ボトル500ml×2本含)

ライダー重量/60.0kg

出力/230w(CP60)、180w(CP180)

空気抵抗係数CdA/0.274(※)

※条件が近い値として昨年行われたTTJ第2戦の空気抵抗係数を使用する。

 

 2-1-4 走行条件

◯2人の集団走行、先頭交代は均等に行う。

◯補給休憩は1回10分とする。

 

以上の条件より必要出力を算出できるが、まず主観的に現状のコンディションから7時間の平均出力は150w程度と想定できる。

 このときのTSS(※)は456となり、過去の走行データともある程度一致するため、一旦この値を利用する。

トレーニングで体にかかった負担を表した指標。TSSは「100」が基準となる。1時間出し続けることができる限界出力で「1時間のタイム・トライアル」をした時の運動強度が「TSS 100」となる。

 

まず出力一定(150w)で走行した場合では

区間①1’10″(41km/h)

区間②3’00″(18km/h)

区間③1’32″(51km/h)

区間④3’08″(34.5km/h)

 

以上より

1周回8’50″より平均時速は32.6km/h

1周回8’50″より47周回(休憩10分含)となる。

 

なお想定速度の求め方は過去ブログ「【空力徹底】タイムトライアルジャパン2015に挑戦①」をご参考下さい。

 

算出結果から平均出力150Wでは、目標を達成できないと分かった。

出力を上げれば良いのだが、そう簡単に走力を上げられる訳もない。

 

出力一定の走り方は体への負荷とエネルギー消費を押さえられるが、速度が必要な場合では最良の方法とは限らない。

 

次回は登りと下りなどで条件を変えた検証を繰り返し、最適なペースのマネージメントを行う。

 

  

 

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