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【空力徹底】タイムトライアルジャパン2015に挑戦①
by: 佐野 隆

 

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タイムトライアルジャパン2015の詳しい情報はこちら→大会公式ホームページへ

 

2014年の過去ブログはこちら→【空力徹底】タイムトライアルジャパン第二戦

 

 

昨年、初開催のタイムトライアルジャパン(以下TTJ)は、数少ない本格的なタイムトライアル(以下TT)イベントとして注目されていました。

 

当然の様に今年も開催を待っていましたが、3、4、5月になっても全く開催の気配がありません。

 

半分諦めていた矢先、雑誌ファンライドに「TTJ2015開催」の文字を発見しましたが、その距離はたったの4.4km。

 

短距離のTTではスプリントの要素が大きく、空力よりも絶対的なパワーが勝敗を左右するため、今年の参加は見送る事にしました。

 

 

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photo1:14年TTJ第二戦のアルティメットに参加した様子

 

 

しかし、先日ふと大会概要を確認すると「16.8km」とその距離が伸びている!?

 

おおっ、行くしかないでしょ!!

 

登りと下りの繰り返しというかなり難易度が高いコースプロフィールもGood。

 

そして、ノーマルとアルティメットのどちらのカテゴリーに出場するか迷っていたとき…。

 

後方から悪魔のささやきが、

 

「両方でればいいじゃん」

 

…!?。なるほど。

 

 

早速タイムスケジュールを確認するとノーマルのスタート時刻が10時、アルティメットのスタート開始が11時。

う〜ん。ちょっと無理があるかなと思い、両カテゴリーにエントリーが可能かを事務局に問合せて見ると

 

「なるべくスタート時間にに無理がないよう善処します」との嬉しい返答がありました。

 

30分のTTを続けて2本

 

さすがにキツいかなぁ。と考えましたが、ノーマルとアルティメット両方への出場を決定しました。

 

起伏があるコースでは、空力と軽量化のどちらを重視するか、走行シュミレーションにより最適な機材とペース配分を選択すことが攻略のポイントとなりそうです。

 

 

◯コース

場所/福島県白河郡西郷村 公道上特設周回コース

距離/16.8km(5.6km×3往復)

標高差/99m(1往復)

勾配/4.0%(1往復)

区間勾配/①0〜500m:-5%(-25m)

     ②500〜2100m:-2%(-32m)

     ③2100〜2800m:-6%(-42m)

     ④、⑤、⑥区間は往復のため上記の逆となる。

 

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fig1:コースプロフィール

 

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photo2:春には桜の道となる台上コース。(引用元http://www.nishigo-kankou.jp/news/index.php?id=140)

 

 

◯シュミレーション①

 ■気象条件

風速/0m/s

気温/25°

湿度/50%

気圧/950hpa

 ■機材

バイク/CANNONDELE スライスRS

重量/8.6kg

体重/60kg

装備・ウエア重量/1.5kg

空気抵抗係数/0.256(加須TT時より算出)

 ■想定出力(W)

区間①150-②200-③100-④250-⑤250-⑥250

 

 

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photo:7月に行われた加須TTの様子。空気抵抗係数は0.256

 

 

空気抵抗の算出方法はこちら→【空力徹底】NISHIGOバイシクルフェス個人タイムトライアルに挑戦

空気抵抗の算出方法はこちら→【空力徹底】タイムトライアルジャパン第二戦

 

 

区間①30”(60km/h)

■空気抵抗(N)=39.48(60km/h)=658.2W

F(N)=CdA*ρ*v^/2

F(N)=0.256*1.11*16.67^/2

■登坂抵抗(N)=-34.35=-572.6W(60km/h)

F(N)=Wsinθ

F(N)=70.1*9.8*0.05 

■転がり抵抗・駆動抵抗=45W 

 

区間②1’59”(48km/h)

■空気抵抗(N)=25.25(48km/h)=336.5W

F(N)=CdA*ρ*v^/2

F(N)=0.256*1.11*13.33^/2

■登坂抵抗(N)=-13.73=-183.0W(48km/h)

F(N)=Wsinθ

F(N)=70.1*9.8*0.02

■転がり抵抗・駆動抵抗=40W 

 

区間③39”(64km/h)

■空気抵抗(N)=44.92(64km/h)=798.6W

F(N)=CdA*ρ*v^/2

F(N)=0.256*1.11*16.67^/2

■登坂抵抗(N)=-41.22=-732.9W(64km/h)

F(N)=Wsinθ

F(N)=70.1*9.8*0.06 

■転がり抵抗・駆動抵抗=50W 

  

区間④2’20”(18km/h)

■空気抵抗(N)=3.55(18km/h)=17.8W

F(N)=CdA*ρ*v^/2

F(N)=0.256*1.11*5^/2

■登坂抵抗(N)=41.22=206.1W(18km/h)

F(N)=Wsinθ

F(N)=70.1*9.8*0.06 

■転がり抵抗・駆動抵抗=25W 

 

区間⑤2’55”(33km/h)

■空気抵抗(N)=11.94(33km/h)=109.5W

F(N)=CdA*ρ*v^/2

F(N)=0.256*1.11*9.17^/2

■登坂抵抗(N)=13.73=125.9W(33km/h)

F(N)=Wsinθ

F(N)=70.1*9.8*0.02

■転がり抵抗・駆動抵抗=30W 

 

区間⑥1’30”(20km/h)

■空気抵抗(N)=4.39(18km/h)=24.4W

F(N)=CdA*ρ*v^/2

F(N)=0.256*1.11*5,56^/2

■登坂抵抗(N)=34.35=191W(20km/h)

F(N)=Wsinθ

F(N)=70.1*9.8*0.05 

■転がり抵抗・駆動抵抗=25W 

 

下り区間タイム/3’19″(過減速分10秒含む)

登り区間タイム/6’55″(過減速分10秒含む)

想定タイム/10’14″(1周回)

 

軽量なロードバイクで走行した場合や区間出力を変え予想タイムを算出し、手持ちの武器と戦闘力で最適な速度勾配を選択する。

  

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fig2:さまざまなパターンの速度勾配をシュミレーションしたもの

  

 

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