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造形美‼ カンパの10速コンポを徹底修理・オーバーホールで復活させる!
by: 関 和貴

皆さんこんにちは、ワイズロードお茶の水店、関です。

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今回ご紹介するのは、DEROSA IDOLのオーバーホールBです。

 

 

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アイドルといえば今も人気のモデルですが、これはかなり古いモデル。

大事に保管されていたのか状態はなかなか良好です。

 

 

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ホイールはフルクラム レーシングゼロ

レーゼロやゾンダは昔からあるモデルで、外観や中身もほとんど変わりませんが、このホイールはスポークの太さが現行とは違い、かなり古いモデルの様子。

車体のオーバーホールと合わせてハブのオーバーホールも行います。

 

 

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早速分解開始。

DHバーは使っていないそうなので取り外します。

 

 

 

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DHバーの固定方法がまずく、ワイヤーを嚙み潰している!

 

 

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ハンドルに何かを取り付ける際は気を付けましょう。

 

 

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ヘッドは分解できるタイプ。

グリスが抜けていますがダメージはなさそう。

 

 

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BBはネジ切り式。

規格はJISかな?イタリアンかな? それによってネジの緩む方向が違います。

現代ならピナレロ以外ネジ切り規格はほぼJISですが、この古いバイクはどちらの可能性もありそう、、、

シェル幅70mmなのでイタリアンでした。危ない危ない。

T47? なんですかそれは??

 

 

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フレーム単体まで分解。

 

 

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フォーミングマルチクリーナーで掃除。

汗やドリンクの汚れならパーツクリーナーよりフォーミングマルチの方がキレイになります。

 

 

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白いフレームはキッズが目立ちやすい、、、

 

 

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研磨してキズを目立ちにくくします。

また汚れないように上からガラスコーティングをします。

 

 

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外したパーツたち。彼らも1つずつ洗浄します。

 

 

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汚れやすい変速機やブレーキは、、

 

 

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洗剤でしっかり水洗い。

 

 

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ピカピカです!

 

 

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カンパニョーロといえはスケルトンブレーキとシングルピポット。

肉抜きの施されたブレーキキャリパーは軽いだけでなく、制動時に適度にしなることで減速から急ブレーキまで快適に制動してくれます。

世代によってはリアブレーキを写真のシングルピポッド仕様にする事ができました。

あえてリアの制動力を落とすことでスリップしにくく、スピードコントロールをしやすくします。

ディスクブレーキでリアを140mmにするのと同じですね。

 

なにしろ、握りやすいレバーと合わせてカンパのリムブレーキは最高です!

 

 

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ペダルも洗った左側は白さが戻りました。

 

 

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クランクは擦れキズで光沢が無くなってしまいました。

 

 

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目立つ部分なので丁寧に研磨。

だいぶ光沢が戻りました。

 

 

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角度を変えるととてもツヤツヤになったのがわかります!

 

 

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チェーンリングはまだ交換するほど消耗していませんが、グレーの表面加工の下から腐食が始まっています。

10速のチェーンリングは腐食しやすいんですよね、、、

 

 

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カンパの場合、BBのベアリングはBBではなくクランクについています。

シマノ同様ベアリングは消耗品。交換が必要です。

 

 

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交換のための専用工具は支店からレンタルしてきました。

 

 

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専用工具でベアリングを引っこ抜いて、

 

 

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新しいベアリングを圧入。

 

 

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カンパの古いブレーキシューは圧入式。

残念ながら専用工具が無いので交換は一苦労。

 

 

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ブラケットカバーは見るからに古そうですが、、なんと、新品が手に入りました!!

 

カンパのブラケットカバー、めちゃくちゃ交換しにくい!硬い!レバーが邪魔!ちぎれそう!!

 

 

 

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!!? !?

 

 

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ブラケットカバーを交換して気づきました。

シフトレバーが無い。

 

 

恥ずかしながらここまで気付きませんでした、、、

当然ながら古いレバーは交換品を手配できず、最近まであった10速のベローチェのレバーは互換がなく使えませんでした、、、

 

お客様とご相談させていただき、今回はそのまま修理を進めることに。

といってもこのままでは全く変速できないし、折れた部分が鋭利なのでケガをしてしまうかも。

レバーを加工して最低限使えるように補修します。

 

 

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折れた部分。

強度のある樹脂で鋭利な部分を覆った状態。

 

 

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型枠を作って少しづつ樹脂を流していきます。

 

 

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まだ不格好ですがレバーがだいぶ伸びました。

 

 

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できるだけ強度が出るように、押しやすいように、形を整えます。

完成をお楽しみに!

 

 

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続いてホイールを分解します。

 

 

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フリーボディーは古いグリスで真っ黒。

 

 

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ハブのベアリングはグリスが抜け気味でした。

 

 

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前後輪分の外したパーツ。

わずかに違う部分もありますが、構造はほとんど現行品と同じ。

ベアリングの玉押しが黒色で相当古い仕様だとわかります。

 

 

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全てのパーツを清掃完了!

 

ハブのメンテナンスはグリス選びや作業の精度が腕の見せ所!

できるだけ回転抵抗を減らしつつ、防水性能も下がらないように丁寧に作業いたします。

 

 

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ヘッドベアリングもハブ同様清掃して組み戻します。

 

 

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完成しました!!

タイヤやバーテープは白に統一し、作業前よりシンプルでおしゃれな印象に。

 

 

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まずはフレームとクランクのツヤを見てください!

 

 

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塗装のかけも、、

 

 

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可能な範囲でタッチアップさせていただいています。

 

 

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今なお人気の高い10速コーラス。

変速性能もバッチリ決まります!

カンパは変速が悪いと言われがちですが、ほとんどの場合ちゃんとメンテすればバッチリ決まります。

カンパもしっかりメンテしていればしっかり動きますが、日々のメンテは欠かせません。

シマノはトヨタ車のようにそんな過酷な状況でも動いちゃいますが、一緒にしてはいけません。

 

 

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磨けば輝くのもシルバーパーツの魅力。

 

 

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ブレーキは洗浄後可動部に注油済み。

動作も軽く、タイヤやシューも新品なので、さぞ気持ちよく走る事でしょう!

 

 

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ハンドルはものすごいドロップ。時代を感じます。

 

 

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ブラケットカバーは古くなるとべたつくので新品が手配できてよかった!

 

 

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問題の左レバーはこんな感じで復元しました。

質感的には違和感ないはず!

材料の問題と強度の観点から全く同じ形ではなくあえて短くしています。

動作確認では問題なく使えたので一安心。

 

*今回は受付時に気づく事ができず、交換品もないことから、大切なバイクにできるだけ快適にお乗りいただくために可能な限りで修復させていただきました。

強度が保証できないことから基本的に同様の作業はお受けできないのでご了承下さいませ。

ご不明点、作業のご相談はワイズロードお茶の水店、関までご相談ください。

 

 

お客様の大切な愛車、古くても可能な限りキレイに、快適にお乗りいただけるようにメンテナンスいたします。

バイクに合わせてメンテナンスをご紹介しますので、まずはご予約の上、ご相談くださいませ!

 

ちなみに今回のメンテナンス費用は約13万円でした。

 

 

 

 

 

 

~~お知らせ~~

ワイズロードお茶の水店は店舗の老朽化により2025/4/18をもちまして閉店いたします。

お茶の水店のスタッフや、トライアスロン館の売り場は4/24にリニューアルオープン予定のワイズロード新橋店に移動いたします。

新橋店ではより多くの完成車・パーツに加え、お茶の水店のトライアスロン用品やメンテナンスサービスをご用意いたしますので、是非リニューアルしたワイズロード新橋店にお越しくださいませ!

移転に伴い、4月上旬以降修理受付ができない場合がございます。メンテナンス、修理はお早めにご相談ください。

長年のご愛顧、ありがとうございました。