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2015/10/01 18:19
◯もてぎ7時間エンデューロの詳しい情報はこちら→大会公式ホームページへ
本格的なエンデューロレースは十数年ぶりに参加するため、今回は本当に未知の領域である。
7時間のロングライドであれば何の問題もないが、7時間のハイペース走に関しては別モノくらいの理解度しかない。
このレースにおいて重要な事は「マネージメント(management):経営、管理」
目標の達成へ必要な要素の分析をし、能力の有効活用と効率の最大化をすることである。
1 目標
7時間ハイペース(※)を維持する。
※平均速度32km/h(48Lap)
2 必要な要素
2-1 必要出力の算出
目標達成には時速32km以上を維持する必要である。
速度は出力と抵抗の関係で成り立つため、マネージメントすることが可能である。
自転車において出力はペダルを漕ぐ力、抵抗は空気抵抗、登坂抵抗、転がり抵抗、駆動抵抗で表す事が出来る。
2-1-1 コース
場所/栃木県ツインリンクもてぎロードコース
距離/4.8km(1周回)
標高差/30m(1周回)
区間勾配/①0〜800m:-0.8%(-6m)
②800〜1700m:3.3%(30m)
③1700〜3000m:-2.3%(-30m)
④3000〜4800m:0.3%(6m)
2-1-2 気象
抵抗を算出する上で、外的要因である気象条件を想定する。
気圧/1013hpa
気温/20℃
湿度/50%
空気密度ρ/1.20kg/m3
2-1-3 能力
出力と抵抗を算出する上で、内的要因である身体能力と機材条件を想定する。
バイク重量/7.5kg
その他重量/2.5kg(ボトル500ml×2本含)
ライダー重量/60.0kg
出力/230w(CP60)、180w(CP180)
空気抵抗係数CdA/0.274(※)
※条件が近い値として昨年行われたTTJ第2戦の空気抵抗係数を使用する。
2-1-4 走行条件
◯2人の集団走行、先頭交代は均等に行う。
◯補給休憩は1回10分とする。
以上の条件より必要出力を算出できるが、まず主観的に現状のコンディションから7時間の平均出力は150w程度と想定できる。
このときのTSS(※)は456となり、過去の走行データともある程度一致するため、一旦この値を利用する。
※トレーニングで体にかかった負担を表した指標。TSSは「100」が基準となる。1時間出し続けることができる限界出力で「1時間のタイム・トライアル」をした時の運動強度が「TSS 100」となる。
まず出力一定(150w)で走行した場合では
区間①1’10″(41km/h)
区間②3’00″(18km/h)
区間③1’32″(51km/h)
区間④3’08″(34.5km/h)
以上より
1周回8’50″より平均時速は32.6km/h
1周回8’50″より47周回(休憩10分含)となる。
なお想定速度の求め方は過去ブログ「【空力徹底】タイムトライアルジャパン2015に挑戦①」をご参考下さい。
算出結果から平均出力150Wでは、目標を達成できないと分かった。
出力を上げれば良いのだが、そう簡単に走力を上げられる訳もない。
出力一定の走り方は体への負荷とエネルギー消費を押さえられるが、速度が必要な場合では最良の方法とは限らない。
次回は登りと下りなどで条件を変えた検証を繰り返し、最適なペースのマネージメントを行う。