ヒルクライム対策カスタムで激坂もシッティングで上れるようになった‼ ～誰でも解るスプロケの選び方～
by: 関 和貴

皆さんこんにちは、ワイズロードお茶の水店、関です。

 

今回はヒルクライムのためのギア選びについてご紹介します。

 

前半では初心者さんンもわかりやすくヒルクライムにむけたギアの選び方やギア比についてご紹介します。

後半では自分のバイクのチェーンリング交換をご紹介します。

 

ヒルクライムがしんどい！という方は是非参考にしてください！

 

 

 

チェーンリング・スプロケの歯数表記と特徴

基本的な予備知識です。知っている方は読み飛ばしてください。

 

チェーンリングはアウター、インナーそれぞれの歯数を50-34Tと表記します。チェーンリングは数字が大きいほど重いギアを示します。

アウターとインナーの歯数はセットになっていて、よくあるのは50-34、52-36、53-39など。

TはtoothのT。日本語では丁と表記します。

 

スプロケットは一番重いギアと一番軽いギアをとって11-34Tと表記します。

数字が大きいほど軽いギアになります。

 

これが12ｓデュラ・アルテのスプロケット歯数構成。上が11-30T、下が11-34T。

11-12-13-14-15-16-17-19-21-24-27-30T

11-12-13-14-15-17-19-21-24-27-30-34T

数字はそれぞれの段のスプロケットの歯数です。隣の歯との数字の差が大きいほどギアチェンジした時のギアの重さの差も大きくなります。

あまり歯数差が大きいと、「一段重いと重すぎるし、軽いと軽すぎる」と感じてしまい、ケイデンスの維持がしにくく感じることもあります。（段数の少ない8～10ｓのコンポで感じやすいですね）

つまり、11-34Tの方が軽いギアがついている分、軽いギアでは歯数差も大きい。ということになります。

 

 

ギア比とは？

足で漕ぐギアの重さを数値で示したのがギア比です。

計算方法は簡単、前の歯数÷後ろの歯数　です。

たとえは前がアウター50Tで後ろが25Tを使っている時のギア比は2です。

ギア比は小さいほど軽く漕げることを意味します。一番軽いギアがギア比1前後だと坂道でもかなり軽く漕げるはずです。

 

普段はギア比なんて気にしなくても全く問題ありませんが、スプロケットの歯数なんかを変えようと思ったときに重宝します。

 

例えば、、、

52-36・11-34のギアがついているバイクと50-34・11-28の組み合わせのバイク、どちらがより軽いギアがついているでしょう？

ギア比を計算すると、、

バイクA　36÷34＝1.05

バイクB　34÷28＝1.21

とバイクAの方が軽いギアだとわかります。

また、バイクBをバイクAと同じくらい軽くするには、、、

34÷32＝1.06　とほぼ同じ軽さになることがわかります。

ギア比の計算はこのように活用できます。

 

 

ヒルクライム向けギアの選び方

先程ギア比の計算方法をご紹介したので「このバイクと同じにしたい」という具体的なギアがわかっている方は簡単に自分に最適なギアがわかると思います。

 

しかし、初心者さんなどは「自分のバイクしか乗ったことないし、ギア比とかわかんない！」と思います。

そんな方でもヒルクライムで最適なギアを見つける方法を紹介します。

 

ステップ１

自分の使っているギアの歯数を知りましょう。

多くの場合、スプロケットやチェーンリングに刻印で歯数が書いてあります。書いてない場合は歯の数を数えましょう。

調べるのは一番軽いインナー×ローの歯数だけで大丈夫です。

 

ステップ2

今のギア構成のまま、普段自分が行く中で一番急勾配な峠に行ってみましょう。（20％などの規格外の激坂はNG）

できるだけケイデンス（足の回転数）がわかるサイコンを使いましょう。

ケイデンスが見られない場合は平地のうちから自分の足の回転数を意識して走りましょう。

 

ステップ3

峠で自分の足の回転数をチェックしてみましょう。

ケイデンス80以上、または平地と同じくらいの回転数が維持できれば今のギアの重さのままで大丈夫だと思います。

あるいはロングライド用にもう1つ軽いスプロケットに交換するくらいでもいいかもしれません。

 

ケイデンスを維持できるけど少ししんどい。リアのギアがあと一枚あればラクに維持できそう。という方は1つ軽いスプロケットに交換しましょう。

 

多くの方は上り坂では一番軽いギアでもペダルが重くてケイデンスを維持するのが難しいと思います。

そんな方は交換できる中で一番軽い組み合わせのスプロケットに交換してみましょう。

 

上りで疲れてしまう方やヒルクライムに取り組む方は思い切って軽いギアに交換するのがオススメ。

無理して重いギアを踏むより、速度は遅くても軽いギアをクルクル回した方が結局ラクで速いからです。

使っているコンポーネントによってどこまで軽くできるかが違うので、わからない方は店頭にてご相談ください。

（変速機やスプロケの写真を撮ってきてくださるとスムーズです）

 

＊チェーンリングが52-36など重い物を使っている方はスプロケより先にチェーンリングを軽くしましょう。

 

ステップ4

一番軽いスプロケットに交換してもまだペダルが重い場合は他のカスタムや軽量化、脚力アップをしましょう。

逆に一番軽いギアを実際にはあまり使わなかったり、脚力がついたことで使わなくなった場合は、使う歯数がわかると思うのでその重さまでのスプロケットに交換しましょう。

 

 

チェーンリングの交換カスタム

自分もチェーンリングを交換しました。

 

元々の最小ギアは36×34Tでギア比1.05。

ほとんどの坂はこのギア比で上れますが、20％超の激坂用に少しでも軽いギアにしたくて交換しました。

 

50-34・11-34の組み合わせになったので、ギア比は1。

ギア比を0.05軽くするためにそれなりのコストがかかるので悩みました。

 

平坦では52-36の方が加速が気持ちよく、ちょっとした上りでも困らないので、結局ヒルクライムシーズンは50-34・11-34、それ以外は52-36・11-34の組み合わせで使うことになりそうです。

チェーンリングの交換は面倒なので、50-34Tつけたままになりそうな気もしないでもないですが、、、

 

シマノが11-32Tのスプロケットを出してくれたら便利なんですけど、なぜラインナップしてくれないのか？？

 

 

ちなみにスギノの楕円リングSHCなら32Tがあるのでギア比0.94！まさかのギア比1以下も可能です！！

シマノの50Tアウターとのセットで使用可能。今回はさすがにそこまではいいかな、、、

 

そんなことをダラダラ考えながらも交換完了！

さあ、さっそく激坂に行こう！！

 

 

実走で効果をチェック

今日も今日とて子の権現へ！

序盤は緩めの上りから終盤は勾配20％を超える激坂に、どんどんきつくなっていくコース。

 

3回目のコースですが、今回はFTPテストも兼ねて序盤から全力で行きます。

1回目は初めてだったし、2回目は激坂を知ってしまったからこそ序盤セーブしてしまったので今回は新記録を目指します。

 

 

序盤からFTPをやや超えるペースで上っていくので中盤ではもうバクバク！

20％超の激坂区間はラスト300m。

前半から飛ばした分、激坂区間は前回よりもしんどい状態で突入。

前回はダンシングでギリギリ上れるくらいでしたが、今回はギア比1での挑戦！

体感的には前回より疲れた状態だったにもかかわらず、シッティングでも回せる！！

ギア比のたった0.05が激坂ではこんなに違うのか！！

疲労しているのでシッティングでもしがみつくように上りますが、ダンシングで止まってしまいそうになりながら精一杯踏むよりはだいぶラクに上れます。

 

 

一番勾配がキツイラスト300ｍのデータ。

ここまでのペースが違うので単純比較はできませんが、チェーンリング以外の条件はほぼ同じで、体感的には今回の方が疲れた状態で峠に突入しましたが、ギアを軽くした今回の方が300ｍで7秒速い結果でした。

 

 

僅か7秒ですが、レースでは順位が変わることもあるので激坂区間では大きな武器になります！

なんといっても20％超の激坂をシッティングで進めるのは大きい！！

これで20％超の区間がある日の出町のヒルクライムにも対応できそうです。

 

皆さんも普段行くコースや脚力に合わせてスプロケットやチェーンリングを交換してみましょう！

 

自分のバイクにどこまで軽いギアがつけられるか、ギア比以外にどんなヒルクライム向けカスタムがあるかなどは是非店頭にてご相談ください！！

じっくりお話ししたい方はお電話での作業予約（相談だけでもOK）がオススメです！

是非ご来店くださいませ。

 

★当店は間もなく新橋に移転いたします。お急ぎでない方は是非4/24以降に新橋店にてご相談くださいませ！！

 

 

 

 

 

 

 

 

～～お知らせ～～

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お茶の水店のスタッフや、トライアスロン館の売り場は4/24にリニューアルオープン予定のワイズロード新橋店に移動いたします。

新橋店ではより多くの完成車・パーツに加え、お茶の水店のトライアスロン用品やメンテナンスサービスをご用意いたしますので、是非リニューアルしたワイズロード新橋店にお越しくださいませ！

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