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オイル汚れをオイルで落とす
by: 藤平

自転車 洗車

こういう洗い方もあるんです

当ブログをお読みの皆様こんにちは!

新宿クロスバイク館の藤平です。

 

私は雨天やオフロードでも走るタイプのライダーなので、自転車を洗う頻度が高いです

仕事柄お客様に自転車を見せる機会もあるので、特に駆動系は綺麗な状態を保つように心掛けています(※上記画像は私のバイクの一例)

 

最近ひょんな事(※業務ではなく私的な案件)から自転車を一時的に預かる事になり、その自転車を屋内に入れる為に洗ったのですが、普段の洗車では行わない手順を使ったので備忘録としてここに残します。

 GRADE ALLOY CLARIS

乾燥してしまったオイル汚れの除去

今回預かったのはGT GRADE ALLOY Clarisの2016モデル

ペダル以外のパーツが純正の状態で、タイヤやチェーンリングの減り、バーテープの傷み具合を見る限りほとんど乗られず倉庫のような場所で長期保管されていたようです

各部に埃が積もっており、駆動系の油脂は付着した汚れと共に乾燥して固まっていました。

(それはそれとして、サドルの取付が凄い事になってますねこれ・・・)

 

GRADE ALLOY CLARIS

自転車に使用される油脂は「グリス」と「オイル」がありますが、外気に晒される箇所の油脂は乾燥しやすいので、塗布してから時間が経つと固まってしまい綺麗にするのが難しくなります

身近な物だと台所の換気扇やコンロ周りなどが乾燥した油の汚れなので、想像しやすいのではないでしょうか?

今回の車体はおそらく10年に近い月日が経っているオイルなのでカラカラに固まっており、巻き込んだ埃は綿毛のようになっていました

一般的なチェーンクリーナーでも問題無く落とせる程度だとは思いますが、今回は別のアプローチで固まったオイルを除去します。

 

油汚れは油で洗う

水と油は混じらないので、こびりついたオイルは水洗いではあまり綺麗になりません

一般的な洗剤は界面活性剤による乳化作用で水と油が混ざるようにして汚れを落としますが、固まってしまった油に対しては効果が弱いので手間や時間が掛かります(イメージとしては時間の経ったカレーのお皿を洗うような感じです。)

 

パーツクリーナーやディグリーザーと呼ばれる物の多くには溶剤など汚れを溶かす成分が入っているので、固まった油にも有用です

ただし、溶剤はプラスチックやゴムに含まれる油分にまで効果を発揮する程強いので、樹脂の部品などに使うのは基本的にNGです

機械弄りをする方々にはパーツクリーナーで手を洗うタイプのメカニックも居ますが、人体への使用はもちろんダメです(笑)

 

前述の通り水と油は混じりませんが、油と油であれば話は変わってきます 

例えば「灯油で油汚れを洗う」という方は、機械部品を扱う界隈には多いと思います(私は汚れた灯油の処理が面倒なのでやりませんが・・・)

固まった油汚れの除去に関しては、状態の良い油で溶かすというアプローチはとても有効です

今回もこの方法を使用して汚れを落としました。

 

油洗いのメリットとデメリットについて

一般的なチェーンメンテナンスは「クリーナーで古いオイルや汚れを落としてから注油する」という方法が一般的です

この方法のメリットは「汚れが残りにくい」という事なのですが、実を言えばデメリットも存在します

それは「チェーン表面に油分(保護)が無い状態の時間が存在する」という事。

 

油分の切れたチェーンやスプロケットというのは、思いのほか早く錆びはじめます

私自身の経験では、泥コンディションのレースでオイルが落ち、一時間のレースを終えたらチェーンの一部が茶色くなっていたなんて事も・・・

 

 

油洗いのメリットは「洗浄している物の表面に、常に油分が存在する」という事

表面を保護したまま洗浄出来るので、部品に優しい方法であると言えます

デメリットは「使用するケミカルの量が多く、後処理が大変である」という事でしょう

 

 

「洗浄剤入りオイル」という存在

例えるならクリーナー類は「シャンプー」で、オイルは「コンディショナー」

そして、洗浄剤入りのオイルは「リンスインシャンプー」に当たる物ですね

 

当店で今推しているオイルはFINISHLINEの1ステップ クリーナー&ルブリカント

洗浄成分だけでなく、強い防錆成分も添加されており外置きされる事の多いクロスバイクカテゴリに向いていると言えるでしょう。

 

チェーンメンテナンスのコツとして、注油後に表面を拭き取るプロセスはとても重要です

オイルはチェーン内部に残る量で必要十分なので、表面はマイクロファイバータオルでゴシゴシと拭き取ってしまいましょう

ワックス系など特殊な物を除き、チェーンオイルには「内部の汚れを押し出す」という効果が有り、洗浄剤入りオイルは特にその傾向が強いので、「出てきた汚れはどんどん拭き取る」という事が後の清掃を楽にするポイントです

過剰な量のオイルや、古くなったり傷んでべたつくオイルは、汚れを拾いやすくなるうえに洗浄も大変になるので良い事がありません。

 

FINISHLINEの1ステップルブは手軽さが売りの使いやすいケミカルですが、油洗いジャンルで高性能な物ならDeLa TRAILなんていうのもありますね

 

 

オフロードもガシガシ走るような方で、油洗いをしたい方にはオススメです

当店で在庫していませんけどね・・・

 GRADE ALLOY CLARIS

で、綺麗になった?

今回使用したケミカルは、KURE社の5-56

ド定番の万能オイルですね

実はこれも洗浄成分が入っているケミカルなんです

 

自転車店スタッフに「チェーンオイルって5-56で良いんですか?」と聞くと、だいたい渋い反応が返ってくると思いますし、潤滑や防錆を目的とするのであれば専用品であるチェーン用オイルには敵いません

KURE社も自転車チェーン専用品を販売していますので、こちらを使うべきです。

 

 

ただし「洗浄」を目的とした用途には5-56は有用

どこでも手に入りますし、お値段もお手頃なので多量に使用してもお財布へのダメージが少なくて済みます

洗浄成分入りで固まった油脂類もしっかり除去する事が可能。

 

実は5-56に渋い顔をする自転車店スタッフが多いのもこの洗浄成分の影響で、回転部分(ベアリング)に掛かったりすると封入されているグリスを巻き込んで落としてしまうので、使い方が悪いと「注油する事で逆に寿命を縮める」という事が起きるんです

安価でどこでも入手出来る為に間違った使い方をしてしまう方も多いんですよね・・・

誤解の無いよう記載しておきますが、誤った使い方をしなければ良いケミカルなんですよ?

 

GRADE ALLOY CLARIS

こちらの画像が洗浄後

今回は「屋内に入れる為」という目的での洗浄で、駆動系部品は全て交換の予定が有る車体なので本気でピカピカにはしていませんが、まぁまぁ良い感じじゃないでしょうか?

 

作業時間はスプロケットの脱着も含め40分程でした

普段自分の車体を洗う時間に比べ倍くらい掛かっているので、固着汚れの面倒さが分かりますね

5-56の匂いをさせたまま屋内に入れるのはアレだったので、この画像を撮った後に一般的なクリーナーでもう一度洗ったというのは秘密(笑)

 

 

チェーン注油

オイルは古くなる前に入れ替えると良し

注油や清掃の頻度を上げるのは手間だと思われがちですが、実はこまめに綺麗にして良い状態を保つ方が、結果的に楽が出来るというのが自論だったりします(上記画像は私の通勤バイクの普段の状態)

私自身はとても面倒くさがりな性格ですが、だからこそ駆動系を綺麗にする事で清掃の手間を減らし、チェーンやスプロケットの寿命も延びるので部品交換の手間も減らせています。

 

まずは注油と拭き取りだけでも良いので、是非やってみて下さいね♪

 



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