日本最大級のスポーツサイクル専門店!日本で最初のクロスバイク専門館!
2026/08/27 14:41
目次
当ブログをお読みの皆様こんにちは!
新宿クロスバイク館の藤平です。
自転車には色々なカテゴリがありますが、ここ10年程で大きな進歩を遂げた物の一つが「グラベルロード」でしょう
ジャンル自体が比較的新しいものですが、登場当初に比べほとんどのモデルでタイヤクリアランスが拡張され、コンポーネントメーカーはグラベルバイク用のパーツを造るようになり、サスペンションを搭載したモデルも市場に当たり前に存在する時代になりました。
↑サスペンション付きグラベルの一例
そんなグラベルロードですが、カテゴリ自体の基準は曖昧で「太いタイヤが装着出来る」「ディスクブレーキを搭載している」「ドロップハンドルである」という三点を満たしていれば、ロード寄りの設計でもMTB寄りの設計でも、メーカーはグラベルロードであると言い張れます。
グラベルロードというジャンルが世に出るよりも昔
一部の自転車乗りはMTBにドロップハンドルを装着するカスタム(ドロップ化MTBやモンスタークロスなど)をしており、それはグラベルロードカテゴリの源流の一つであると言えるでしょう
私自身もとある自転車選手の影響で昔からドロップ化MTBを愛用しており今でも通勤用バイクはこの仕様です。(※上記画像)
話は変わりまして、最近海外の自転車関係のWEBサイトで「オールドMTBをグラベル化カスタムして最新のグラベルロードと比較する」という面白い記事を読みました(外部リンク)
その記事では「オールドMTBを安価にカスタムしても最新のグラベルバイクと走行性能では比較にならないが、楽しいプレイバイクになる」という、ほぼ私の考えと一致する結論に至っています。
またまた話は変わりまして、今週末に開催される「ツールド妻有」に参加する事になりました
場所柄上り下りが多いコースレイアウトかつ、特殊な事情からギア比やブレーキなど色々と考える必要があり「手元のバイクで条件が良いのが無いな・・・」となった私は、少し前に読んだWEB記事を思い出し「オールドMTBのグラベル化か・・・」と自宅のパーツ置き場に足を踏み入れるのでした。
「オールドMTB」と一口に言っても、人によって考える年式はバラバラだと思います
ロードバイクやクロスバイクではここ数年で一般化したディスクブレーキもMTBの業界ではかなり昔から使用されていましたし、他カテゴリと違い車輪径ですら数年でトレンドが変化したりします
私がMTBを始めた時代は26インチのホイールがスタンダードであり他の車輪径の選択肢はほぼ無かったのですが、現代において26インチMTBという存在は絶滅危惧的存在で、タイヤなどのパーツ選択肢や流通もほとんど無くなってしまったというのが現状です。
パーツが手に入りにくくなった車体を乗り続けるというのは難しい為、私の手元にはお役御免になった26インチMTBが沢山あります
多分世の中にそういった自転車乗りは多いんじゃないかな?と思い、今回の記事を書くに至りました。
「MTBのドロップハンドル化」という行為に向いている車体は、私の考えでは二つの必要条件があります。
・ディスクブレーキ台座が有る
リムブレーキ時代のフレームでももちろんドロップハンドル化カスタムは可能ですが、現代で入手出来るパーツ類の選択肢を考えるとディスクブレーキで組み立てる事が好ましいと思います
後述する「車輪径変更」のカスタムが容易である事もメリットです。
・トップチューブが長すぎない
現代的なMTBは、昔よりもステムが短くフレーム(トップチューブ)が長いフロントフォワードな設計が一般的です
ドロップハンドルを取り付けする場合ステム長を短くする事で乗車ポジションを調整する為、トップチューブが長い設計のフレームだと適切なポジションを出せない可能性が高いです。
この条件に適合する設計のMTBフレームは90年代後半~2010年代中盤くらいまでと幅広く、乗らなくなって保管しているというユーザーはそれなりに多いのではないかと思います
私が普段乗っている通勤号は2014モデルで、29インチのホイールを採用している為「オールドMTB」と言うには比較的新しい年式や設計であると言えますが、上記の条件を満たしている為問題無くカスタムが出来ています。
今回弄った車体はスペインブランドMSC BIKESのAtlasというモデル
古い車体ですし当店で取り扱いが無いブランドなので詳細な紹介はしませんが、分かる方にはカーボンバックという仕様だけでそれなりに懐かしい構成だと感じられるのではないでしょうか?
サスペンションはSR SUNTOURのEPICON XCを装着
EPIXONに名称が変わる前の物なので、これもまぁまぁ古いストックですね・・・
エアサスとしては価格がお手頃でメンテナンスもしやすい造りなので、通勤バイクにも同モデルの仕様違いを使っています
26インチフレームに対して肩下の少し長い650B用を装着したので、ストローク長を短めの80㎜にセットして辻褄を合わせています(EPICON XCは80~120㎜で調整可能です。)
MTBのドロップ化においてフロントサスペンションを装着する場合、乗車ポジションの影響で重心が前に掛かりやすいので、エア圧をメーカー重量比指定よりも少し硬めにするとストロークし過ぎず良い感じです
今回はロックアウト機能もあるので、上りセクションなどでロスを減らしたい場合は固定してしまっても良いですね。
ホイールはクランクブラザーズのアイオダイン2
リムテープ不要のチューブレス対応構造が好きなので、手元の車体の多くにこのブランドのホイールを使っています
スポークを左右対称に配置する「ツインスポークテクノロジー」は、技術的な話はともかく見た目が好き(笑)
27.5インチにサイズアップする事で現代でもタイヤを入手しやすいように・・・という目論見で車輪径を大径化したのですが、リア側のタイヤクリアランスが思いのほか小さく、47Cのタイヤで結構ギリギリでした
同じ太さでもブロック系のタイヤだとフレームと干渉しそうですね
フロントは15mmスルー、リアはクイックリリースで取付
アダプタで各種取付規格に対応出来るのもこのホイールの嬉しいところ。
今回はオフロードを走らないイベントの為に組み立てたので、タイヤは転がり重視のスリック系を取付
前後でモデルも色も違いますが、こだわりなどではなく単純に安く入手出来たからです(笑)
フロントはVITTORIA TERRENO T10
リアはHUTCHINSON OVERRIDE
どちらも47C幅で、チューブレスで装着
シーラントはVITTORIA、バルブはHUTCHINSONを使用
ハンドルはFSA K-WING AGX
幅460mmと広めにする事で、フロントサスペンションを活かしやすい安定性を狙った選択・・・という言い訳で、他の車体で使いどころの無さそうなサイズのハンドルストックを消化しました
フレアドロップハンドルは、左右のレバー取付高さや角度をしっかり合わせるのが難しく毎回難儀します・・・
バーテープ巻きはレバーの位置が確定してからやるので、まだ巻いていません。
↑ワイズロードオンラインに同じモデルが無かったので、アルミモデルのリンクを貼っておきますね
ステム長は45㎜を取付
ドロップハンドルのリーチ分があるので、これだけ短いステムを使ってもフラットバー状態時よりも握りが少し遠くなりますが、幅が狭くなった分である程度相殺されるのでちょうど良い感じです
ハンドル高を調整出来るようにコラムを多めに残しましたが、乗った感じこのままで良さそう
ステムの幅が広く、スタンダードなハンドルクランプ式のサイクルコンピューターマウントが装着出来ませんでした
エアロ形状のハンドルという事もあり、ライトとベルの装着が難しいのでコラム部分から延ばして装着
かなり無理やり感のある取付ですが、週末に間に合わせる為に手持ちの部品で頑張った結果です
強度的な面であまり良くはなさそうなので、今回のライドを乗り切った後に別途やり直すと思います。
シートポストもカーボン製を選択
一般的な丸パイプではなく、二分割にする事で板バネのように後方にしなる特殊な構造になっています
MTBフレームはグラベルロードと比べスローピングが強く、シートポストの出代があるのでしなりやすく効果的・・・のはず(※本来シクロクロスバイク用に使おうと購入したものの、メーカー指定の出代を出せず使えなかった物)
カーボンバックのフレームと組み合わせる事で、かなり良い振動吸収性を発揮しています
私は「鈍感」を自称する程度には機材への感性が薄いですが、それでも差が分かる程度にはしっかり動きますね。
シートクランプはWOLFTOOTH
各部のパーツカラーに統一性が無いのは、パーツストックを漁ってたら出てきた物を適当に取り付けているからです(笑)
今回車体を組むに至った経緯の一つがギア比
前述の通りかなり坂の多いコースなのですが、サイクルトレーラーを牽引した状態で走るという特殊な都合上手元のバイクで条件の良い車体がありませんでした。(※普段坂道を走る事を考えていないので、手持ちの車体の多くはギア比が重い)
以前ヒルクライムレース用にギア比を組み替えたロードバイク(※下記記事)で走ろうかと検討していたのですが、トレーラー牽引状態で下りセクションを走る事を考えると、リムブレーキのカーボンホイールは相性が良くありません。
「グラベルコンポで組みたいな・・・」という思いがありSHIMANO GRXシリーズの装着を検討したのですが、ブレーキのマウント規格の問題で断念
↑こういうのを使えば取付出来なくもないか・・・
せっかくの機会なので、今まで使った事が無いSENSAH社のコンポーネントを使ってみる事にしました(SENSAH社の紹介は長くなるので割愛します。)
選んだのはSRX PROの1×12速用
「価格はあまり変わらないしせっかくだから段数の多い方にしてみよう」なんて気軽に12速を選んだ事で、車体の組立がイベントギリギリになるトラブルの要因に・・・
SENSAHのコンポーネントは、スプロケットやクランク(チェーンリング)に関しては他社の物をミックス出来る広い互換性を備えています
「スプロケットはSHIMANOにしよう」という軽い考えでパーツ集めを始めたのですが、これが大間違い
SHIMANOの12速用のスプロケットでワイドなギア比のグレードは、取付方式がマイクロスプライン用(※ロー36TまでならHGスプラインに取付出来る物があります)
今回使用するホイールはHGスプラインしかフリーボディが無いので、構造上取り付けが出来ません。
「じゃあSENSAH純正のを買うか・・・」と国内代理店のWEBを確認したところ、スプロケットはラインナップされておらず・・・
仕方がないので個人輸入でなんとか純正品を入手するのでした。
美的感覚は人それぞれですが、「ドロップ化MTBをカッコ良く仕上げる」というのは、正直に言えば難しい事だと思います
強いスローピングや、ストロークの長いサスペンションにドロップハンドル、短めのステムなどを組み合わせるとどうしてもアンバランスな印象になりやすいですね
私は長年このスタイルに慣れているので全く気になりませんが、アンバランスなスタイリングを楽しめる方に向いているやり方だと思います。
クランクはSEIDOのリーアクランクに、ワンバイエスのチェーンリングをセット
歯数は40Tで、ワイドなリアスプロケットと組み合わせて最低ギア比0.86になりました
ダイレクトマウント方式のチェーンリングなので、もっと軽くするのも難しくありません
MTBのグラベル化カスタムで引っ掛かりやすいポイントの一つがこのクランク周りで、BBのシェル幅やQファクターの違いでロード系クランクは基本的に装着出来ません
MTB用のフロントシングル用を使うのがベター(※MTBをドロップハンドルで組む場合、パーツ互換性の関係でフロントダブル仕様は難易度高いです)
装着可能なチェーンリングの最大サイズは、フレームとの現物合わせをするしかありません(今回は44Tくらいまでいけそうな余裕がありました)
ブレーキはワイヤー引きながらピストン部分は油圧で動作するハイブリッド方式のJUINTECH R1
ドロップハンドル用の油圧式ブレーキが普及した事によりあまり見なくなった方式ですね
必要十分に止まれますが、フル油圧式に比べオイル容量が少なく加熱しやすいので、長い下りでは注意が必要です
ワイヤーはALLIGATOR社のBULLET PROOFという高剛性モデルを使ってタッチを良くしました。
結果的にですが、今回の車体で使用したSHIMANOパーツはチェーンとペダルのみ
意図せずのほぼ脱SHIMANOバイクといった形になりました。
全体重量は11.8㎏(※ペダルやライト等のアクセサリー全て含む)
軽量化の余地はそれなりに残っていますが、あまりコストを掛けるバイクではないので多分やりません
むしろ、組立前に想定していた完成重量は13㎏程度だったので、思っていたよりも軽いくらいです。
ドロップハンドルとグラベルコンポを取り付けたオールドMTBは、グラベルバイクに変わるのでしょうか?
前述の通りグラベルロードという物に明確な基準は無いので、グラベルバイクだと言い張る事も出来なくはないです・・・が、私個人の意見では別の物であると思います
もちろん使用する素体や組み立て方によりますが、走行性能を最新鋭のグラベルバイクに敵うレベルにするのは難しいでしょう
大きなコストを投入すればそれなりに走れるように組む事は出来ると思いますが、部品取り付け規格の壁なども含め現実的でない部分が出てきます
このカスタムはグラベルロードにする事を目的とするのでなく、古い相棒を現代でも付き合える実用的なバイクにする事
私自身が考えるMTBドロップハンドル化の大きな利点の一つが「横幅が小さくなる事」で、MTB用のハンドルは多くの場合横幅が600mmを超えますが、ドロップハンドルは400mm~程度
今回のように幅広めのグラベル系ハンドルを使用しても500mm程度なので、カスタム前に比べると三分の二程度の幅収まる事が多いです
片側数センチの違いでも走っていての取り回しは全く異なる感覚で、特に車道走行時の怖さが減るので「MTBでのシティライドが楽になる」というのが、私がドロップ化MTBを長年愛用している理由
オールドMTBを死蔵しているユーザーは「新しいMTBへの乗り換えで使わなくなってしまった」というパターンが多いと思うのですが「カスタムによって使うフィールドを分ければ、古いバイクにも役割を与えられる」というのは、私が強く伝えたいポイントです。
グラベル用コンポーネントが一般化した事で、お手頃な価格帯でもこういったカスタムに使えるパーツの選択肢が増えており、オールドMTBのドロップ化という選択肢には優しい時代です
「そういえばそういう車体/フレームあるなぁ・・・」なんて心当たりの方
古い相棒の新しい姿を見られるのは結構面白いですよ!
↑当店系列店でグラベル化カスタムをしているスタッフ記事もありました
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— ワイズロード新宿クロスバイク館 (@YR_Shinjyuku_CR) July 11, 2025
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