神楽坂で自転車をお探しならY's Road 神楽坂店
2020/09/26 08:46
当ブログをお読みの皆様こんにちは!
神楽坂店の藤平です。
ここ数年、自転車の業界では
凄い勢いでディスクブレーキ化が進んでいますね。
そんなディスクブレーキですが
内部の構造で大きく二種類に分かれます。
メインストリームはオイルの圧力で動かす
「油圧ディスクブレーキ」ですが
金属ワイヤーの引きで動作させる
「機械式ディスクブレーキ」も
採用されている車体は多いです。
(※画像の車体はまだ未組立なのでワイヤー長いです)
今回はそんな機械式タイプのお話。
ブレーキを動作させる為のワイヤーは
一般的なブレーキに採用されている物と同じですが
ディスクブレーキ車の場合
ブレーキ本体の取り付け位置がハンドルから遠いので
ワイヤー長が長くなります。
最近のスポーツバイクでは
ワイヤー類がフレーム内装の物も多く
フルアウター(※)でワイヤーを組み付ける構造の車種が
(※ブレーキレバーからブレーキ本体までインナーワイヤーが露出しない状態)
とても多いんですね。
ワイヤーのアウターとインナーが
接触する面積が多い程ブレーキの引きは重くなります。
組み付け時には運用に問題が無いレベルの重さなのですが
時間が経つと問題が出る事があります。
ほとんどの場合、原因はワイヤーの錆。
一般的なリムブレーキ車でも発生する問題ではあるのですが
ワイヤーが長い分機械式ディスクブレーキでは
特に発生しやすいと思われます。
当店にメンテナンス依頼で来た車体から外したワイヤー
依頼内容は「リアブレーキが動作しない」という事で
車体をチェックしてみた所
ブレーキ本体とレバーは正常に動作するのですが
ワイヤーを繋ぐと動かない。
典型的なワイヤー固着ですね。
気になった点として
フロントブレーキやシフトなどのワイヤーは問題無く
リアブレーキのワイヤーのみが固着した事。
保管環境が同じであれば
他のワイヤーも傷んでいるのが普通ですが
見たり触ったりした感じでは綺麗な状態。
作業完了後に頑張って固着したワイヤーを引っこ抜いてみると
(※ちなみに私の全体重を掛けても動かない状態でした。)
終端側の40数cmだけ錆びています。
どうしてこういった事が起きたのか考察すると
ディスクブレーキ用フレームのワイヤールートは
油圧タイプをメインに考えられている物が多く
機械式の事はあまり考えられていません。
空力や取付台座部剛性などの関係もあり
最近の車体ではブレーキ本体の取り付け位置が
チェーンステー側の設計が一般的になったんですね。
(※以前はメンテナンスしやすいシートステー側が多かった)
これにより、ワイヤーが通る位置が変わり
ワイヤー終端が上向きになります。
(※ワイヤールートの参考なので画像の車体は油圧タイプとなります。)
アウター出口部分が上向きになりますので
水分が侵入しやすくなりますし
終端よりも低い位置にあるワイヤーには
内部に水が溜まりやすいので
その部分が錆びてワイヤーが動かなくなるようです。
この症例で作業依頼が来たのは当店だと二例目。
車体のジャンルを問わず
エントリーグレードのディスクブレーキモデルでは
チェーンステー側に機械式ブレーキを取付している車種が増えたので
今後こういった案件は増えていく事でしょう。
予防策は出来る事なら屋内保管ですが
なかなか難しい環境の方も多いと思いますので
定期的なワイヤー交換やグリスアップですかね・・・
ワイヤーは消耗品ですので
傷んだ物を交換するとブレーキの引きが
とっても軽くなりますよ!
ブレーキのトラブルは命に関わります!
何か異常を感じたらすぐに自転車店にご相談下さい。
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