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「ブレーキが動かない!」そんな案件、今後増えるんじゃないかなぁ・・・という話
by: 藤平悠介

当ブログをお読みの皆様こんにちは!

 

神楽坂店の藤平です。

 

 

 

ここ数年、自転車の業界では

 

凄い勢いでディスクブレーキ化が進んでいますね。

 

 

そんなディスクブレーキですが

 

内部の構造で大きく二種類に分かれます。

 

 

 

 

 

 

IMG_3094

 

メインストリームはオイルの圧力で動かす

 

「油圧ディスクブレーキ」ですが

 

 

 

 

IMG_3091

 

金属ワイヤーの引きで動作させる

 

「機械式ディスクブレーキ」

 

採用されている車体は多いです。

(※画像の車体はまだ未組立なのでワイヤー長いです)

 

 

今回はそんな機械式タイプのお話。

 

 

 

 

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ブレーキを動作させる為のワイヤーは

 

一般的なブレーキに採用されている物と同じですが

 

ディスクブレーキ車の場合

 

ブレーキ本体の取り付け位置がハンドルから遠いので

 

ワイヤー長が長くなります。

 

 

最近のスポーツバイクでは

 

ワイヤー類がフレーム内装の物も多く

 

フルアウター(※)でワイヤーを組み付ける構造の車種が

(※ブレーキレバーからブレーキ本体までインナーワイヤーが露出しない状態)

 

とても多いんですね。

 

 

ワイヤーのアウターとインナーが

 

接触する面積が多い程ブレーキの引きは重くなります。

 

 

組み付け時には運用に問題が無いレベルの重さなのですが

 

時間が経つと問題が出る事があります。

 

 

ほとんどの場合、原因はワイヤーの錆。

 

 

一般的なリムブレーキ車でも発生する問題ではあるのですが

 

ワイヤーが長い分機械式ディスクブレーキでは

 

特に発生しやすいと思われます。

 

 

 

 

 

IMG_3087

 

当店にメンテナンス依頼で来た車体から外したワイヤー

 

 

依頼内容は「リアブレーキが動作しない」という事で

 

車体をチェックしてみた所

 

ブレーキ本体とレバーは正常に動作するのですが

 

ワイヤーを繋ぐと動かない。

 

 

典型的なワイヤー固着ですね。

 

 

気になった点として

 

フロントブレーキやシフトなどのワイヤーは問題無く

 

リアブレーキのワイヤーのみが固着した事。

 

 

保管環境が同じであれば

 

他のワイヤーも傷んでいるのが普通ですが

 

見たり触ったりした感じでは綺麗な状態。

 

 

 

 

 

IMG_3089

 

作業完了後に頑張って固着したワイヤーを引っこ抜いてみると

(※ちなみに私の全体重を掛けても動かない状態でした。)

 

終端側の40数cmだけ錆びています。 

 

 

どうしてこういった事が起きたのか考察すると

 

ディスクブレーキ用フレームのワイヤールートは

 

油圧タイプをメインに考えられている物が多く

 

機械式の事はあまり考えられていません。

 

 

 

 

 

IMG_3091

 

空力や取付台座部剛性などの関係もあり

 

最近の車体ではブレーキ本体の取り付け位置が

 

チェーンステー側の設計が一般的になったんですね。

 

 

 

 

IMG_3097

 

(※以前はメンテナンスしやすいシートステー側が多かった)

 

 

これにより、ワイヤーが通る位置が変わり

 

ワイヤー終端が上向きになります。

 

 

 

 

 

 

IMG_3100

(※ワイヤールートの参考なので画像の車体は油圧タイプとなります。)

 

アウター出口部分が上向きになりますので

 

水分が侵入しやすくなりますし

 

終端よりも低い位置にあるワイヤーには

 

内部に水が溜まりやすいので

 

その部分が錆びてワイヤーが動かなくなるようです。

 

 

この症例で作業依頼が来たのは当店だと二例目。

 

 

車体のジャンルを問わず

 

エントリーグレードのディスクブレーキモデルでは

 

チェーンステー側に機械式ブレーキを取付している車種が増えたので

 

今後こういった案件は増えていく事でしょう。

 

 

予防策は出来る事なら屋内保管ですが

 

なかなか難しい環境の方も多いと思いますので

 

定期的なワイヤー交換やグリスアップですかね・・・

 

 

ワイヤーは消耗品ですので

 

傷んだ物を交換するとブレーキの引きが

 

とっても軽くなりますよ!

 

 

ブレーキのトラブルは命に関わります!

 

何か異常を感じたらすぐに自転車店にご相談下さい。

 

 

 

 

 


 

 

納車前整備で初期不良が発覚した場合について

 

 

 納車前整備で初期不良が発覚した場合、

 

同一商品をメーカーから手配いたしますが、

 

世界的なスポーツバイク需要の高まりにより

 

メーカー問わず品薄状態が続いております。

 

そのため同一商品の手配に数日~数か月かかる場合がございます。

 

長期間の場合は、商品変更やキャンセルを承ります。

 

 また、小キズ等の乗車に支障の無い初期不良に関しては、

 

若干のお値引きでご対応させていただく場合がございます。

 

万一の際は、大変ご迷惑をお掛けしますが

 

何卒よろしくお願い申し上げます。

 


 


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