2018/10/22 20:15
現在e‐コミューター店で仕事をしていますが、普段はロードバイク乗りです。
今の普段乗りマシーンはチネリのクロモリ「VIGORELLI ROAD」。
ピストの名車「VIGORELLI」をそのままロードバイク化したという由来と
独特のジオメトリーからくるキレッキレな走りにディープなファン多し。
ドロップ量50mmというやたらと高いBBハイトのおかげで加速は抜群。
ただチューブもまんまピストのそれなので、乗り心地は・・・硬い。
で、そのヴィゴレッリロードに決める際、最後まで迷ったのが・・・
この「NEMO TIG」。
こちらはジオメトリーも含めちゃんとした?ロードバイクなのですが
その時点ではヴィゴレッリの「なんだか面白そう」感を優先しました。
さて、逃した魚は大きいのか、小さいのか。
〇CINELLI NEMO TIG(フレームセット) ¥240,000-+TAX
「クロモリ=クラシカル」というステレオタイプな風潮へのカウンター。
TIG溶接された大径チューブで組まれたモダンなつくりのクロモリフレーム
という点では、愛車ヴィゴレッリと共通しています。
カンパ組み・TIMEのペダルというセレクトもまさにツボ。
サドル高さもなんとか許容範囲。
これは楽しい試乗になりそうです!
〇発進。
フレーム性能がどうこう以前に、BORA ULTRAがまず反則です。
何に履かせても全部「ボーラ味」になるのではないでしょうか。
「YAMAHAvsBESVのE-BIKE対決!」のすぐ後にコレに乗ったのですが
まるでアシストバイクの様に、グイグイと押されるように加速します。
気づいたらあっという間にアウターの速度域に。
コレが最新のクロモリフレームか・・・
いやボーラがスゴ過ぎるだけなのか・・・
〇加速。
ゼロ発進からシームレスに加速モードに突入。
カーボンのプラスチッキーな感触や、アルミでよく言うパリッと感とも違う
独特のスチールっぽい「張りと粘り」を感じる踏み心地が心地いい。
適度に踏ん張りながらも絶妙にいなす感覚に、自分が上手くなったような
気分に浸って夢中でペダリングしていると、速度がグングン上がります。
体重がある分瞬間的なパワーは出せるのですがスタミナが全然ないという
乗り手の特性にぴったりハマる、絶妙な剛性感にニヤニヤが止まりません。
これは気持ちいい。
〇登り。
平坦で感じた加速感そのままに登ります。
BORAの軽さとクロモリのしなり感がここでも絶妙にマッチ。
シッティングでもダンシングでもスイスイ登ります。
ヴィゴレッリとのフレーム重量差は150gくらいしかないはずなのに・・・
ボーラ効果を差っ引いても、登りの軽さを感じました。
〇結論。
クラシック感は欠片もない、完全にイマドキの走りのロードバイクです。
絶妙なしなやかさの乗り味も、まるでよくできたカーボンバイクの様。
ネガティブ要素は、1,850gとヘヴィ級のフレーム重量くらいのもの。
これを単純に重いと捉えるか、乗り味と引き換えにできる要素と考えるか
そこがこの「ネモティグ」の評価ポイントと感じました。
チネリ乗りというフィルターの影響もなくはないですが
個人的な意見では間違いなくアリ。
同価格帯のカーボンフレームを買うより、断然楽しめると思いました。
ヴィゴレッリはピスト由来なだけあって、ストリート+αがメインのフィールド。
いわゆるロードバイクの文法では、やはりこちらが上。
これは「買い替え」ではなく「買い足し」のパターンなヤツです。