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【2025年版】クロスバイクの選び方
by: 金澤 義彦

幅1200pxぐらいで作り直してください【2025年版】クロスバイクの選び方


スポーツバイクの中では比較的お求めやすい価格、フラットハンドルなので扱いやすい、などの理由から「最初のスポーツバイク」や「街乗り用バイク」として好まれるジャンル「クロスバイク」

上野本館でも多くの方がクロスバイクをお求めになりますが、お客様とのお話で一番出てくるのが
「どれを選んでいいかわからない」だと思います。

そこで今回、私が普段店舗でクロスバイクの購入相談をする際によくお話しているポイントをまとめてみようと思います。
少々長文になるかと思いますので、お時間のある時にゆっくりお読みくださいませ。


そもそもクロスバイクとは

なにが「クロス」しているバイクなのか?
「ロードバイクとマウンテンバイクの特徴をミックス(クロス)した自転車」のことで、
一般的には「フラットハンドル」「タイヤの太さが28~45mm程度」といった特徴を持ち、軽さ・速さに特化したロードバイクと安定性・振動吸収性に特化したマウンテンバイクのいいとこ取りをしています

軽さも速さもタイヤの太さも、いろんなところが「ロードバイクとマウンテンバイクの中間」。いろんな意味で「扱いやすい」スポーツバイクです。

比較的価格が抑えられているのもポイント。当社取り扱い商品に限定してお話すると、クロスバイクはだいたい6万円ぐらいから選択肢が出てきます。
ロードバイクの場合は選択肢が出始めるラインは10万円ぐらいからなので、そういった点でも「スポーツバイク最初の一台」にお薦めです。


①フレーム・フォークの素材

素材によって重量・見た目・性能・価格などが違います。
主にアルミ・クロモリ・カーボンの3つが採用されていますので、これらをおさえておけば良いかと思います。

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●アルミ
素材そのものの価格が安い、加工がしやすいなどの理由で、多くのメーカーがアルミフレームを採用しています。
アルミフレームの特徴としては「軽い」「安い」が挙げられます。 
アルミを採用しているフレームやフォークは「軽量である」点が大きいメリットです。
また、後述のふたつの素材と比べると振動吸収性では劣ります。

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●クロモリ
「スチールフレーム」というと硬い印象がありますが、実は柔らかい合金なので、アルミよりも振動吸収性はあります。
ほか、スチール系ゆえに「重い」「頑丈」という特性があります。
0からの走り出しや坂道では重さのデメリットが多少出ますが、ある程度スピードに乗った時に程よいしなりで快適に走れる、という点がクロモリの特徴です。
また、素材そのものの強度が高いので「フレームを細くできる」というのも特徴。細身のシャープなフレームはクロモリでないとできません。
アルミと比べて素材が高い・加工が難しいという点から昨今ではクロモリフレームを扱っていないメーカーも増えてきています。

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●カーボン
昨今は「フレームがカーボン」というクロスバイクはほぼ無くなったので、現実的にはフォークの話になりますが、フォークがカーボンになることにより、「軽量化」と「振動吸収性の向上」が見込めます。クロスバイクに限った話で言うと、10万円を超えるあたりのモデルからカーボンフォーク搭載のモデルが選択肢に入ってきます。 
「でもカーボンって折れるんでしょ?」なんて話もよく耳にしますが、確かにアルミやクロモリといった金属系の素材に比べると、強い衝撃を与えた場合により深刻なダメージになるのはカーボンの方です。
私たちも仕事上、割れたカーボンフレーム・カーボンフォークを何度も見ていますが、そこに至るシチュエーションは基本「事故」です(車とぶつかった、下りの高速走行時に落車した等)。
普通に使用していて割れるものでは無いので、そこまで簡単に折れるものではない、とよくお話ししています。


②タイヤの太さ

タイヤの太さによって走行性能と、そのバイクの性格が見えてきます。

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タイヤが太いモデルであればあるほどタイヤと地面との設置面積が広くなるので「安定感・振動吸収性の向上」が見込めます。半面、タイヤが太いということは、そのタイヤを付けているホイールも太いわけで、ホイールそのものの重量も上がります。
ゆえに、タイヤが太めのモデルはバイクの性格的に「スピードをガンガン出す」よりは「乗り易さ重視」であることが多いです。
「マウンテンバイクよりのクロスバイク」とも言えるでしょう。

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タイヤが細いモデルはその逆ですね。地面との設置面積が狭いので走行抵抗も少なく「スピードを出しやすい、落ちにくい」といった特性になりますが、逆に安定感は下がってしまうので、例えば歩道を低速で走ったりするとふらつきやすくなります。
こういったタイプは比較的前傾姿勢を深めにとってスピードをしっかり出していくタイプになり、「ロードバイクよりのクロスバイク」と言えるでしょう。

これもまた明確な定義はないのであくまで主観になりますが、クロスバイクで一般的な700c規格のタイヤでお話すると
・~28cあたりが細め
・32~38cあたりが中間
・40C~あたりが太め
と分けてお話しすることが多いです。


③ブレーキのタイプ

昨今のクロスバイクのブレーキといえば「Vブレーキ」「油圧式ディスクブレーキ」「機械式ディスクブレーキ」の3種類が主ではないかと思います。
(より掘り下げるのであればキャリパーブレーキやカンチブレーキもありますが、かなりの少数派なので今回は省略します)

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●Vブレーキ
一昔前はクロスバイクのブレーキといえばVブレーキでしたが、昨今のクロスバイクラインナップは価格帯が下のものにVブレーキ、それ以外は全部ディスクブレーキ、といった感じで採用されているのがほとんどです。
ブレーキレバーを引くことで、繋がっているワイヤーを引っ張ることでVブレーキが閉じ、ホイールの外周部分(リム)を挟み込んで止めるタイプ。
後述するディスクブレーキと比べて「価格が安い」「重量が軽い」「自分でメンテナンスがしやすい」などのメリットがあります。

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●ディスクブレーキ(油圧式/機械式)
ホイールの中心部に固定されている円盤状のパーツ「ディスクローター」をディスクパッドで挟み込んで止めるタイプのブレーキ。
車やオートバイも同じタイプのブレーキを採用しており、昨今のクロスバイクではディスクブレーキが多く採用されています。
ホイールの外周部分で止めるVブレーキと違い、固定する部分がホイールの中央に近いため「より軽い力で高い制動力が得られる」点が特徴。
また、「雨天時でも制動力が落ちにくい」という点もポイントです。

さらに油圧式ディスクブレーキであれば「ワイヤーを引く抵抗」が無いためブレーキレバーの引きがとっても軽い!
Vブレーキと比べて重量増&価格増・自分でメンテナンスをするのはちょっと難しいなどの点はあるものの、「レバーの引きの軽さ」と「制動力の高さ」のメリットが大きいため、昨今は多くのメーカーが油圧式ディスクブレーキを採用しています。

機械式ディスクブレーキは油圧式ディスクブレーキとVブレーキの中間の性質、とでも言いましょうか。
要は「ワイヤーで引っ張るタイプのディスクブレーキ」なので、Vブレーキよりも制動力が高く、油圧式ディスクブレーキよりもメンテがしやすく・ワイヤーを引く抵抗が生まれるためレバーの引きが油圧式よりも重くなります。価格も油圧式より抑えられています。


④変速段数

クロスバイクではフロントとリアに数枚ギアが付いており、それを変えていくことでより重たい・軽いギアを選択でき、重たいギアでスピードを出したり、軽いギアで坂を登ったりできます。

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・フロント
一昔前はフロントトリプル(前3段ギア)が主流でしたが、最近は ダブル・シングルも増えてきました。
というのも、「フロントトリプルも必要か?」といった考えが昨今メーカーでも主流になってきているからです。

例えばフロント3段・リア8段のクロスバイクは合計24段変速なわけですが、「普段24段変速を全て使っているか?」と言われるとほとんどの人は「No」と答えるはずです。
街乗りであれば正直5~6枚もあればできちゃうケースも多いものかと思います。だったらダブルやシングルにすれば単純に軽量化になりますし、シングルだったら変速機もシフトレバーも無くなるのでフロント変速周りのトラブルも無くなるわけです。
とはいえ、シングルよりもダブル、ダブルよりシングルの方が「より重い・軽いギアの選択肢が多い」点もまた事実なので、そこも踏まえてお選びいただくのが宜しいかと思います。

昨今のクロスバイクラインナップだと、エントリークラスがトリプル・それ以上がダブルやシングルになる傾向があるようです。

なお、フロントの場合「歯車の歯数が多いほど重たいギア」になります。
例えばカタログなどで「46T/30T」「48T/38T/28T」などと表記があった場合、前者はダブル・後者はトリプルギアで、トリプルの方がより重たい・軽いギアが存在します。
(※「T」とはギアの山の数を表します。48Tは「ギアの山が48個ある」という意味です)

・リア
昨今ではリアの変速段数は7~11段あたりが多いでしょうか。グレードによって段数が上がっていき、7段よりも11段の方がグレードが上です。グレードの違いは性能の違いとして解釈してOKです。上のグレードの方がより滑らかに・正確に変速が決まります。

歯数についてはフロントと逆で「歯数が大きいほど軽いギア」になります。
例えばカタログなどで「11T/32T 8S」などと表記があった場合、「一番小さいギアが11T、大きいギアが32T、8速(=8段変速)」ということです。


⑤コンポーネントのグレード

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④の変速段数の話と少し被る話ですが、コンポーネントのグレードによっても性能は変わります。
コンポーネントとは、変速機やブレーキなど「自転車を動かすパーツの総称」のことで、主に
・ブレーキレバー、ブレーキ本体
・シフトレバー
・フロントディレーラー
・リアディレーラー
・チェーン
・スプロケット
・クランク
・ボトムブラケット
をまとめてコンポーネントと言います。

基本的には日本のブランド「シマノ」のコンポーネントを採用している事が多いですが、コンポーネント全てをシマノでまとめるとコストが上がるので、一部をシマノ以外のメーカーを採用することでコストを調節している、ということも良くあります。
これについては単純に「シマノパーツが多いほど性能が高い」という認識でOKですが、すべてをシマノで組んでいる、いわゆる「フルシマノ組み」のクロスバイクは正直なところかなりの少数派ですので、参考程度にとどめておくぐらいで宜しいかと思います。


⑥サイズ

背景を白にしてください
クロスバイクのフレームサイズは3~5種類ぐらいで展開されていることが多いです。
フレームサイズというものは本来大きすぎても小さすぎても良いものではありません。身長(より掘り下げるのであれば手足の長さや体の柔軟性)によって適正サイズは変わります。
サイズが大きくなると、簡単に言うとフレームの前三角形の大きさが変わります。トップチューブ・シートチューブ・ヘッドチューブの長さが変わるとどんな問題が起きるかというと、例えば体に対して大きいフレームサイズを選んだ場合
・トップチューブが長くなるのでハンドルが遠くなる
・シートチューブが長くなるので適正なサドルの高さが出ないかもしれない
・ヘッドチューブも長くなるのでハンドルが高くなる
といった可能性が懸念されます。小さいとその逆ですね。

メーカーによっては適正サイズを公表しているところもあります。その際は「●cm~●cm」といったように、ある程度幅を設けて表記しているものですが、基本的には「その幅の真ん中の人が特にオススメ」という認識でOKです。
「165~175cm」だった場合は170cmの方が特にオススメ、ということですね。
身長幅の上ギリギリ、下ギリギリだった場合は体に対してやや小さい・大きいといった可能性も考えられます。

また、一番理想なのは「実車に跨ってみる」ことかと思います。ワイズロードオンラインの商品ページにお探しのバイクが掲載されている場合、商品ページの「店舗の在庫を検索する」ボタンで現状在庫している店舗がわかりますので、その店舗へ電話にて「在庫確認」と「跨れる状態かどうか(※未開封の箱状態である可能性があるため)」を確認いただいたうえで店舗にご来店いただき実車を跨いでみる、といった流れになります。

少々面倒な手順ではありますが、可能であれば実車を見たり跨ったりするのが一番良いに決まってます。


⑦見た目

ここまで細かい事言っておいて最後は見た目かよ!なんてツッコミも聞こえてきそうですが、個人的には「見た目」もかなり重要なファクターであると思います!
見た目が気に入っていないバイクと気に入ったバイクでは、乗る時に絶対にテンションが違うはずです。

ワイズロードが取り扱っているバイクメーカーは世界中にありますが、メーカーごとのデザインセンスがあります。
もし現状「実はこのメーカーがかっこいいと思うんだよね・・・」といったメーカーがあるようなら、そのメーカーのラインナップから選ぶ、というのもアリかもしれません。

ここまでの話を踏まえたうえで「見た目が気に入った」バイクを選んでいただけた方がより楽しいサイクルライフを送れるのではないか、と個人的には思います。


…と、「私が普段お店でクロスバイクのお話をする時によく言う事」をまとめてみました。
この話がクロスバイク選びの参考になれば幸いです。

お店に来ていただければ、ここまでの話とともに「実車があれば跨ってみる」といった対応もできますので是非ご来店くださいませ!
スタッフ一同お待ちしております!

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