日本最大級のスポーツサイクル専門店!入門者にも丁寧に接客いたします!
2025/11/03 08:00
上野本館のマエダです。
この度は近隣の上野アサゾー店で新しく取り扱いを始めた「OQUO(オークォ)」 のホイールを自分用に購入しましたので、使用感などご紹介させていただきたいと思います。
スペイン最大の自転車メーカーORBEAが始めたホイールブランドの実力はいかに。
今回購入させていただいたのは、今年発表されたばかりのニューモデル「RP50 LTD」。エアロを追求したロードコンペティションモデルながら、内幅25mmのワイドリム設計によりグラベルでの使用も視野に入れているという、非常に使い幅の広いモデル。プロトタイプがパリ-ルーベでも使用されていたことからも相当頑丈に作っているようです。
新型に搭載されているのが、OQUOが新設計したオリジナルハブ「Q10」。8°のエンゲージメント角を備え高いパワー伝達効率を持つ「SHARK RACHET」が最大の特徴。航空宇宙グレードのアルミ素材を使用し、軽量でありながら優れた耐久性を持つとされています。ユーロバイクでコンポーネント・オブ・ザ・イヤーを受賞したことからも、非常に高い精度で製造されているのがうかがえます。
フリーボディはDT SWISS等と同じで工具無しで外せる仕様。内部の洗浄やグリスアップなど簡単に行うことができます。
リム内幅は25mmのワイド設計。28~30Cの太めのタイヤ幅に最適化されています。ハイエンド系のホイールに最近多いフックレスリムではなく、タイヤを確実に保持するミニフック構造となっており、使用できるタイヤの種類に制限がないのも嬉しい点。
標準でチューブレスリムテープが貼ってあります。交換する際は27mm幅のものがピッタリ合いそうです。<p>

リム外幅は最大で34mm。ワイドタイヤ使用時のエアロ性能や横風耐性を研究して設計された、最先端のホイール。
スポークはカーボン素材ではなく定番のSAPIM CX-RAY、前後ペア重量は1421gと超軽量という訳ではありませんが、走行性能と耐久性を高い次元でバランスさせている感じがします。
組み合わせたのはミシュランの新型タイヤ「PRO 5」。レーシングモデルのPOWER CUPに対して、耐久性重視のエンデュランスモデルという位置付けですが、転がり抵抗も低く抑えられており、レースでの使用にも堪える性能を持っている、総合力の高いタイヤです。サイズは30Cを選択。
今回はパンク対策として、タイヤインサートも使用してみました!ヴィットリアの「AIR LINER ROAD」は、チューブレスタイヤに使用することでタイヤ・リムを強い衝撃から守り、パンクが起こってもそのまま50kmの走行が可能とされています。
組付けはシンプルで、タイヤ装着の際にチューブと同じ要領で中に入れるだけ…なのですが、やはりタイヤインサートの影響なのか、なかなかタイヤが嵌まってくれません。なるべくタイヤレバーは使いたくないので、時間を掛けて少しずつ押し込んでいきます。
苦労しましたが、どうにか装着することができました。
ちなみに取り付けに関してはヴィットリアから出ているチューブレス工具「ROAD TUBELESS TOOL KIT」を使用すると楽になるようです。どのみち取り外しの際は必要になるため、導入時は併せて購入しておくことをオススメします。(私も作業後すぐに注文しました…)
いつものようにMUC-OFFシーラントを注入。タイヤインサートはシーラントを吸わない素材になっているそうですが、念のためちょっと多めの100ml程入れておきました。
↑こちらは交換前の写真。元々使っていたホイールがペア重量1350gのシマノ「WH-R9270-C36」。これに25Cタイヤ、TPUチューブ装備という超軽量な組み合わせでしたが……

交換後がコチラ。タイヤの太さもあってか、50mmハイトのホイールでもかなり迫力のある姿に変わりました。しかしその代償として車体重量が500g以上も増加。この違いが走りにどう影響してくるか。
空気圧はSRAMの空気圧計算機に従って、3.2barほどの低圧にしてみました。指でタイヤを押してみるとちょっと不安になるほど柔らかい状態ですが、これでもしっかりと走れてしまうのがチューブレスの面白いところですね。
さすがに漕ぎ出しはやや重く感じるものの、時速20km/hくらいからの加速感は非常にスムーズ。普段走っている道を同じくらいのパワーで走ってみましたが、自分の感覚以上に速度が早く上がっていくのを感じ、自然と巡航速度が上がっていきました。
ホイール外周付近の重量が増えた影響もあると思いますが、タイヤが路面の上をスムーズに転がることで、一度上げたスピードが落ちにくくなっているのを強く感じました。高速走行時の抵抗は空気抵抗がほとんどを占めていると言われていますが、路面から伝わってくる振動や衝撃による減速効果は思った以上に大きいのかもしれません。
もちろん走行時の安定感や快適性は比べるまでもなくこちらが上。安心してスピードを出せるため、結果的に下り坂やコーナリングでも攻めた走りができるようになりました。
総合的に考えて、長い登りが続くヒルクライムや全力のスプリントなど限定的な状況を除けば、こちらの方が速く走れるように感じました。重量増によるデメリットはないわけではないですが、それを大きく上回るメリットが得られるカスタムとなった気がします。
これまで自分の中で「細くて軽いタイヤの方が速い」という思い込みがあったのですが、これからは考えを改める必要がありそうです。近年30mm前後のタイヤに最適化されたホイールがどんどん増えているのも納得ですね。

税込¥347,900という価格は決して安くはないかもしれませんが、それでも他社ハイエンドホイールと比較してみるとかなり買いやすい部類なのは確か。価格-性能比で言えばトップクラスのホイールの一つではないかと。近年のトレンドであるワイドタイヤに最適化されたこれ一本持っておけば、ロードからグラベルロードまで、長く幅広く使い回せるという点も魅力的ですね(グラベル向けにMSハブオプションもあるようです)。