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2026/09/21 15:14
前回の連載では、かつてロードレースを主戦場としていた私が、現在はマスターズのトラック競技を中心に走っている理由をご紹介しました。
仕事をしながら競技を続けるため、現在の生活や確保できる練習時間に合わせて種目を選ぶ。
その選択の先にあった今回の全国大会で、500mタイムトライアル3位に入ることができました。
【連載コラム①「ロード出身の私が、今トラック競技を主戦場にする理由」へのリンクはこちらです】
台風が近づく関東地方とは対照的に、北陸・石川は雲が多めながらも、良い天候に恵まれました。
目次
今回参加したのは「日本スポーツマスターズ2026石川大会」です。都道府県単位で参加することから、“大人の国体”のような大会ともいえるでしょう。なお、同年度の国民スポーツ大会と日本スポーツマスターズには、選手として重複参加できない規定があります。
マスターズカテゴリー5部の500mタイムトライアルに出場し、結果は3位。
500mタイムトライアル5部
第3位
記録:37秒619
全国大会の表彰台は久しぶりでもあり、素直にうれしく思います。
この500mタイムトライアルでは、以前チャンピオンになったこともあります。
一度優勝したからといって、その後も同じ成績を残せるとは限りません。
年齢やコンディション、練習環境、準備の内容、そして同世代のライバルたちの走りによって、順位もタイムも変わります。
調子の良い年もあれば、思うような結果を残せない年もある。そこから再び表彰台へ戻ってくることもあります。
競技を長く続けていると、結果は一直線に伸びるものではなく、上がったり下がったりしながら積み重なっていきます。
その浮き沈みも含めて、自分が今どこまで走れるのかを確かめられることが、マスターズ競技の面白さだと思います。
ただし、3位という結果だけですべてに満足しているわけではありません。
表彰台に立てた喜びと同時に、走り方や準備、機材の選択によって、まだタイムを縮められたのではないかという悔しさも残りました。
この両方を感じられることも、競技を続ける面白さだと思います。
【撮影者はMRさん】
競技歴が長くても、スタート前の緊張感がなくなることはありません。
500mタイムトライアルは、スタートから一気に加速し、そのまま高い速度を最後まで維持する競技です。
長いロードレースとは違い、途中で失敗を修正する時間はほとんどありません。
スタートの一踏み、加速、ペース配分、フォーム。
短い時間の中に、準備してきたことが凝縮されます。
今回も理想どおりの準備がすべてできたわけではありません。
仕事をしながらのトレーニングでは、練習時間だけでなく、疲労や睡眠、身体の回復も考える必要があります。
競技場で走れる機会も限られるため、室内トレーニングや短時間の高強度練習を組み合わせて大会へ向かいました。
「もっと練習時間ができてから」
「もう少し速くなってから」
そう考えていると、いつまでも大会へ出られないことがあります。
もちろん、安全に走れる準備や、競技に必要な最低限の練習は欠かせません。
しかし、仕事や家庭がある中で、毎回完璧な状態を作ることは簡単ではありません。
今の生活の中でできる準備を積み重ね、まずは大会へ参加してみる。
実際に走ることで、普段の練習だけでは分からなかった課題が見えてきます。
今回も、実戦で走ったからこそ気づいたことがありました。
わずかな機材設定や走り方の違いが結果に影響する。
経験を重ねても、自転車競技にはまだ新しく学べることがあります。
それが、次のトレーニングへ向かう理由になります。
若い頃は、勝つことや速くなることが競技を続ける大きな理由でした。
今も結果を求める気持ちは変わりません。
競技へ出る以上、少しでも速く走りたいし、勝てる可能性があるなら勝ちたいと思っています。
一方で現在は、スタートラインに立つまでの過程にも、以前とは違った価値を感じます。
仕事をしながら練習時間を作る。
疲労や体調を確認しながら、トレーニングを組み立てる。
機材を準備し、遠征先まで移動する。
同世代の選手と再会し、同じ競技場で走る。
そのすべてを含めて、マスターズ競技なのだと思います。
「年齢を重ねたから、無理をしない」というだけではありません。
今の身体と生活を理解したうえで、できる限りの準備をして本気で競う。
そこに、マスターズならではの面白さがあります。
ここまでは「ガチ」な競技の話でしたが、今回の遠征にはもう一つの楽しみがありました。
大会の日程を終えたあとは、金沢を観光しました。
大会へ向けて緊張していた時間から少し離れ、その土地の景色や食事を楽しむ。
全国各地で開催される大会へ参加すれば、普段は訪れる機会の少ない場所へ行く理由もできます。
競技だけを目的に移動し、走り終わったらすぐ帰るのも一つの形です。
一方で、せっかく遠くまで来たのなら、その土地を楽しんで帰る。
こうした時間も含められることが、大人になった今の競技遠征の良さだと思います。大会の開催地も復興に向けて躍動する石川能登エリアでもあります。
本気で競う時間があり、その後には観光や食事を楽しむ時間がある。
まさに、今回の連載タイトルである、
「ガチだけど、ユルくもあるマスターズサイクリング」
を体験した遠征になりました。
全国大会で3位と聞くと、自分とは関係のない世界に感じる方もいるかもしれません。
しかし、マスターズ競技へ参加する目的は、表彰台だけではありません。
初めて大会へ参加する
自分の記録を作る
昨年のタイムを更新する
同世代の選手と競う
練習を続けるための目標を持つ
遠征と観光の両方を楽しむ
どれも立派な参加理由です。
ロードレース、ヒルクライム、タイムトライアル、トラック、シクロクロス、グラベルなど、自転車競技にはさまざまな種目があります。
自分の得意なことや、現在の生活環境に合った種目を選ぶことで、年齢を重ねても競技を楽しめます。
今回、全国大会で3位に入ることができました。
それでも、競技を終えて最初に考えたのは、次に何を変えればもっと速く走れるかということでした。
次の目標は、10月11日のトラックミーティングです。
今回感じた課題を整理し、限られた時間の中で、また準備を進めていきます。
年齢を重ねても、競技は続きます。
結果が出たときの喜びも、思うように走れなかったときの悔しさも、次の目標へ向かう力になります。
ワイズロード上野本館では、マスターズ競技へ挑戦してみたい方のご相談も承ります。
現在の自転車で大会へ参加できるのか
久しぶりに使用する車体の状態が心配
仕事をしながら、どのように練習すればよいか
室内トレーニングを始めたい
ポジションや機材について相談したい
大会へ出ることが決まっていない段階でも構いません。
どのような種目があるのか、何から始めればよいのかというところから、お気軽にご相談ください。
競技も、遠征も、その土地で過ごす時間も楽しむ。
今の自分に合ったスタイルで、マスターズという新しい目標を見つけてみませんか?
皆様のご来店をお待ちしております。
次回予告
長期間使用している車体や、競技で負荷をかけている自転車について、確認したい消耗品、整備、ポジションをご紹介します。