日本最大級のスポーツサイクル専門店!入門者にも丁寧に接客いたします!
2025/11/29 21:40
日頃よりワイズロード上野本館をご愛顧いただきありがとうございます。
グラベル・MTB担当のヤマザキです。
前回に続き私物の作業ブログです。
友人から譲り受けたMERIDA MISSION COMP
40cを許容するタイヤクリアランスでグラベルサイクリングも楽しめるマルチパーパスアルミシクロ。
(ジオメトリはどちらかといえばグラベル寄り=BBが低い)
残念ながら現行ラインナップから外れており、入手困難です。
ロード寄りのオフロードバイクが欲しかったのでラッキーでした。
発酵させるために部屋の隅で数年寝かせていたそうなので、それなりの手当が必要でしょう。
受け取ってまず気づいたのはブレーキが全くきかないということ。
オイル交換とエア抜きだけで済めばいいですが、前回のようにキャリパーが破損してオイル漏れしてる可能性もあります。
大量に漏れ出ている…
パッドの裏面にも分かりやすくピストン型にオイルが滲んでいます。
使用を続ければ表面にもオイルが垂れてきてブレーキが不快な音を立てます。
パッド交換の前にライトをあててじっくり点検しましょう。
クリーニングをしてもオイル漏れが改善しない場合はキャリパーを交換しましょう。
shimanoさんは具体的な使用期限などは設けられておらず、このような症状が出たら交換を推奨されています。
ピストンの摩耗=製品寿命です。
泥汚れがひどいのでブリーディング開始前にお掃除。
蓋を開けてもオイルは溢れずカラッカラのようです。
オイルの状態がかなり悪いので全入れ替えを行います。
(通常は濃いピンク色)
STI用のじょうごを持っていないのでアダプターを使います。
付属のスタンドが機能しなくなりました…残念
↑高いですが新型ブリーディングキットで作業効率上げましょう。
MTB系ブレーキと互換がないブリーディングスペーサー。
新たに必要なものが多くて頭が混乱します。
やっと綺麗なピンク色になりました。
ブレーキパッドはお気に入りのashima AT0107
低価格でフィン付き、制動力がとても高いので私は好きです。
なるべく安くレストアしたいですがブレーキはしっかりきいてほしいのでローターはコストをかけました。
現行105グレードのRT-CL700 前後160mmをチョイス。
旧型よりローター面積が増えてエアロ感が増した見た目になっています。
シクロ業界ではあえて制動力の低い前後140mmを好むライダーが多いそうです。
私はこのバイクで長距離走行もする予定なのでなるべく疲労がたまりにくいセッティングを行います。
友人はリア140mmで使用していたので、私はアダプター(SM-MA-R160)を追加する必要がありました。
車体、使用するキャリパーによって必要なアダプターが異なるので注意。
シフトケーブルも砂まみれです。
STIレバーはブラケットカバーで覆われているとはいえ、定期的な点検が必要ですね。
「レバー操作をしてもギアが変わらなくなった。空打ちする。」ならまずはケーブル切れを疑いましょう。
切れていない場合はSTIレバーが故障している可能性が高いです。
経年車に多い修理です。
今回一番びっくりしたのはヘッドパーツ。
この写真はヘッドチューブ側に収まっていた面です。
分解清掃を試みましたが、ベアリングが摩耗しており手遅れのようです。
奇跡的に昔乗ってたバイクについていたものと規格が一致したので移植。
夜中に作業開始、絶対翌朝に乗りたかったので中止は避けたい。
戻す前にしっかりグリスアップ。
グリスを塗ったほうが水の侵入は防げますが、砂がこびり付く原因になるので塗り過ぎはよくないかもしれません。
走る環境に合わせて量を調節しましょう。
錆びたネジを交換してリフレッシュ。
ネームプレートは気づいたらなくなっていたそう。
小さいネジ1本でとまっているので無理もないです。
価格は¥328
上野アサゾー店ならだいたいあります。
チェーン伸び、スプロケット歯は丸まっていたので交換。
加減速を繰り返す競技なので消耗は早いです。
リム打ちパンクで退場の多いシクロクロスではチューブレスかチューブラーが推奨されています。
予算があまりないのでPANARACERのCG CX TLCをチョイス。
シーラントはイギリスで一番売れてるMUC-OFFにしました。
MTBに使うノーマル版ではなく、細いタイヤ向けに最適化されたモデルです。
私のおすすめリムテープはPANARACERとSTANS
強度が高くて安いです。
バルブまでPANARACERにしましたよ。
CG CXは少し不思議なパターンです。
数回乗りましたが非常に調子がいいですね。
精度が高いので施工も楽でした。
愛車をながくのるためには数年に一度大掃除が必要不可欠。
ですが、オーバーホールを行うには時間と労力、そしてスペースが必要です。
ワイズロードメカニックは日頃からたくさんのお客様からオーバーホール相談をいただいており、ノウハウ量は計り知れません。
是非みなさんも一度はお店でオーバーホールを受けてみてください。