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【BIKE REVIEW】真っすぐ走れるレースバイク SuperX 2
by: ヤマザキ

 はじめに

日頃よりワイズロード上野本館をご愛顧いただきありがとうございます。
先月弊社は、より多くのバイク情報をお客様に共有することを目的に、スタッフ試乗会を開催しました。
翌日お客様向けに開催された「スポーツバイクデモ2025 in 東京」も大盛況でして、ここ3年間で1番来場者数が多かったそうです。
私が運営補助をしていたMTB試乗コースはなんと120名の方が遊んでくれました。
ありがとうございます。
出店いただいたメーカー様、関係者の皆様もありがとうございます。
私は主にグラベルバイク、エンデュランスバイク中心に乗って来ましたので、その中で印象が強かった車体を紹介します。

SuperX 2

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SuperX 2はアメリカの大手スポーツバイクメーカーCANNONDALEが開発したグラベルレース向けのバイクです。
グラベルレース向けバイクとは一体どんな特徴があるのでしょうか。
日本公式サイトのキャッチコピーはこう記されています。

グラベルレースを圧倒的な強さで勝ち抜くために作られた1台。タフで険しいグラベルでも最高のパフォーマンスを発揮します。肘を張り、頭を下げて漕ぎ出したら、振り向く暇はありません。SuperXはただ一つの目標、「勝利」の二文字だけを見据えています。
 
試乗して確かめてみました。

試乗

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試乗して思ったのは「SuperXは直進安定性が非常に高い」ということです。
シッティング、ダンシング、少し雑にペダルを踏みつけても真っすぐに進みます。
まるでスタビライザーでもついてるような乗り味にとても驚きました。
ライダーはペダルを踏むことに集中できます。
主にフレームの剛性バランスやジオメトリが大きく作用しています。

OutFront Geometry

SuperXは一般的なレースバイクよりヘッドチューブが寝ており、フォークオフセット量が多いです。
これにより安定性が向上します。
走行中フロントタイヤが視界に入るので安心感が増えるのもgood。

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40Cのボリューミータイヤ、Reserveの40/44mmハイトカーボンホイールも安定性に貢献しています。

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フロントのタイヤクリアランスは最大51mm

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リアのタイヤクリアランスは48mmです。
数年前のカーボングラベルバイクでは考えられない広さ。
今年ヨーロッパでグラベルレースに参加されたお客様から聞いた話ですが、フロントは50Cが定番だそうです。
40C以下だと手が痛くて走れなくなるそうです。
ボリュームが増えたことによるデメリット(路面抵抗)はあまり感じなかったので、ある程度は太い方がいいですね。
会場内に設置されたMTB向けのコブに突っ込んでみましたが、突き上げられることなくスイスイ前に進みます。
コースではない自然地形もそれなりに攻め込めるポテンシャルがあります。
もちろんバイクを振って遊びたいならTopstoneがおすすめ。
何度も強調しますが、SuperXは真っすぐ走ることに特化したバイクです。

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ドライブトレインはフロントダブル仕様のGRX Di2 825

Close-up of a bicycle's crankset featuring a GRX component, chain, and part of the frame.

プログラベルレースの速度は時に50km/を超えることがあります。
ロードレースとほぼ変わらないスピードで走るため、きっとフロントシングルでは対応しきれないのでしょう。
フロントダブルが定番になっています。

Close-up of a bicycle's rear derailleur and cassette, showcasing a sleek design and chain.

正確な変速を約束するDi2でレース中のストレスを最小限に抑えてくれます。

Top view of a bicycle handlebar with black grips and a sleek white frame.

ハンドル幅とステム長はロードバイク寄りなチョイスになっているのも特徴。
アドベンチャー系グラベルだと、幅広のハンドル、短ステムであることが多いですが、
本機は51サイズでハンドル400mm、ステム90mmです。
ちなみにフレア形状でもありませんので、脇を締めて空気抵抗を減らすことができます。
ロードバイクに慣れている方にとって好都合でしょう。

速度が変わってもフィーリングがあまり変わらない

もう一つ印象に残ったことは立ち上がり~高速巡行まで走行感がぜんぜん変わらない点です。

『あれ、もう30km/hぐらい出てるのでは?』
『え、前走者に追いついてるけど、ペダル踏んでる感がない…』
『加速した感がない…』

おもしろみに欠ける反面、省エネなのでしょう。
レーシングバイクは雑にペダルを踏み続けると降車時に、とても強い脱力が起こることが多いですが、本機では感じませんでした。
200km越えのレースはざらですから、少しでも疲れないバイクが良いですね。

どんなユーザー向け?

こちらのバイクは目的が明確に定まったライダーになら、競技年数に関係なくおすすめできます。
最初にご紹介したキャッチコピーの通り、勝利のために作られたバイク。
勝利を目指すのは決してプロアスリートだけではなく、社会人ホビーレースライダーも同じです。
乗ってしまったら力尽きるまで止まれないかもしれません。

紹介したバイク

ブランド:CANNONDALE(キャノンデール)
年式:2025
モデル:SuperX 2
カラー:Cashmere(カシミア)

アフターサポートパック(盗難補償)、自転車サービスパック(ロードサービス&自転車保険プレゼント)

 修理に関するお知らせ

住所:東京都台東区上野3-16-3 鈴木ビル1F&2F
電話番号:03-3836-6168

営業時間:月~金/12:00~20:00
土日祝/11:00~19:00