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【メンテナンス】ブレーキローターの摩耗は0.2~0.3mmまで!?!?実はあなたのローターも用交換のタイミングかも!?【ディスクブレーキ】
by: 松野

横浜ワールドポーターズ店松野です。

なんか最近メンテナンスネタが多めですが、今回もディスクブレーキのメンテに関する記事です。

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ブレーキローターの摩耗

ディスクブレーキの消耗品!と言えば真っ先に思い浮かぶのはブレーキパッドですよね。ブレーキキャリパーの中に納まっていますし、偏摩耗する事もあるので消耗の度合いが分かりにくい事があります。過去に書いた記事はこちら。

 

しかし!パッドよりも摩耗のスピードが遅い(交換頻度が低い)のですが、ローターだってもちろん摩耗していくんです。

 

 

 

じゃあどういう具合に摩耗するんだ…?と、いう訳でブレーキローターを三枚用意しました。

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一枚目(SM-RT70)はほぼ新品で馴染みすら出ていません。

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二枚目(RT-MT900)はしっかり使われた感じです。ディスクブレーキが着いた自転車であれば9割ぐらい見た目がこんな感じになっているはずです。

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三枚目(SM-RT800)はかなり使い込まれて表面が荒れています。穴の縁にバリも出ているしなんだか様子が少しおかしい気がしますね…。

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見た目が異なるこの3枚のローターを実際にどうやって比較していくかですが、当然ですが摩耗するとローターは薄くなります。という事は厚みを計測すれば摩耗の度合いが分かりそうですよね…?

具体的な数値としましては、SHIMANOの新品のローターの厚みは1.8mmですがメーカーの定める摩耗の限度は1.5mmです。つまりたったの0.3mm摩耗しただけで交換の時期だという訳です。

もちろんローターの厚みはメーカー/モデルに寄って異なり、SRAMの1.85mmローターは1.55mmまでで、2.0mm厚のHS2ローターは1.85mmまで。
MAGURAの2.0mm厚ローターは1.8mmまでとなっています。

 

 

実際に測ってみた 

うんちくはさておき実際にさっきの三枚のローターの厚みを計測してみました!

一枚目のローターは実測で1.725~1.75mmと言ったところでしょうか?何を言っているのかわからない方はノギスのバーニヤ目盛りの読み方を検索してみるといいかもしれません。
プレス加工なので場所によって誤差がありますし、ノギスの計測誤差も含まれているので今回は1.8mmよりもわずかに薄く計測されました。

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次に二枚目のRT-MT900も同じように測ってみると1.65mmです。ほんのちょっと減っていますが、交換の目安である1.5mmまではあと0.15mm残っていますのでまだ行けそうですね。

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見た目からして明らかにヤバそうだった三枚目のSM-RT800は1.75mm。あ…あれ…?見た目に反して新品とほぼ変わらないですね…。

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ノギスで計測したのですが、ほぼ新品である一枚目はともかくとして残りの二枚も摩耗の限度である1.5mmを下回っていないのでまだまだ使えそうですね!!

 

 

 

ノギスでは測れません!!!!

いきなりですが次はネタバラし編です!!!
上のノギス計測の写真は、わざとヒントが映るように写真を撮ったのですが、実はローターの摩耗の度合いはノギスで正確に計測することはほぼ出来ないのです!

 

 

 

どのローターもこんな風にノギスで挟んだのですが…

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よく見るとノギスの先端が、パッドが当たらず摩耗していない部分(SHIMANOのロゴがあるところ)を挟んでしまっています。こんな測り方をしたら新品とほぼ同じ数値で表示されてしまいますね。

 

 

じゃあもっと浅く挟めば摩耗している所の厚みだけが測れるじゃん!と思うかもしれませんが…

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ブレーキローターは制動面の中央が凹むように摩耗します。よーく見るとノギスの先端部分が浮いてしまっていまっていて、これではあまり摩耗していない外周部分の厚みを計測してしまっていますね。

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じゃあ最も摩耗して薄くなった部分を計測するにはどうすればいいのかと言うと…

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マイクロメーターを使います!名前の通りμm単位まで測れる精密な計測器具です。

 

 

試しに鏡面加工された計測部分にペーパーウエスの糸くずを乗っけて挟んでみると…

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0.01mmと計測されました。肉眼でも見えにくい糸くずの厚みすらも計測可能な精密な計測器具なんです!(画像クリック/タップで拡大できます。)

 

 

 

実際にはブレーキローターの厚みを測る時はここまで精密である必要はないのですが、ノギスとは形状が異なるため摩耗が大きい中央部を挟んで計測することが出来ます。

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中央を挟めるとはいえ、今回使ったマイクロメーターの測定部分は直径6.5mmの円柱形状です。ちょっと太いので本当に最も薄い部分は実は計測できていません。

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 よく見ると測定部分の中央が浮いてしまっていますね。なので本来の最も薄くなっている部分は計測よりも更に薄いはずです。

 

 

 

マイクロメーターで測ってみた

ではマイクロメーターを使ってさっきのローターを計測してみましょう。

 

ほぼ新品の一枚目は1.74mmでした。ノギス計測とほぼ同じですね。

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読み方がわかりにくいのですが、0.5mm単位の”スリーブ”の目盛り(横)に0.01mm単位の”シンブル”の目盛り(縦)を足した数値を読みます。上の数値はスリーブ 1.5+シンブル 0.24=1.74mmとなります。

 

 

二枚目のしっかり使われたローターはスリーブ1.5でシンブルが0.04と0.05のちょうど間なので1.545mmです。そろそろ交換のタイミングですね!

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三枚目の荒れたローターは1.0+0.13なので…なんと1.13mm!?!?!?限界を超えていて危険なレベルです!

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見た目がちょっと変なのも理由がありまして、SHIMANOのICE-TECHローターは鉄とアルミのサンドイッチ構造です。ここまで摩耗すると真ん中のアルミの層が表面に出てきてしまい荒れたように見えていたわけですね…。

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目視でも明らかに薄いのが分かります。気が付かずに使用しているとどんどん薄くなっていき最後はローターが破損します。破損した際にキャリパーに引っかかってタイヤがロックされて大転倒…なんて事にもなりかねません。即交換です。

 

 

 

さっきも書きましたが、限度の厚みは1.5mmなので0.3mm摩耗したら交換という訳です。じゃあその0.3mmがどれぐらいなのかと言うと…

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コピー用紙を二回折った厚み(=4枚分)が0.35mmでした。紙4枚分の厚みでもう交換のタイミングを迎えてしまうんです。

 

 

簡易チェックもできます!

そこまで精度が必要ではないので、数千円程度で売られているマイクロメーターを買ってしまうというのも一つの手ですが、簡単にチェックする方法もあります。

 

 

一番簡単なのは摩耗によるローターの段差を確認する方法です。爪でも良いのですが、皮脂を付けたくないので竹串や爪楊枝を使うと良いです。

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内周側の摩耗跡の境目を行ったり来たり、カリカリと触ってみてください。摩耗が進んでくると明らかな段差を感じるはずです。あと、ローターは内側と外側で均等に摩耗するわけではないので反対面も同じようにチェックしてください。

 

 

あとは定規を使ってもチェックできます。今回はスマホのカメラでもわかりやすいように反対側から光を当てて撮っています。

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中央部が凹むように摩耗するので光が漏れています。

 

 

新品はほどんど隙間が無いですね。

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危険なぐらい摩耗したローターは光が漏れるどころの状態ではありません……。

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この方法では具体的な厚みは測れませんが、さっき書いた通り紙4枚分の摩耗で交換のタイミングを迎えます。簡易チェックで摩耗による段差が見られたらぜひご相談ください!!

 

 


 

 

意外と見落としがちなブレーキローターの摩耗。実はあなたのローターも交換のタイミングかも……!?
パッド交換のタイミングで一緒に確認してみるのがオススメです!!

 

 

 

 


 

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