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【スタッフインプレ】超軽量へ進化した新型ADDICT RC乗ってみた&細かく解説!?【SCOTT】
by: 松野

横浜ワールドポーターズ店松野です。

 

最近のロードバイクは空力性能や振動吸収性(≒トラクション)などを高め、軽さを犠牲にしてでも総合的な速さを求めたモデルが増えています。各社こぞって軽さを競っていた時代が懐かしく感じてしまうのですが、ここにきてあえて軽さに振ったニューモデルを試乗して来ました!

 

SCOTT ADDICT RC 30

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販売価格:¥880,000(税込)
サイズ:XS (サドル高681mm)

 

試乗車体スペック

スペシャルなハイエンドモデルであるHMX-SLカーボンを使用したモデルと、他社のハイエンドと同等レベルのHMXカーボンを使用した2モデルの展開になっています。
今回試乗したのはHMXカーボンを採用したグレードなのですが、十分軽量でフレーム単体重量はなんと690g…!
お客様のご注文品で既にHMXのMサイズが店頭にあるのですが、RDハンガーや一部パーツを付けた状態で実測710gでした。
HMX-SLではフォークも合わせると75g軽量になり、軽すぎてしまうのでQ36.5チームではこのHMXグレードを使用している選手がほとんどのようです。

 

 

ホイールはセカンドグレードなSyncros Capital 1.0 X40でタイヤはSchwalbe ONE TLE(チューブ入り)。耐久性重視なチューブレスタイヤに更にチューブが入っているので外周部ははっきり言ってしまうとかなり重たい仕様です。
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コンポーネントも電動105なので完成車の公称重量は7.7kgです。実測したわけではありませんのであくまで推測ですが、ペダルを付けた状態で8kg程度のはず。

 

 

乗ってみた

実際の写真をあまり撮っていなかったので店頭在庫のADDICT RC 10の写真がメインになっています。

“30”は完成車ラインナップの中でも最もコストを抑えたモデルなので上記の通りまだまだ軽量化の余地が沢山残されています。とくにタイヤとホイールが少し重たいので正直な所あまり期待はしていませんでした。

 

 

そんな先入観とは裏腹に、走り出した瞬間とても良く進むのでびっくりしました。
比較対象である松野が買ったSuperSix EVOもスタートからめちゃくちゃ良く進むバイクなのですが、そこから外周部が数100gは重たいはずですがかなり気持ちの良い加速感!

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以前のモデルは全体的にボリューミーなのでガチガチに硬い印象があったのですが、今回のADDICTはコラムが細くなりヘッド~トップチューブ周りもかなりスマートになりました。そのおかげなのかある程度のしなやかさを感じられました。

 

 

一方でダウンチューブからBBまではボリュームがあるので踏み込むとしっかりと硬さを感じますが、トップグレードのレーシングバイクでありがちな脚力が足りなくて跳ね返ってくるような嫌な硬さではありませんでした。松野みたいに硬すぎるフレームが苦手な人にも合いそうです。
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テールライトを内蔵できるシートポストはしなりが大きい上にワイドタイヤなので振動吸収性は言わずもがな。フレーム全体というよりはタイヤとシートポストでほとんど吸収しているようなイメージでした。
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バイクの上部に位置するトップチューブやシートポストがかなり軽くなった影響もあるかもしれませんが、ダンシングの振りはかなり軽快です。ちょっとした登りでも足回りの重さが気にならなかったので、軽量なホイールやタイヤに交換するのが楽しみなバイクです。

 

 

ハンドルやシート周りのボルトがほとんどすべてT25のトルクスで統一されており、バーエンドに工具がセット可能です。
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ポジションに拘る方でも信号待ちなどでサドル高や角度などを微調整出来るので良いですね。組み立てやメンテナンスの際にも工具を持ち替えることが少なくなるので◎です。

 

 

ジオメトリー

今回乗車したのがXSサイズなので、旧モデルのXSサイズと比べます。 

リーチ&スタックやシート角などは旧モデルとほぼ同じに収まっていますが、大きく異なるのがBBドロップです。
理由はおそらくタイヤサイズです。旧モデルはタイヤクリアランスが最大30mm幅でしたが今回は34mmへと拡大されました。

 

 

当然タイヤが太くなると外径も大きくなります。実際には空気圧やリム幅でも変わるのであくまで参考程度にはなりますが実測してみました!
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旧モデルはリム内幅22mm、タイヤ幅実測30mmで地面からスルーアクスル中心までおよそ342mm

 

 

ニューモデルはリム内幅25mmでタイヤは実測33.5mmで344mmとなり、半径にして2mmタイヤが大きくなっています。
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そのままでは全体の重心が高くなるためBBドロップはXSサイズで70mm⇒74mmになり4mm下がりました。
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更にタイヤ外径が大きくなると同じヘッド角でもトレイル値が減りハンドリングが安定方向になります。
ヘッド角が71°⇒71.8°へと変更されています。ヘッド角はサイズによっても異なりますが、他のサイズでもコンマ数°立たせられています。
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旧モデルではフォークのオフセットの情報がありませんでしたが、今回のモデルはフォークに記載があります。
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XSとSサイズでは47mm、Mサイズでは44mmとなっています。

 

 

1-1/16インチコラム…?

当然ながら内装式なヘッド周り。旧ADDICTでは一般的な1-1/8インチよりも大きな1-1/4インチを採用することで剛性を高めていましたが、今回は1-1/16インチへと変更されました。

 

 

先にモデルチェンジしていたFOILは1インチの小径コラムによりヘッドチューブやベアリングを薄く、小さくすることで前面投影面積を少なくして空力性能を追求していました。
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普通に考えたらADDICTも1インチコラムにして補修部品を共用した方がコストもかからないのですが、ADDICTではわずかに太いコラムを採用しています。どうしてあえて1-1/16インチを採用したのでしょうか…?
FOILの1インチコラムと通常の1-1/8インチのコラムの切れ端をADDICT RCのコラムに並べてみました。
コラム
FOILとADDICTのコラムを良く見比べると肉厚が少し違いますね。実測したところFOILは4mmですがADDICTは3.5mmでした。

1インチでは強度を確保するために肉厚にしなければならないので重たくなってしまいます。かといって通常の1-1/8インチでは前面投影面積がかさんでしまうので、間を取った1-1/16になったそうです。

インチ表記は分数が多様されるのでかなり分かりにくいのですが、1インチと1-1/8インチの平均を取ると1-1/16インチなんです。

 

 

しかし非常に分かりにくいことにこの「1-1/16インチ」は実寸ではなく”呼び”サイズ。
1-1/16インチ=1.0625×25.4=26.9875mmなはずなのですが…

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実際のコラムのサイズはシートポストで使われる27.2mm径になっています。
27.2mmというのはJIS規格で定められる配管のパイプのサイズらしいのですが、もしかしたら近似値である1-1/16インチで呼んでいるかもしれませんね…。

 

 

気になったのでFOILと比べてみたのですが上下ともベアリングのサイズは同じでした。スペーサーやカバー類の刻印のフォントやシールの形状からしておそらくAcros製のようです。
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ハンドル周りの互換性

今回のADDICTでは専用の一体ハンドルの他に通常のハンドル/ステムも用意されています。
当然ながらコラムが特殊サイズなので汎用のステムは取り付けできません。
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ハンドルには斜め下にホースを通すための穴が開いており、一度外に出てからステム下のカバーを通りヘッドパーツからフレームの中へ。ステム内部を通るフル内装ではないのでポジションの変更も簡単ですし、汎用のハンドルで組付けすることも物理的には出来てしまいそうな形状ですね。(メーカーが推奨するかどうかは別ですが)

 


 

 

超軽量で走りの良い新型ADDICT RC!
店頭在庫も有りますのでご相談ください!!


 

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