2016/12/28 14:04
【パワートレーニング】速く、楽に!貧脚こそ効果大!【④パワートレーニングのメリット】
by: 永平 宏行
このブログは、
中年のブランクライダーが、パワートレーニングを通して、
脚力を回復した喜びを、大した脚力でも無いのに
恥を忍んであえて綴り、パワートレーニングの素晴らしさを
他の多くのライダーにも広めようというお節介なブログです。
第1回「エビデンス」
第2回「動機」
第3回「やったこと」
第4回「パワートレーニングのメリット」
第5回「どんなパワーメーターがある?」
第6回「パワーは青天井?」
第7回「お役立ち情報」
第4回目の今回のテーマは、
「パワートレーニングのメリット」
について。
普通のHow Toものだと、たぶんこれが最初に来ますが…
結論(どれだけ効果があったか、どれだけ感動的かヽ(^◇^*)/)
から書きたかったので、
あえて真ん中に持ってきています。
初めに、主なメリットを箇条書きしてみましょう。
【 パワートレーニングのメリット】
1.トレーニングの指標と成果が数値化される
2.効率的なトレーニング、あるいはペーシングができる
3.能力の相対評価が可能
4.モチベーションが上がる
次に、それぞれのメリットについて、詳しく見てみましょう。
1.トレーニングの指標と成果が数値化される
⇒目的に合ったトレーニング強度の指標を数値で割り出せる
例えば、長距離のヒルクライムの能力を高めるには、
どのパワーゾーンで、どの程度運動すべきか?
という指標(メニュー)が数値で分かります。
⇒トレーニングの成果も、数値で客観的に把握できる
○ヶ月で、FTPが○○ワット上がった、
パワーウェイトレシオが○ワット改善した、など。
これが、メリット4.に繋がる訳ですね。
2.効率的なトレーニング、あるいはペーシングができる
以下は全て第3回で紹介した7つのパワーゾーンに当てはめて行います。
⇒「特化したトレーニングを最小限の量行うべき」※
という、トレーニングのあるべき姿を、愚直に実践できる
※ジョー・フリール著「サイクリスト・トレーニング・バイブル」より引用
トレーニング指標も、成果も、主観ではなく、数値で客観的に把握できるから、
トレーニングの無駄、あるいは不足を避けることができる。
忙しい社会人・家庭人にはありがたいメリットです。
距離をひたすら乗れば、速くなれるのか?
強度の高い練習を繰り返せば、それでいいのか?
これらの問いに、科学的に答えを出せます。
⇒燃費をコントロールできる
トレーニングにおけるパワーメーターは、効率よく苦しむための機材ですが、
レース本番やツーリングにおいては、燃費の良い走りで効率よく、
勝負所まで力を溜めたり、プランニングしたコースを走りきるための
頼もしいペースメーカーに早変わりします。
「このワットを維持すれば、次の峠でアタックを仕掛けられる」
「このワットを維持すれば、バイクの次のランを良いペースで走り切れる」
「このワットを維持すれば、バテることなく○時間走り続けられる」
などなど。
主観では分からない、「無理をしない」そして「下げすぎない」
ちょうどいい頃合いをキープできます。
3.能力の相対評価が可能
⇒「パワーウェイトレシオ」と「パワープロフィール」で
自分の能力が明らかになる
体重当たりの出力の指標である「パワーウェイトレシオ」と、
特定の運動時間(5秒、1分、5分、20分など)あたりの
最大平均パワー(MMP)を並べた「パワープロフィール」で、
ライダーの「運動能力」と「どんなアスリートのタイプか」が分かる。
「パワーウェイトレシオ」
例えば、パワーの絶対値は同じでも、
体重が軽ければパワーウェイトレシオは高くなる。
体重80kg・FTP240wのライダーと、
体重60kg・FTP240Wのライダーのパワーウェイトレシオは、
それぞれ3w/kgと、4w/kgとなり、
体重60kgのライダーの方が、パワーウェイトレシオは高い。
(特に体重が大きな抵抗となる登りでは60kgのライダーの方が圧倒的に速い!)
※パワーウェイトレシオは、一般的に特に断りが無ければ、FTP÷体重を指すが、
以下のパワープロフィールのように、単位時間毎のパワーウェイトレシオというものもある。
そして、このパワーウェイトレシオを基にして、
ホビーレーサー(プロではない)の、
「剛脚ピラミッド」
画像引用元:つよポタミアさんのブログより
なるものも世に流布しているので、ご紹介しておきます。
→つよポタミアさんのブログ記事へ。
16年7月の時点で「低脚」だった中の人、
シーズンベストのパワーウェイトレシオ(16年11月)
では「良脚」まで、回復・向上しました。
すべて、パワートレーニングのお陰です<(_ _*)>
「パワープロフィール」
5秒、1分、5分、20分、60分の平均パワーの最大値(MMP)を調べ、
パワープロフィール一覧表(後で紹介するコーガン博士らが作ったもの)
男性用・女性用⇒じてトレさんのサイトでエクセルをダウンロード
に当てはめることで、
自身の脚質(長所・短所)を知ることが出来る。
↓自分、神経筋域(5秒)、無酸素域(1分)がめっちゃ弱い www
これは「右肩上がりのTTスペシャリスト」と言えなくもないですが、
そうじゃなくてトレーニング強度にムラがあって能力未開発な領域があるだけです…
オールラウンダーか?スプリンターか?TTスペシャリストか?
はたまた、能力未開発でまだ分類できないか?などが分かるので、
どこに重点を置いてトレーニングすべきか?
レース戦略で活かすべき長所はどこか?
といったことが分かります。
遺伝的に有酸素運動の能力が伸びない家系の人が、
頑張ってヒルクライマーになろうとしても限界があります。
逆にスプリントの能力は高く伸ばせるかもしれません。
そうしたことも、パワープロフィールから「推測」することが出来ます。
パワープロフィールを使えば、長所を活かして、
戦略的に自分の土俵で勝負することが出来るでしょう。
ちなみにパイオニアのペダリングモニターユーザーの為の
解析サイト「シクロスフィア」のスマホ版では、
ユーザー内の年代別パワープロフィールの
ランキングを表示させる事ができます。
※コーガン博士らのパワープロフィールが世界共通の物差しであるのに対し、
シクロスフィアのランキングは、ユーザー内のランキングである点に注意
※より上位の脚質分類として、疲労プロフィールがありますが、ここでは割愛します。
4.モチベーションが上がる
⇒効率的なので、短期間で成果が数字で目に見える形で現れる
必要最低限の努力で、最大限の成果が得られて、
その成果が数字で目に見えるので、
トレーニングへのモチベーションが高まり、
次のトレーニングへの好循環が生まれる。
ただし、ハマりすぎてオーバートレーニングになったり、
パワー値の分析に夢中で、寝不足になったりしないように注意!
(パワトレあるあるですね)
いかがでしょうか?
パワトレには、主なものだけで、これだけのメリットがあります。
他にも、
・入力の強弱に対するレスポンスが速いので、ハートレートトレーニングよりも、
狙った強度でしっかり追い込める
(休めない…心拍指標だと結構知らない内に休んでますので (゚ロ゚;))
・カロリー収支を管理できる
・疲労度と、体力の充実度、好調さを管理(ピーキング)できる
・離れた所にいても、コーチングが受けられる
などのメリットがあります。
さて、そうは言っても
「パワトレ初心者は何を参考にしたらいいの?」
という疑問もわくでしょう。
そこで、私の愛読書をご紹介します。
パワトレやるなら、この2冊がおすすめです。
1.ロードバイク パワートレーニングの教科書
トレーナーの須田晋太郎さんの著書。
パワトレ入門者にぴったりの一冊。
論理的な内容を平易な言葉で、分かりやすくまとめています。
パワトレを「大掴み」するのに最適。
半面、詳細な内容はあえて省かれているようなので、
突っ込んだ内容を知りたい方には、次の本を。
2.パワートレーニングバイブル
運動生理学者のアンドリュー・コーガン博士と、
元プロ選手の自転車コーチ、ハンター・アレン氏の共著。
最初にして、最高のパワートレーニングのマニュアル本。
これ一冊とパワーメーターがあれば、パワートレーニングの深みまで到達できます。
唯一の難点は、元々の文体・構成なのか、訳書だからか、
少し学術的で難解なところ。
それでも、普通の日本語なので、ちゃんと読めますからご安心を。
ハードやソフトの説明は少し古いところもありますが、それは些細なこと。
パワートレーニングにおける、唯一無二の「バイブル」です。
さあ、次はあなたがパワートレーニングのメリットを享受する番です!
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