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2017/11/01 19:24
【NEW Model インプレッション】CIPOLLINI RB1K “THE ONE”
by: 奥平 総帆
2011年にブランド立ち上げと同時に発表されたRB1K。
スーパースター、マリオ=チポッリーニが自身の経験とイタリアの工業力を組み合わせて登場させたのがRB1K(発表当時はRB1000)。
コンセプトはパワー伝達性の良さ。そしてレースに代表される高速での長距離走行とゴールをつかみ取るための剛性がこのバイクの特徴です。
そのイタリアンレーシングバイクのRB1Kが7年の時を経てフルモデルチェンジとなりました。
マリオ=チポッリーニがインタビューの中でも答えていますが、すでにコンセプトとして完成していたRB1Kをさらに進化させるのは困難だったようです。それを現在の技術で再進化させたバイクは、ただでさえそのユニークなコンセプトはライダーの評価が真っ二つに分かれます。ちょっとした試乗では魅力を引き出すことが出来ないかもしれませんが、魅力の片鱗だけでもお伝えできればと思います。
開発者のマリオ=チポッリーニは50歳にもなる現在もその現役時代を彷彿させる強靭な肉体を維持しつつ、バイク開発を行っています。また、CIPOLLINIバイクのコンセプトでもある「パワー伝達性の良さ」と極太なカーボンモノコックフレームの外観から単純に「硬い」と評価されがちです。はたして20%剛性アップ、120gの軽量化はどの様な乗り味になっているでしょうか?
前モデルと新型RB1K “THE ONE”の各所を比べてみるとその「パワー伝達性の良さ」を強化したように全体的に太さを増したように見えまが、前モデルのテイストをうまく残しつつ美しい造形ラインによりほかにはない存在感に見とれてしまいます。まさに機能美とはこのことだと思います。
フロントフォーク
逆ベントフォークによりってハンドリングは
他モデルのストレートフォークよりもダイレクト
ヘッドチューブ
異径ヘッドチューブはダンシングしてもよれることはなく、
安心してコーナーや下りを攻められます。
ダウンチューブ
RB1Kらしさを残した前タイヤのアールに沿った形状
BBのよじれを受け止めます。
シートポスト
カーボン製翌断面形状のシートポスト方式になり、
サドルの上下が簡単に出来るようになりました。
シートステー
ダウンチューブと同じく前モデルと同じく、中央にフィンのついたシートステー
実車試乗
ひと漕ぎ目。思わず「軽!」と声が出てしまいました。
試乗車の車体重量は実測7.6kg。軽い車体ではありませんが、ペダルをひと踏みしたその力が確実に推進力に変わるためか、ペダリングが非常に軽く感じます。
巡航
早く走るトレーニングをしているわけではないので、通常40km/hを維持することはいつもかなり苦労します。
しかし、この車体では、まるで自分の能力が上がったかのような感覚で気持ちよくスピードを出すことが出来ました。平均速度も通常の速度より高く計測されました。
秀逸なのが自分の出せる最高速に近い速度で走っている所からさらに加速が出来るところが前モデル以上に感じられました。地面からの振動は感じるのにまるで氷の上を滑っているかのようにスルスルとスピードが上がる感覚は新鮮でした。
振動吸収はお世辞にも高いとは言えませんが、振動が「体」にくるというよりは、「手」に来る感覚が強くありました。これはハンドルの素材やバーテープやグローブで工夫することで軽減できると感じます。
フレームの硬さは感じますが、この加速性能やパワー伝達のために必要な硬さで自分としては不快な感じではありませんでした。
コーナリング
直進安定性が高く速度を上げても安定感抜群ですが、カーブに合わせて車体を傾ければ速度をあまり落とすことなくきれいにコーナーを曲がっていきます。
そこまで速度を上げたコーナリングが出来たわけではありませんが、フォークがよれて怖い思いは全くしませんでした。
登り
ダンシングしてもシッティングで回転数を上げてもパワー伝達の良さにより良く進みます。
下り
短い下りですがスピードが平地以上に出ても車体の安定感が高いため怖くなく、さらにペダリングして加速できます。
総合評価
CIPOLLINIバイクのフラッグシップバイクであり、マリオ=チポッリーニが理想とするロードレーシングバイクとしてのコンセプトであるパワー伝達性の良さ、そして高速走行性能を全モデルの中でも一番突き詰めたモデルであるということが確認できました。
これでCIPOLLINIバイクのラインナップが揃いましたがそれぞれの特徴を一言で表すと、
RB1K スプリントレーシング
NK1K エアロレーシング
MCM サイズオーダーオールラウンドレーシング
BOND オールラウンドレーシング
といった感じで、ロードバイクに何を求めるかで車体を選べるようになっています。
今期から新しく加わったOttanioと言うカラーリング。
今まで見たことのない青いフレームカラーも独特でその特別感を際立たせています。
以下の日程で試乗車をワイスロード各店にお送りします。
ぜひご自身で体験してみてください。