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RIDLEY GRIFNに乗ってみた。このバイクはいったい何者なのか?
by: 間野 友輔

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先月のスタッフ試乗会で、これは乗っておかなくてはいけないと思ったバイクが、今回紹介する RIDLEYのGRIFNです。
実は府中多摩川店に入荷してきた時から、ずっと悩んでいたのです。このバイク、何者なのだろうかと。

 

RIDLEY 2025 GRIFIN

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カラー:ダークプラム
店頭在庫サイズ:S(推奨身長178cm前後)
(試乗車サイズ:XS、サドル高700mm)
メーカー希望小売価格¥462,000(税込)

カラーはほかに……

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カラー:バトルシップグレー
店頭在庫サイズ:XS(推奨身長170cm前後)
メーカー希望小売価格¥462,000(税込)

バトルシップグレー?軍艦の色か?

 

スペックから見る考察……

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コンポーネントはShimano GRX(機械式2×12速)でギア構成はフロント46×30T、リア11-36T。タイヤはVittoria Terreno Dry 700×37Cですが、付いているホイールが内幅19mmなので実測は36mm。なおかつフレームの設計上のクリアランスは最大40mm(=フロントシングルの場合。フロントダブルの場合は38mm)とされています。

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GRIFNをグラベルロードとして見た場合、言い方が悪いですが、いろいろ中途半端な気がします。

グラベルバイク的なパーツ構成のせいで勘違いしそうなんですが、思い返せば2022年に先代のCannondale SYNAPSE CARBONが登場した際、GRX Di2を搭載した『LTD RLE』というモデルがありました。

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いままでにGRXを積んだエンデュランスロードバイクというのがなかったわけではないのです。フロントギアが小さいので高速域は出しづらいものの、レースバイクでなければ無駄に足を削らないで済むので、選択肢としてはあり得るのかなと。

 

ちょっと話が脱線します。

グラベルレースといえば長らく北米が中心であり、その中でも有名なものがUnbound Gravelですが、この大会はUCI(国際自転車連合)の公認大会ではありません。2022年にはじめて、UCIグラベル世界選手権が開催され、現在は『UCIグラベルワールドシリーズ』という大会も整備されつつあります。

ここで起こったこととしては、現役プロロード選手の参戦と、北米スタイルとは異なるレースコースのプロフィールでした。コースはかなり整った未舗装路であり、高速レースコースがメイン。Unboundのように泥が詰まって何キロも押し続けるようなものはありません。グラベルレースに北米的なものと欧州的なものという潮流ができて、まったく違うカテゴリーのレースのようになっています。

 

欧州のグラベル環境を考えると、モンスタークロスはいらない

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私たち日本人にとってのグラベルルートって、割と砕石を敷き詰めているようなコースが多いですし、北米では路面が緩く深い水たまりや泥道もよく出てきますが、道路整備の歴史が長い欧州では未舗装路でも水はけがよく整えられた土道や石畳などが多いように思います。

そういった欧州のグラベル環境を考えると、現在の45~50mmの太いタイヤをつけたモンスタークロス的なバイクは馴染まないのではないかな、と思うに至りました。

そうして出てきた答えが、このバイクなのかなと。
つまり、このバイク。グラベルバイクではない。舗装をメインとしつつ、石畳路面なども意識して作られたロングライドバイクなのでしょう。だからタイヤがロードスリックではなく、ドライな土道や砂コースに適したTerreno Dryなのか。スリックタイヤの分かりやすいロードバイクにしなかったのは、『Tested on Pave』をトレードマークにするRIDLEYらしさかな。

 

まあ、メーカーサイトの説明が簡潔なんですけどね。

『オンロードに焦点を置き舗装路ではロードバイクの走行性能と速さを重視しつつ、未舗装路ではグラベルロードの快適さを組み合わせた、非常に汎用性の高いオールロードバイクとして開発されました。ロードバイクとグラベルロードの両方に対応可能で幅広いサイクリストに最適な一台です。』 https://www.mizutanibike.co.jp/ridleyproducts/detail/66/

ただただ自分がしっかり納得したかったので、考察を重ねてみました。

 

で、肝心のインプレッション

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率直に言うと、特別尖った部分を感じないバイクでした。元も子もないな(笑)
初期加速性はそこまで反応がいいわけではなく、ただ巡航速度になると非常にストレスなくスムーズです。これはエンデュランス系バイクとして設計されているからでしょう。ピーキーな感じがしないので、コーナーリングもくいっと曲がるよりはゆったり旋回半径をとって曲がる方が安心感がありました。なので、今回の試乗コースの180度ターンはあまり好きな感じがしません。

このバイクはやっぱり、グラベル云々を考えずにエンデュランスロードバイクとして見るべきでしょうね。

オススメとしてはホイール周りを交換しましょう。700×35Cくらいのロードスリックタイヤと、せめて内幅21mmのホイールでエアボリュームと安定感、それとホイール全体の軽量化ができると、よりロングライドが楽しめそうです。

ホイールはSHIMANO WH-RS171なんですが、37Cのタイヤを内幅19mmのホイールにつけておくのは正直もったいない。このバイクのアッセンブルでは、ここだけはdisっておきたいな……。まあ価格とか総合的に考えてこのホイールなのは分かるんですけどね。

 

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ボトルケージ台座規格のアイレットはトップチューブ上面とダウンチューブ下部を含めた4か所あるので、ワンデーツーリングでのアクセサリー装備にも十分です。トップチューブバッグにボトル2本、ダウンチューブ下部にはツールケースをつけて100km以上のライドを楽しみに行きましょう。ギア比も4.18から0.83まであるので、平坦巡航からきつい峠越えまでこなせます。

 

結論!

レースしない。ワンデーでロングライダー向け。メインは舗装路だけど、ちょっと舗装を外れることもあるのも好き。こんな方にお勧めしたいです。

府中多摩川店の売り場だと、ただいまは置き場の関係でグラベルコーナーに鎮座しちゃっていますが、グラベルバイクというよりはオールロードバイクであり、エンデュランスロードバイクです。ま、軽くグラベルもできるけど、といった感じなのは今どきのエンデュランスロードバイク全般に言えることなので、タイヤやコンポのイメージに引きずられずに、長距離を疲労少な目で行きたい方はぜひご検討ください。

 

18th December 2025
ワイズロード府中多摩川 まのゆうすけ

 

 

 

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