【お客様の一台】昔のワイズロードは尖ってた。名車を現代仕様にアップデートして乗り続ける。
by: 木立春之介

1 ワイズロードも尖ったバイクを世に送り出していた。

ワイズロードも尖ったバイクを世に送り出していた。

こんにちは。修理担当です。
スポーツバイクの専門店で修理をやってますと実に様々な自転車に触れる機会をいただきます。剛性バリバリ、電子パーツ増し増しの気合の入ったロードバイクをお預かりする日もあれば、20年以上前の名車を蘇らせる機会をいただくことまで実に様々です。
さて、今回当店でお預かりしたバイクも、ちょっと私の琴線に触れる一台でしたのでご紹介をさせてください。まずは掲載にご協力いただいたオーナー様に感謝致します。

ANTARES 202

弊社プライベートブランドのANTARES。
最近ではグローブ等を展開しているので何となく目にしたことがあるという方もいらっしゃるかとは思いますが、少し前まではこのANTARESというブランドで完成車も出していました。クロモリ、アルミ、カーボンと実に多くのラインナップで展開していたアンタレスですが、その中でも一際異彩を放っていたと私が勝手に思っているのがこの202というモデル。察しの良いマニアな方であればフレームが放つ独特な輝き方で分かった方もいらっしゃるかと思いますが、この202はチタンフレームを採用しております。チタンフレームについて説明をしていると大変長くなってしまいますので、支店のブログのリンクを拝借します。このブログの前半部分で熱く語られています。

【本気インプレ】みんなの永遠の憧れ’’チタンフレーム’’を本気でインプレッション！【MONORAL BIKES AE】 | サイクルウェアのことならY’s Road 新宿ウェア館

しかし驚いたのが、加工が難しくフレームを生産できるところが限られているチタン製フレームを、まさかのワイズロードがプライベートブランドとして展開していたわけです。これを商品化することにゴーサインを出した当時のワイズロードの尖り具合には脱帽です。

今回のご依頼内容

さて、今回ご依頼いただいたカスタム内容はコンポーネントの載せ替え作業。
お持ち込みいただいた際の状態が下の画像で、組み込まれていたコンポがまさかの”7800デュラエース”

最近修理ではめっきり見なくなってきた7800デュラの登場にちょっとテンション上がります。

「シルバークランク愛好家」の皆様の為にサービスショットをお届け。
ちょうどBBがホローテックⅡになった頃だと記憶していますが、クランクの顔がヌルっとしてるのもあって古さはそこまで感じません。

持ち込まれた当初はこの7800デュラをそのまま活かす形でオーバーホールを考えていたのですが、STIが完全に固着してしまっていて延命措置を試みるも復活することが無く。オーナー様とご相談の上、このフレームを長く活かすためにもなるべく新しい型のコンポに載せ替える方向に方針転換することとなりました。個人的にも7800デュラで復活した202の姿を拝みたかった…。

ちなみにSTI以外の部品たちはまだ使えそうでしたので、貴重な7800デュラエース達はフレームから外してお持ち帰りいただきました。STIが手に入らなかったとしてもダブルレバー仕様で復活なんていうのも乙です。
その際のご依頼も大歓迎です。

現代版にアップデートしていく。

コンポーネントをアップデートしていくと決まれば後はその仕様を決めていくだけです。
今回選んだのは”SHIMANO 105 R7000″
7800からR7000になると操作感なんかは大分カチッとした印象を受けるのではないでしょうか。

ということで着手していきましょう。
長年頑張ってきた202をフレームだけの状態にして汚れを落とすところから。組まれた状態だと、どうにも手が入りにくくて掃除しずらいので、こういうタイミングで綺麗にしてあげたいところです。実はこの作業が一番好きだったりします。

そんなこんなで105のインストールが完了。
7800デュラの漢ギア仕様のスプロケットから11-28の最近では標準的なギア構成へと生まれ変わりました。ディレイラーをプーリーケージの長いGSに交換すれば最大34Tまで拡張できるのはR7000を使うメリット。さらに今後のんびり街中仕様にしたくなったら、社外で出ているナローワイドチェーンリングを入れてフロントシングル仕様なんていう妄想も捗ります。

過去の施工例のリンクを貼っておきますのでお時間のある方はどうぞ。

【お客様の一台】フラットバー＆フロントシングルでシンプルなクロモリロードに生まれ変わる。BIANCHI IMOLA | 船橋で自転車をお探しならY’s Road 船橋店