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第4ステージ結果と第5ステージはこんなところ
by: 浦山 忠之

スプリンターたちが輝く舞台

 

第5ステージ以降は本格的な山岳ステージに突入することで、この第4ステージはスプリンターたちが輝くための、今レース最後の舞台といえる。

2つのみの山岳ポイントのみが設定されるが、小さなアップダウンが連続し総獲得標高差は1912mと決して小さくはない。

 

雨模様のスタートとなったが、選手たちの意欲は高く、Matt Brammeier (Dimension Data)、 Jérémy Maison (FDJ)、 Lukas Jaun (Team Roth) 、Nick Van der Lijke (Roompot – Oranje Peloton)の4人がすぐに逃げ出す。

レース序盤はこの4人が3分強のリードを稼いだが、後続のメイン集団と4分以上の差が開くことはありませんでした。

 

Etixx-Quickstepチームが集団をリードしましたが、総合トップであり、「名物」でもあるPeter Sagan擁するTinkoffも協働で集団をリードし、残り50km地点で逃げている4人との差を2分にまで縮めます。

逃げる4人も簡単にあきらめることはなく、残り20kmまでは2分弱程度にしかメイン集団との差は縮まりません。

 

しかしメイン集団では先の2チームに加え、他のチームもペースアップに貢献し、残り4kmで4人は吸収されてしまいます。

 

敵にカルナコーナーが連続するシャンパーニュの街の中でもEtixx-Quickstepがリードし続けます。各チームの駆け引きは衰えず、ゴール手前150m最終コーナーに飛び込む際、Danny Van Poppel (Team Sky)がコントロールを失いますが、落車することなく奇跡的に立ち直ります。

 

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クラッシュを免れフィニッシュするVan Poppel 

 

 

それより先ではステージ優勝を争う戦いが繰り広げられ、終始メイン集団をけん引してきたEtixx-QuickstepのMaximiliano Richezeが逃げ勝ち、同チームのGaviriaが2位となり、チームとしてはワン・ツーフィニッシュの華々しい幕切れとなった。

Saganは3位にとどまったが、総合順位ではJurgen Roelandts (Lotto Soudal)とSilvan Dillier (BMC)との差をさらに広げる結果となった。

 

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フィニッシュするMaximiliano Richeze
後方で祝福するGaviriaも印象的

 

ツール・ド・スイスでは、アルゼンチン選手として初の勝利となるMaximiliano Richezeは2012年NIPPOチームで活躍し、ツール・ド・北海道で総合優勝など、日本にゆかりの深い選手でもある。

 

 

第4ステージ個人結果

 

ランク 選手名 チーム名 タイム/タイム差
1 RICHEZE Ariel Maximiliano Etixx – Quick Step 5:08:21
2 GAVIRIA Fernando Etixx – Quick Step  
3 SAGAN Peter Tinkoff  
4 VAN ASBROECK Tom Team Lotto Nl – Jumbo 2
5 STUYVEN Jasper Trek – Segafredo  
6 NIELSEN Magnus Cort Orica Greenedge  
7 KREDER Raymond Roompot Oranje Peloton  
8 PASQUALON Andrea Team Roth  
9 ROELANDTS Jurgen Lotto Soudal  
10 BARGUIL Warren Team Giant – Alpecin  

 

個人総合順位

 

ランク 選手名 チーム名 タイム/タイム差
1 SAGAN Peter Tinkoff 14:22:30
2 ROELANDTS Jurgen Lotto Soudal 9
3 DILLIER Silvan Bmc Racing Team  
4 RICHEZE Ariel Maximiliano Etixx – Quick Step 17
5 IZAGUIRRE INSAUSTI Jon Movistar Team 19
6 WELLENS Tim Lotto Soudal 20
7 IZAGUIRRE INSAUSTI Gorka Movistar Team 23
8 KELDERMAN Wilco Team Lotto Nl – Jumbo  
9 MATTHEWS Michael Orica Greenedge 24
10 THOMAS Geraint Team Sky 25

 

 

第5ステージってこんなところ

 

これまでのステージとは変わって、第5ステージ以降は本格的な山岳ステージとなり、これまで表に出てこなかった山岳スターたちの舞台となる。

 

ブリークからカリを目指す第5ステージを境に、本来の総合順位がいよいよ形成されていく。

126.4kmと距離は短いが、本プログラムの2大障壁は何と言っても、ティチーノ州に入る手前にあるフルカ峠とゴッタルド峠。

更に、カリまでの残り約11kmが登りというタフな設定で、選手らの熾烈な戦いが予想される。

 

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【ステージ開催地域について:ブリーク】

アルプスの中心部という特異な環境にあることから、

マッターホルン、アレッチ氷河、モントルーのシヨン城、シャモニー等へ向かう観光の拠点として恩恵を受けている。

 

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また、シュトックアルパー城、ショッピングや一流レストランで賑わうブリーク旧市街、ブリガーバード温泉等もあり、是非お勧めしたい場所。

 

出典

ツール・ド・スイス オフィシャルサイト
http://www.tourdesuisse.ch/en/

 

Team sky
http://www.teamsky.com/teamsky/home#1SxtLhAXCSS7plPc.97

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