2016/07/12 18:58
【バイオレーサー5000】サドルの前後位置を考えてみる【その3】
by: 永平 宏行
バイオレーサーの中の人です。
「気が向いたら」
としていた「その3」です。
結局、書く事にしましたw
自転車玄人の方には当たり前ですが、その当たり前を多くのホビーサイクリストの当たり前にするのが我々の仕事。
さてさて、
サドル前後位置は、
【いったいどう決まるのか?】
【どんな要素が影響して来るのか?】
それが今日のテーマです。
前回までの記事はこちら
【バイオレーサー5000】サドルの前後位置を考えてみる
【バイオレーサー5000】サドルの前後位置を考えてみる【その2】
サドル前後位置の決め方…
ポピュラー過ぎますが、例のアレです。
出た!
「膝の皿の裏から下ろした垂線と、ペダル軸が交わる」
何十年も受け継がれてきた、自転車界の法則。
皆さんも雑誌やムック本、ネットで一度は目にした事があるのでは?
私も30年前の中学生時代にアテネ出版(古い!)の教則本的なやつで読みました。
もちろん、サイスポ等の雑誌のポジション特集では定番ですね。
はて、さて、でもどうして「ココ」なんですかね?
「ココ」の理由は、そんなに難しく無くて、人間の脚の構造上、機械的にその位置が一番力が入るから…ただそれだけです。
解剖学的な理由ももちろん大事ですが、それと同時に先人の経験から、経験則で導き出された位置でもあります。
極端なポジションは淘汰され、効率の良いポジションに収斂された訳です。
機械的に脚の各部の役割を考えると、
力がアウトプットされる場所:足
(ペダル軸の直上にある、拇指球~小指球エリア)
力が生み出される場所:臀筋群、ハムストリングス、大腿四頭筋
筋肉の結節点(関節):股関節、膝、足首
となります。
(表現の適切さは問わないで下さいw)
ペダリングでは、ペダルを押し下げる運動が推進力を生みます。
リカンベントを除いて、ペダルを押す方向は「重力」(もしくは体重)を利用できる垂直方向です。
脚という機械が、垂直方向に力を掛ける際に、一番力を出せるのが、膝の結節点の真下に作用点である「足」が位置するポジションです。
その「膝」の結節点が膝蓋骨の裏、いわゆる「膝の皿の裏」です。
しかし、膝の皿の裏を透視する事はできないので、バイクフィッティング界では、膝蓋骨の裏と垂直線上にある「脛骨粗面」を目安に位置を決めています。
古典的な下げ振りや、レーザー水準器を使って垂直位置を揃えます。
ここまででも長文になりましたが、今日のテーマはもう一つありましたね。
「サドル後退にどんな要素が影響するのか?」
はい!3回目で終わるのがキリが良いので、行っちゃいましょう。
影響する要素を列挙すると…
- 大腿骨の長さ
- ペダリング時の足底の角度
(クランクが3時の位置の時、水平か、踵が下がっているか、上がっているか、またその角度) - 「足」の長さ
- クランクの長さ
- 「足」のどの位置に拇指球・小指球エリアがあるのか
- サドルのどこに尻が収まるか
だいたい、こんなところでしょうか。
計算でポジションを導き出すバイオレーサー5000ですが、さすがにここまで要素が多いと計算ではベストポジションを導き出せません…。
なので、サドル前後位置は「実地」で、位置合わせをしている訳ですね。
(e.、f.については5000では厳密には見ていませんが、プレミアムではしっかりと考慮しています)
- 前面の筋肉と背面の筋肉をバランスよく使う
- 体重を利用してペダリングをする
その為のサドル前後位置調整。
たかが前後位置、されど前後位置…。
ぜひ、皆さんもサドル前後位置をバッチリ合わせて、「自転車に乗らされっぱなし」ではなく、「自転車のご主人様」になって、もっと幸せな自転車生活を楽しんで下さい!
そのための、一助にバイオレーサーが役に立てれば幸いです。
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