2016/08/04 11:18
【バイオレーサー】サドルの高さについて考えてみる【その①】
by: 永平 宏行
バイオレーサーの中の人です。
今日のテーマは、みんな大好き?サドルの高さ。
当たり前ですが、自転車はペダリングで進む乗り物です。
ペダリングにおいて、運動効率の土台を支えているのがサドルの高さ。
運動効率を大きく左右するだけに、
ハンドル位置と比べ、多くのユーザーが、
比較的熱心に調整をするのではないでしょうか。
高さを変えた効果が、
「疲れやすい」「よく進む」という結果となって、
わかりやすく体感できるのが理由でしょう。
でも、正しいサドル高の設定基準って何でしょうか?
「果たして自分のサドル高って
合ってるのかな?」
そんな疑問を持っている方も多いでしょう。
バイオレーサー5000やプレミアムの施工時に、
お持ち頂いた自転車を拝見した際に比較的多いのが
「サドルが高い」
自己流セッティング。
※この画像は適正値のサドル高です
1センチ、2センチは当たり前。
3センチ、5センチ、時には8センチも
バイオレーサーの推奨値より高い事もありました。
シミュレーターで推奨値を体験して頂くと、
大抵の方が
「こっちの方が回しやすい!」
とおっしゃいます。
なぜ、自己流だとサドルが高くなりがちなのか?
その点を掘り下げつつ、サドル高について考えてみましょう。
【サドルの高さは何のため?】
サドルの高さは何のために調整するのでしょうか。
冒頭にも書きましたが、
ペダリングの運動効率を高める為です。
では、ペダリングとは何でしょうか。
「ペダルを踏む行為」でしょうか?
う~ん。部分的にはその通りですが。
「クランクを回す運動」
近くなりましたが、まだ少し足りない。
こういう定義はいかがでしょうか。
「クランクを回して、自転車の推進力にする運動」
いい感じになりました!
そうです。
ポイントは、
「クランクを回す運動」
が、
「自転車の推進力になる」
ことです。
つまり、
「ペダルを踏むだけ」
じゃだめってことですね。
よく言われる、
「ペダルは回せ!」
ってやつです。
よく言われている割に、自己流セッティングだと
サドルが高く、回すどころか踏むセッティングになっているのは、
実際にどうしたらいいのかが、あまり知られていないという事ですね。
話を戻しましょう。
サドルの高さ調整は、
ペダリングの運動効率を高める為に行います。
また、ペダリングとは、クランクを回して、
推進力を得る運動という事がわかりました。
ということは、
「サドルの高さ調整」
=
「クランクを回しやすくして、推進力を効率的に得る為の調整」
という事です。
画像はみんな大好き?ペダリングモニターの画面です。
ペダリングが効率的に推進力になっているかが数値で分かります。
平地をたら~っと流しで乗るとペダリング効率はこんなもんです。
運動強度が高くなると、50%~70%程度まで上昇します。
この「サドルの高さ調整の目的」が分かっていないと、
不適切なサドル高になりがちです。
(自己流だと、高めに設定する方が多い)
サドルを高く設定してしまう方は、
そもそものサドルの高さ調整の目的を、
間違って理解している事が多いようです。
すなわち、
「ペダルの踏みやすさ」
を調整基準にしてしまうのです。
「下死点」はここ。
運動上の下死点はシートチューブの延長線上。
物理的な下死点はクランクを垂直真下(6時)にした状態。
踏みやすい高さ
=下死点まで踏み切りやすい高さ
=踏み切る事を重視する
=理想的なサドル高よりも高く調整してしまう
という流れで、サドル高を
高く、高くセッティングしてしまうようです。
ペダルを踏む、という動作は
あくまでペダリングの一要素でしかなく、
「ペダルの踏みやすさ」単独では、
高さ調整の基準にはなりえません。
「ペダルの踏みやすさ」
「クランクの回しやすさ」
「推進力の生み出しやすさ」
この3つの「やすさ」のバランスをとることが、
理想的なサドル高セッティングの「キモ」なのです。
次回は、どうしたらそのバランスがとれるのか?
どんな要素が影響するのか?
について、掘り下げてみたいと思います。
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