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【からだを学ぶ】首が痛い!「肩と首と頭」から考える対処方法!お悩みの方は一読下さい。
by: 高橋

 

1肩が痛い1

前傾をとるロードバイクは特に首への負担が多くなりがちです。
首が痛くなったり肩こりした方も多いのではないでしょうか。
長時間乗ると首がつらいという方もいらっしゃると思います。

なぜ痛むのか?

どうすれば良いのか?

順番に説明していきます。

 

1.首・肩の基礎知識/傷みやすい部位

頭を支える筋肉:深部 

頭と首をつなぐ「頭板状筋」

左右で協調すれば、頭を上げる(上を向く)働きをします。

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背骨と首をつなぐ「頚板状筋」

左右で協調すれば、首を上げる・反る(上を向く)働きをします。

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肩甲骨と背骨/首をつなぐ 「肩甲挙筋/大・小菱形筋」

肩甲挙筋は、肩甲骨と首が繋がり、左右で協調すれば、首を上げる(上を向く)働きをします。
大・小菱形筋は、肩甲骨と背骨とつないでいます。手を前に伸ばすと肩甲骨も前に引き出されます。腕・肩を引く動作をすると菱形筋も使われます。ロードの姿勢時に多く使われる筋です。

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頭を支える筋肉:浅部(表層)

背骨中心に首から背中まで背部を大きく覆う 「僧帽筋」(大きく分けて上・中・下あります)

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肩/肩甲骨について

肩関節は自由度のもっとも大きい関節です。肩甲骨は体幹(背中)に「浮いている骨」です。
共に関わりが大きく、構造や関係性が難しいので簡単に流します。

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上記に加えて三角筋・上腕二頭筋・上腕三頭筋などが肩関節に関与します。

*このブログでは、肩関節にかかわる筋肉や骨が多いので厳密な「肩の痛み」ではなく、肩こりなどの肩関節上部についての記載としています。掘り下げて一つの筋肉ごとの考えると収まりきらないので割愛します!

 

 

 

 

2.姿勢・視野

首の角度・関節可動域

7角度

加えて、正常の視野範囲は、上方60°、下方70°、耳側100°、鼻側60°です。

8視野角

(↑左側は顔を横から見ているところです。右は上から見ているところです。)

一点集中した場合(上の図は真正面として)「有効視野角」は上下20°ずつ、左右35°ずつくらいだそうです。

 

9乗車

前傾をとると最大の抵抗である「空気抵抗」を減らせます。
その分、前を見るのがきつくなります。

ポジションが:ハンドル手前のフラット部→ブラケット部→下ハンドル部とどんどん前傾が深くなるので前を見難くなります。

ロード・タイムトライアル・トライアスロンは前傾が大切ですが、視野の確保が出来なければ安全性を担保できません。
個人的(フィッター的)には、安全性が低い・体への影響が大きいポジションはお勧めしません。

自分の可動域などを考えて出来る範囲内のポジションにしましょう!

 

 

3.ヘルメット/サングラスについて

まずは正しいヘルメットの着用 ←クリック

正しく付けないと視野が確保できません。
サイズの合うものをきちんとかぶりましょう。
そのうえで重量が軽いモデルを選べば首や肩への負担は減らせます。
前傾という姿勢での首や肩への負担は通常時とは異なります。
直立していればヘルメットの重さは真っすぐ下にかかるので負担が少ないです。

頭の重さが4-6kgだそうです。
首を前傾させると20kg程度にまで負担が増えるそうです。ヘルメットの重量負担も同様に4-5倍の影響を与えることになります。
自転車のような前傾姿勢のデータはないようですが、ロードの前傾姿勢は首や背中・肩の筋肉への負担は大きそうです。

 

振動や衝撃の影響もあります。
路面からの衝撃に対して頭が上下に揺れる(赤べこみたいな)と一時的に大きな負担がかかります。

そこで乗車姿勢・フォームが大切になります。
路面の衝撃に対して大きいもの段差などが予測されたらお尻を上げたりしますが、基本は「腕」がきちんとサスペンションとしても機能しているかどうかです。

10乗車角度

肘が曲がっていることで急な衝撃などにも対応できるようになります。

 

サングラスについて←こちらもチェックして下さい

きちんと調整できるものを選びましょう。
ノーズパッドが調整できるものが良いと思います。

ノーズパッドが調整できるとサングラスのフレームに視野が遮られないので、無理に頭を上げて視野を確保する必要が無くなります。

テンプルやモダンがヘルメットに干渉しないかもチェックが必要です。

 

シールド付きのヘルメットも有効です。

 

広い視野を確保できて、目の保護もできます。
変えのシールドも種類がいろいろあるので用途によって変更できます。

 

 

 

 

4.痛みへの対応

そもそもの筋力不足や柔軟性不足も考えられるので走行時のポジションやフォームに加えて、走行後のケア(ストレッチやマッサージ)も大切です。
筋力トレーニングも有効な予防策になります。

11首肩傷むところ

①後頭部付近の痛み

原因:頭板状筋・頚板状筋・僧帽筋(上部)への負担が考えられます。
頭だけを上にあげようとすると負担が集中します。
体幹・首・頭と無理なく順に上げて視野を確保しましょう。

 

12tt前見るの大変

★TTポジションのような過剰な前傾をとると前を見るのも大変です。特殊ポジションですので除外して説明します。

 

対策:頭を両手で抱えて前に倒すストレッチやマッサージなどでまずは痛みを和らげましょう。
前傾がきつくならないポジションにしてフォームも意識しながら走行しましょう。
頭を上げる筋肉・首をそらす筋肉・背中の筋肉を意識してそれぞれが無理のない範囲で頭を支えあいましょう。
痛みの出ない距離(走行時間)から始めて、だんだんと距離を伸ばしていきましょう。

 

②首の後面の痛み

原因:頚板状筋・僧帽筋(上部)への負担が考えられます。
首だけで頭を上げようとすると負担が集中します。
また「ストレートネック」の方は、負担が大きくなるので注意が必要です。
こちらも体幹・首・頭と無理なく順に上げて視野を確保しましょう。

 

対策:①と同じです。

 

③肩の痛み(肩甲骨の上方)

原因:肩甲挙筋・僧帽筋(上部)への負担が考えられます。
前傾がきつすぎるのか、頭を支え切れていないことが考えられます。
また肩が上がる(いかり肩)と肩甲挙筋・僧帽筋(上部)などが過剰に収縮した状態が続くので負担が大きくなり痛みにつながります。
両腕の腋が開いてないかも注意しましょう。
以下もチェックしましょう。

 

対策:ハンドルが遠い・ハンドルに体重を乗せてる(肘も伸びてる)・肩を上げている(いかり肩)の方は、ポジションの見直しと意識的なフォームの見直しをして下さい。

 

④背中付近の痛み

原因:深部の大・小菱形筋の場合は肩甲骨の位置が問題です。
浅部の僧帽筋(中・下部)だと肩甲骨の位置も係わりますし背中自体を丸める猫背の影響もでてきます。

対策:ハンドルが低い(遠い)などで肩甲骨が外に開くと、肩甲骨を安定させるために菱形筋が引っ張って戻そうと負荷がかかります。それが痛みに通じます。
また過度の猫背は僧帽筋全体に負担をかけます。

背中が丸まりすぎてないか?ハンドルが低く(遠く)て肩甲骨から広げないと届かないポジションになっていないか?確認して下さい。

猫背になりすぎないように胸を張るくらいのイメージに変えましょう。
*ふた昔くらい前は背中を丸めるのが正しい!という説もありましたが背中の筋への負担も大きく、なにより(自分にとって)「不自然」なフォームでは力がペダルに伝わりません。あくまで「自然な」フォームになるように調整していきます。

 

 

 

いかがでしょうか?

ヒントはあったでしょうか。

最近はスマホのせいもあり、ストレートネックが増えているそうです。
普段の姿勢が乗車姿勢にも影響を与えるので、日頃から意識することが大切です。
マッサージなど第三者に体を見てもらうのも有効です。

スポーツサイクルを楽しむためにやはり大切なのは「適正範囲内のポジション」と「体をうまく使うためのフォーム」になります。
基礎は大切だということです。

「ポジションやフォームを見直して下さい」としきりに言っていますが、自分を見るのは難しいです。
そのためにフィッターがいますし、フィッティングサービスがあります。

その前に、出来ることを自分で考えて対処してを繰り返すとレベルも上がると思います。

その手助けになれば幸いです。

 

「痛い」シリーズもよろしくお願いします。

ポジションについてはコチラ