ヒルクライム特化カスタム　エアロロードを８kg→６kg台に徹底軽量化！‼
by: 関 和貴

皆さんこんにちは、ワイズロードお茶の水店、関です。

 

今回はヒルクライムにむけた軽量化をご紹介します。

 

近年のロードバイクはハンドルやシートポストなど多くのパーツが専用で、性能の効率化と最適化がされている反面、さらなる軽量化は難しくなってしまいました。

今回は最新のエアロロードでもできる軽量化を紹介していきいます。

 

 

今回カスタムするのはTREK MADONE SLR。

軽量モデルのEMONDAと同じくらい軽く、前作のエアロ形状のMADONEと同じくらい空力がいいという万能マシン。

 

実際に走り込んで、自分の所有している旧型のEMONDAより速いと確信したのでヒルクライムもこのMADONEで挑戦しようと決めたのはいいものの、、、

 

 

約500ｇのドリンク込みとは言え9ｋｇという車体重量に愕然！！

ドリンクやライト、サドルバッグを外した実際の車体重量は8ｋｇ前半というところでしょう。

 

 

ヒルクライム特化で組んでいる自分のエモンダはサイコンと小型のライトを付けたレース仕様で5.3㎏！

その前に使っていたMADONE GEN4もヒルクライム仕様で5.7㎏で組んでいました。

 

新型のバイクにも慣れてきて、ヒルクライムも軽量化だけでなく剛性や性能のバランスが大切だとようやく実感を持てるようになってきましたが、もともと根っからの軽量化至上主義だった自分には8kgという数字が受け入れられない、、、

MADONE重いの？そんなことないよね？やればできる子だよね？？

 

平地では軽さは重視する必要が無いし、上りでも極端な軽量化をしてバイクの剛性やバランスが悪くなれば、タイムにも悪影響を及ぼします。しかし重力に抗うヒルクライムで他性能に影響がないならバイクは軽い方が有利なのは間違いない！

 

個人的にはバイクの重量が体重の1/10くらいだとめっちゃ軽く感じるので6kgくらいにしたいところですが、ちょっと無理がありそうなので、剛性を落とさずに軽量化できる範囲として、7㎏前半を目指したいと思います！

 

尚、今回ご紹介するパーツの中には予算の都合上、計画段階のパーツも含まれますが、参考程度にご紹介いたします。

 

 

チェーンリング

チェーンリングはROTORの楕円を使っています。

楕円リングは強制的に効率よく踏ませてくれるので、ヒルクライムなど高負荷でぺらリングが乱れやすい競技には特にオススメ。

重量はデュラ純正の方が軽いはず。

 

 

軽量化というよりはギア比の都合で52-36Tから50-34Tに交換。

 

 

15ｇ軽くなりました！

 

 

軽量化は1ｇの積み重ね！

ましてハイエンドのバイクともなれば、ハンドルもシートポストも専用品で軽量化の余地が無く、無駄なパーツもついていないので軽くするのも大変。

最近は新しい軽量パーツもあまりないし、、、

なので15ｇは大きい！！目標が1㎏の軽量化なら15/1000軽くできました。

「1㎏なら体重落とした方が早い」という方がよくいますが、それは全く別問題です！！

 

 

スプロケット

軽量スプロケといえばアルミ削り出し！

変速性能、耐久性、ともに全くありませんが、デュラの半分以下の重量という飛び道具！

しかし自分の知る限り12ｓのアルミスプロケはまだ発売されていません。

 

スプロケット性能一覧（11-30）

TNI クロモリコグ　186ｇ　￥33,330

デュラ　223ｇ　￥44,818

アルテ　291ｇ　￥13,420

 

TNIのクロモリ削り出しスプロケットはデュラより安く、軽く、耐久性もありますが、11-30，11-32はありますが11-34のラインナップが無い。

また、11-32はシマノにはない歯数で、一見使い勝手がよさそうですが、、、

シマノの11-30の歯数構成が11.12.13.14.15.16.17.19.21.24.27.30と17.19.21が2丁飛び、27.29が3丁飛びと軽くなるにつれて徐々に歯数差が大きくなる（一般的な）のに比べ

TNIは11.12.13.14.15.16.18.20.22.24.27.32と18.20.22.24までが2丁飛び、27で3丁軽くなっていきなり32まで5丁飛びます。

平坦で重いギアを多用して、32Tは保険程度に使うならアリですが、ヒルクライムで軽いギアを使うなら使いにくいでしょう。

 

今回はヒルクライムで使うこと、11-34が無い事から多少重くてもシマノが無難そう。

 

TNIも11-30Tはシマノと同じ歯数構成なのでギア比が合えばお勧めできます。＊ただし変速はシマノの方が良いはずです。

 

 

ブレーキキャリパー（予定）

ブレーキキャリパーは、、

デュラ　前後230ｇ

アルテ　前後282ｇ

と50ｇの軽量化が可能。またデュラエースはワンピース構造なので制動力やタッチも違うようです。

交換にはブレーキホース交換やオイル交換が伴うのでちょっと面倒。ハンドル交換と同時に行います。

 

 

サドル

普段のサドルはAeolus RSL。乗り心地が気に入っているサドルで、重量は142ｇ（ライトマウント込実測160ｇ）とまずまずの軽さ。

 

 

カーボン1枚のペラペラサドル、セライタリアC59（廃版）に交換すると94ｇ軽量化できます！

さらにロングノーズになることで急勾配でもサドルの前に座れば勾配に合わせた前乗りポジションになります。

 

 

ホイール

通常時のホイールはAeolus RSL 51。

めちゃくちゃ空力が良く、横風にも強く、乗り心地も良い非の打ち所がないほぼ理想のホイール。

重量も1410ｇと51ｍｍハイトとしては軽量。

とてもいいホイールですが、ヒルクライム用に軽いホイールが欲しいのも事実。どんな選択肢があるでしょうか？

 

 

候補のホイールスペック一覧

SMITH CeraLight H30W29 CarbonSpoke　1201ｇ　￥283,800

　　　驚異の軽さとコスパ！スポーク素材、リム幅、リムハイトのカスタムが可能。インプレが少ないのが不安点。

FULCRUM SPEED 25　1285ｇ　¥431,20

　　　フルクラムの超軽量ホイール。絶対重量は軽いが空力は期待できない。

CADEX 36 DISC　1302ｇ　￥363,000

　　　36ｍｍで万能に使え、カーボンスポーク、セラミックベアリング採用。ブランドの相性以外は有力候補！

ZIPP 353 NSW　1308ｇ　¥785,000

　　　軽くて空力の良い最高のホイール。アイオロス2セットより高価。いつか欲しいホイール。

BONTRAGER Aeolus RSL 37 TLR　1325ｇ　￥369,800

　　　今使っているホイールの低ハイトモデル。バランスは良いが軽さ重視なら他の選択肢があるも。

シマノ WH-R9200-C36　1350ｇ　￥329,634

　　　新設計のリアハブは使ってみたいが、このホイールもC50の完成度が高いので軽さ重視なら他があるかも。

 

今回はSMITHのCeraLightに決定しました！

詳しくはコチラで紹介しています。

重量はわずか1217ｇ。アイオロスから193ｇの軽量化！！

CADEXやシマノより若干安く、重量が100ｇ近く軽い超軽量ホイールです。

 

 

タイヤ

今使っているのがピレリ P ZERO RACE TLRで295ｇ+シーラント15ｇ程度、前後輪で620ｇ。

 

新しいタイヤはまずクリンチャーかチューブレスかと幅を選びます。

重量だけ見れば23CのクリンチャーにTPUチューブを入れるのが最軽量で、チューブ込みでも片輪200ｇ以下にできるはずです。

しかし今回は、駆動抵抗や乗り心地も考慮して、チューブレスタイヤで選ぼうと思います。

幅は23だと悪路で滑りやすく、28はいらないので25Cで探します。

IRC　FORMULA PRO TUBELESS READY S-LIGHTが片輪220ｇと、軽量で有名なアジリストTLRより10ｇ軽くチューブレスでは最軽量クラスなのでこれに決定、、しようと思っていましたが、、、

 

やっぱり乗り心地は度外視で軽さ最優先で行きます！

パナレーサーのAGILEST LIGHTにTPUチューブの組み合わせで最軽量を狙います！！

 

 

AGILEST LIGHTはクリンチャー仕様のみですが、170ｇと驚異的な軽さ！

 

 

チューブはECLIPSEのウルトラライトチューブが超軽量！

専用のパンクパッチもあるのでトラブルも安心？

 

この組み合わせてカタログスペック190ｇ！

チューブレスタイヤ+シーラント30ｍｌの250ｇよりも前後輪で120ｇ軽量化できます！！

タイヤは回転パーツなので単純な重量以上に軽量化の効果大。

 

その他の理由として、このホイール・タイヤはヒルクライム用であまり常用する予定でないので、クリンチャーの方がメンテナンスや練習タイヤへの交が容易ということもあります。

 

耐パンク性能はクリンチャーにしてもチューブレスにしても「運次第」で、おそらく大差ないので考えないことにします。

 

 

実測重量はタイヤ167ｇ、チューブ24ｇで前後382ｇ！

 

P ZERO RACE295ｇ+マクハル15ｇ×2＝620ｇ

IRC S-LIGHT220ｇ+マクハル15ｇ×2＝470ｇ

 

AGILEST LIGHT168ｇ+TPUチューブ24ｇ×2＝382ｇ

 

なので、元のタイヤより238ｇ、チューブレス最軽量級のIRCより88ｇ回転部を軽くすることができました！！

TPUチューブは駆動抵抗も少ないらしいのでその点にも期待です。

 

 

ローター

普段は制動力と耐久性に定評のある

SWISS STOPスイスストップのCatalyst Raceを使っています。

160ｍｍ 119ｇ　140ｍｍ 108ｇと数gですがシマノより重い。

 

 

軽量ディスクローターといえば、CARBON-TIのX-Rotor！

140mm 86g / 160mm 98gと軽量ですが、1枚当たり￥38,500！？　さすがにちょっと手が届きません。

 

ディスクロータースペック一覧（160ｍｍ、実測の物はロックリング含まず、シマノロックリングは8ｇ）

KCNC　CENTERLOCK DISC ROTOR　91ｇ¥11,000

CARBON-TI　X-Rotor　98ｇ　￥38,500

KCNC　RAZOR+アダプター　101ｇ　￥9,020

シマノ　RT-MT900　108ｇ　￥11,141

SWISS STOP　Catalyst Race　119ｇ　¥14,850

 

これで見るとKCNC　CENTERLOCK DISC ROTORのコスパが優秀ですね！

重量は82g（140mm）、91g（160mm）、ロックリング7gとセンターロックでは最軽量クラスでカラーも豊富に選べます。

だいぶ肉抜きされているので、制動力や耐久性は劣る可能性がありますが、レースで考えたらスピードコントロールができれば十分。

ダウンヒルもリムブレーキよりはましでしょう。

 

 

 

実測重量は160ｍｍ 104ｇ　140ｍｍ 93ｇ（ロックリング込み）でした。

色も車体とピッタリで大満足！　ブラック・レッド・ゴールドの３色展開です。

 

 

スルーアクスル

 

OVERFASTの軽量スルーアクスルは約31ｇで標準装備のアルミ製軽量スルーアクスルと比較しても重量を半分くらいにできます。

しかしMADONE GEN8には非対応です、、、

 

 

 

ハンドル（予定）

ハンドルは軽量化だけ考えるなら純正外に交換しますが、純正の一体ハンドルは軽さと空力のバランスが良く、フレア形状も気に入っているのでそのまま使います。

ただ、前傾姿勢を深めたいので長さだけ変更の予定。

 

 

ヘッドベアリング（予定）

本当に数ｇですが軽量化することができます。

ワイヤ内装のバイクはワイヤ交換時しかヘッドパーツも交換できないので、ハンドル交換と同時に行います。

軽量ヘッドはケーンクリークとFSAから出ていて、規格が合えば使うことができます。

ケーンクリークは規格が合わなかったので今回はFSAを使います。（ケーンクリークの方が軽そう）

 

 

外すパーツ・外さないパーツ

レースではサドルバッグやライトは外すのでその分軽くなります。

逆にトップチューブバッグ・ボトルケージは空力改善のために付けたままにします。

ボトルは2個つけていきますが、20分のレースではほぼ飲まないので、ドリンクはあまり入れない予定です。

 

 

軽量化の成果

チェーンリング　15ｇ

スプロケ　68ｇ

サドル　94ｇ

ホイール　193ｇ

タイヤ・チューブ　238ｇ

ローター　46ｇ

その他21ｇ

サドルバッグ・リアライト外す322ｇ

トータル　997ｇ

 

 

実測バイク重量

ヒルクライム仕様にカスタム完了！！

 

ホイールで印象が全然変わりますね！！

 

 

重量はペダル込、ボトル・サイコンなしで6.8ｋｇ！！

 

ボトル（ドリンクなし）、サイコン込みの実走状態で7.1ｋｇと目標クリアです！

 

 

 

全装備重量

バイクの重量だけでなくウエアなど身に着けるものも軽いに越したことはありません。

 

どちらも割と高級なジャージですが20ｇぐらい平気で違います。

バイクをｇ単位で削るならウエアも軽くないと、、、

 

 

ビブはちょっと重めの218ｇ

 

 

ヘルメットはOGK　フレア（廃版）超軽量175ｇですがそろそろ寿命の予感、、、

次の軽量ヘルメットを探さないと、、、

 

 

サングラスはオークリー　EV ZERO

 

 

シューズ+クリート　634ｇ

シューズはシマノRC9ですが、インソールを足裏にフィットするものに変えているので標準より重くなっています。

 

 

インソールを標準に戻すと約90ｇ軽くなるので今回は戻すことに。

 

 

 

グローブ。左がパッドなし、右がパッドあり。

短いヒルクライムならパッドなしでいいかな？

 

 

ソックスはR×Lのペダリング革命。

 

心拍計は54ｇです。

 

つまり

 

ウエア総重量　1192ｇ

+

バイク　7100ｇ

+

体重　56500ｇ

 

合計64792ｇ　となりました！

 

軽量化を考えるときはFTP÷体重のパワーウエイトレシオと同じように、FTP÷全装備重量のパワーウエイトレシオも参考にするとよいはずです。

友人と装備重量を比べてみると面白いかもしれませんね。

 

 

軽量化のデメリット

今回は剛性や安全性を犠牲にしない軽量化が目標なので、大きなデメリットはありませんが、多少の我慢や注意は必要です。軽量化は非常に有効ですが、注意すべき点もあるのでデメリットや欠点もあえて紹介します。

 

サドルはペラペラなので乗り心地は大きく下がります。自分は特殊な訓練を受けているので100ｋｍは平気ですが、痛い人は痛いかも。

ちょっとぶつけたら割れるので注意が必要です。

なんでもそうですが、危険なので謎の中華ブランドは使わない方が良いです。

 

 

ブレーキローターは若干制動力が落ちたように感じますが、リムブレーキよりは全然効くので問題ありません。

ブレーキパッドの食い付きも良く見た目以上に止まりますが、消耗は早いかもしれません。

 

 

ホイールは買って超正解でした！

軽いのに強度・剛性もバッチリでとても良いです。

これは覚悟のうえで選びましたが、ホイールが硬いうえに、クリンチャーで気圧を下げる事ができないので、乗り心地は少し悪く、悪路では少し走行抵抗になるかもしれません。が、ヒルクライムでは軽さが全てなのでヨシッ！

 

 

意外にも一番違いを感じたのは熱成型インソール！

使っていた時は「ふーん、いいんじゃない？」くらいに思っていましたが、軽量化のために純正に戻したら足がしびれる！

熱成型の方がパワーが足裏全体から伝えられるし、疲労も少ないことが再確認できました！

 

詳しくはコチラで紹介しています。

 

ということで、ヒルクライムが終わった翌日には平坦仕様に戻しました。

重い方が練習になるしね！

皆様も自分の用途に合わせた無理のない軽量化をお楽しみください！

 

 

古い記事ですが過去にまとめた軽量化関連記事です。よろしければご覧ください～

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軽量化の事ならワイズロード新橋店の関にお任せください！！

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