メーカー非推奨の使い方をしてはいけない(戒め)
by: 藤平悠介

SCOPE R5A

チューブレスの相性問題に悩む

当ブログをお読みの皆様こんにちは!

新宿クロスバイク館の藤平です

 

いつの間にか始まっていたシクロクロスシーズン

私も10/6に開催された茨城CX土浦ステージに参加してボコボコにされてきました(笑)

コースレイアウトの変更と、土浦にしては珍しく恵まれた天候によるドライコンディションでめっちゃ高速レースでした(※上記画像は土浦じゃありません。ブログに使える画像が手に入らなかったので・・・)

そんな中私のマシンの不調に気が付いたので今回はその改善を目指した話

 

バニーホップ

高速レースだからこそ起きたトラブル

私のシクロクロスバイクはSCOPE CYCLING社のホイールを取り付けし、タイヤはMAXXIS社の物をチューブレスレディで装着しています

 

 

チューブレスというシステムは本来車輪側のバンプ(出っ張り)部分にタイヤ内周部(ビード)が引っかかり、空気の圧力とバンプの二つでタイヤを固定しています。

 

しかし、SCOPEのホイールと手持ちタイヤの相性が悪いのか、ホイールを替えてからというものシクロクロスレースで使うような極低圧ではタイヤ保持力が不足してしまいコーナリングの横G(遠心力)や片斜路(キャンバー)のコーナーなどで一時的にビードが落ちる、専門用語で言う「ゲップ」の症状が多く出る事が分かりました。(※タイヤに表記されている適性気圧内での使用なら問題は出ていませんのであくまで使い方の問題です。製品の不具合ではありません。)

 

土浦では片斜路のコーナリングで毎周後輪側のゲップを起こし、レーススタート時は1.5Bar入れていた空気圧がゴール後には0.7Barまで下がっていました

タイヤインサートを入れていたので今回はなんとか最後まで走れましたが(※タイムは落とした)今後走るであろう砂浜などのコースでは設定する圧力がそもそも低い為このままでは最後まで走れない可能性が高いでしょう。

 

対処方法はある?

一番簡単な対処方法はリムテープの巻き数を増やす事

タイヤと車輪の隙間を物理的に狭くする事で空気を漏れにくくする事は可能です

元々MAXXISのチューブレスレディタイヤは他メーカーに比べビード径が緩めに感じるので相性的にも正しいアプローチだと思いますが、今回は実験的に別の方法を試してみます

実験的と称した通り今回の方法はメーカーの推奨使用方法ではない個人の自己責任によるもので、当店や系列店で承る事の出来ない手段なのでご注意下さい。

 

BONTRAGER TLR RIM STRIP

本来はBONTRAGER社製のホイールをチューブレス化する為に使う物で、他ブランドのホイールに装着する事は想定されていません

構造としてはバンプ(出っ張り)付きのリムテープのような物(※貼り付けないのでテープという名称ではないですが)

 

以前手持ちのBONTRAGERホイールに施工した際「バンプを後から追加出来るのか・・・」と構造に驚き、今回のビード落ち対策として頭に浮かんだので試してみました

何度も言いますが今回の方法は個人の自己責任において施工しているので、お店への問合せ等はしないようにお願いしますね。

 

 BONTRAGER TLR RIM STRIP

取り付けの話

元々BONTRAGERホイール専用品なので純正の組み合わせならば適合表に載っている太さの物を買えば問題はありませんが、今回は別メーカーのホイールへの取り付けるという事でどの太さが正しいのか分かりません

数千円を捨てる事になるのを覚悟のうえホイール内幅と同じ23㎜用(実幅26㎜)の物を注文

結果的にはピッタリと収まりました。

 

タイヤインサートを使用している事もあってタイヤ装着はそれなりに硬いですが、チューブレスタイヤを多数施工してきた経験のおかげでなんとかなりました

 

 

 

 

フロントタイヤはそのままMAXXISを続投

リアは土浦で傷を入れてしまっていたようなのでVITTORIAに交換

 

 

ビードアップは少し高めの気圧入れないと上がりませんでした

前後ともタイヤ指定の上限は越えない3.5Bar~4Bar程度でUP(※ホイール側にも最大気圧指定がある場合があるので注意!)

 

 

シーラントはインサートの都合でVittoria社の物を使用

 

本来BONTRAGER社のバルブと組み合わせる必要があるのですが、インサートとの相性問題があるので今回はPANARACERのバルブを続投 

普通に指で取り付けると少し空気が漏れますが、このバルブは根元のナットを工具で締められる構造なのでなんとかなりました。

 

結果はどう?

テストとして舗装路の上を0.5Barで振り回してみましたが空気の漏れは全くありませんでした

これなら砂浜など空気圧を低くしたいコースでも安心ですね

 

代償として人力でビードを落とす事が出来なくなりました

空気を抜いた状態でビード付近をグリグリやっても笑っちゃうほどタイヤが外れません(※モーターサイクル用のビードブレーカーという工具を使えば外せる)

私の場合はレース用に割り切った機材ですしインサートを入れているのでパンクしても多少の自走が可能ですが、普通の方にこのカスタムは絶対にオススメしないです

出先でトラブルを起こした際に何も対処出来なくなりますからね・・・

やはりメーカーの指定から外れた運用は良くないです。

 

BONTRAGER TLR RIM STRIP

余談

今回作業の途中でリアタイヤにダメージが入っている事に気づいたので交換したんですが、MAXXISに比べてVITTORIAのタイヤはめっちゃビードが固かったです

多分これテープ替えなくてもタイヤ交換だけで相性問題解決してたな・・・

 

とほほ~っ!もう自己責任カスタムはこりごりだよ~っ!(提灯涙を流しながらアイリスアウトで消える)

 

 

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