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お前もシクロクロッサーにならないか?
by: 藤平悠介

 シクロクロス

シクロクロスはいいぞ。

当ブログをお読みの皆様こんにちは!

新宿クロスバイク館の藤平です。

 

私は趣味で「シクロクロス」という競技に参加しています

7/1に国内のシクロクロスレースを取り仕切る団体より次シーズンの開催日カレンダーが発表され、界隈が盛り上がっていたので私も「久々にシクロクロスの事を書くか・・・」とこの記事を書き始めました

今回は「シクロクロスレース参加のヒント」を、ホビーレーサー視点でお伝えいたします!

 

↑シクロクロスってなんぞや?という方は先にこちらをご確認下さい

 

エントリー

シクロクロス競技は基本的に事前エントリーです

多くの場合は一か月程度前にエントリーページが公開されますが、主催している団体によってはもっと早い場合や、同じ団体のレースにまとめてエントリーする事で割引をしている場合などもあります。

珍しい物で言えば茨城CXのふるさと納税エントリーなんて方法もあったりするので、参加を検討しているレース運営の公式SNSを逐一チェックしましょう。

 

支払い方法はエントリーページに使われるサイトにより異なりますが(※多くの場合スポーツエントリー)クレジットカード決済が一般的

コンビニ支払いなども可能ですが、こちらは支払い忘れに要注意。

 

基本的に土日祝日での開催なので、お仕事を休む手続きも忘れずにしましょう

準備や片付けの為前日と翌日も休めると理想的です。

 

遠征で宿泊が必要な場合は、会場近くのホテルを早めに手配する事も忘れずに

輪行袋に詰めた状態なら部屋への車体持ち込みを許可してくれる事も多いので、先に問合せをしておくと安心。

 

シクロクロスバイク

機材準備

レースに使うマシンはシーズンインの前週くらいまでにはメンテナンスを終わらせましょう

直前になってやろうとすると部品の不備が発見された時にパーツの手配が間に合わなくなります。

 

タイヤ、ブレーキ、ワイヤー類などの消耗部品を点検/交換し、各部のベアリング類をグリスアップしてからネジ類のトルクチェック

駆動系を洗浄し、チェーンや歯車の摩耗具合とハンガー歪み、変速動作のチェックとチェーン注油

上記をやっておけばレース中のマシントラブルがかなり減らせます

ご自身でのチェックが難しいならショップに相談してみましょう。

 

乗車ポジションの調整に関してはライダーごとに感性の違いがあるので正解はありませんが、ドロップハンドル車においてはブラケット取付位置を高くする、もしくはハンドルごと起こすようなセッティングがセオリー

振動で手が滑る事が少なくなり車体コントロールが容易になります。

 

「ロードバイクに比べてサドル高を下げる」というのも良く言われるところですが、これに関しては私の意見と相違します

サドル高セッティングは使用するビンディングシステムの厚みを考慮して微調整すれば、基本的にロードバイクと同じ基準でOKというのが私の持論

ルーズな路面やコーナリングでも足を回し続けてタイヤのグリップを確保するシクロクロス競技においては、クランクを回しやすい高さである方がムラが無く走りやすいと感じています。

 

競技として使用すると各部の部品はガンガン傷むので、可能であれば予備の部品をストックしておくと良し

シーズン中は毎週のようにレースがあるので、壊してから手配では間に合いません

特に「エンドハンガー」と呼ばれるフレームと変速機を繋ぐ箇所は、壊しやすい上に車種ごとに形状が違いすぐに手に入らない物なので予備が必須です

クリンチャー、チューブレスタイヤを使用しているなら予備のチューブも必須

ウェットのレースを走るととんでもない勢いでブレーキパッドが消耗するのでこちらも用意しておきましょう。

 

ヘルメットは頭に合う物であれば基本的にOKですが、転倒も多い競技なので安全性も考慮して選びましょう

 

サングラスは路面を見やすいカラーのレンズが付属する物を

私は荷物を減らしたいという理由から交換用レンズを持ち歩きたくないので、調光タイプの物を愛用しています。(※帰路が暗い時間帯になる事も多いので)

目の保護の為にこちらも必ず装着しましょう。

 

グローブは気温などによってお好みで選んでOKですが、怪我防止の為に必要

操作のダイレクト感を重視して夏用の指抜きグローブを使っている選手も多いです。

 

 

ウェアは走行用、待機時間用で別途用意しましょう

走行用は飛び降り、飛び乗りなどで引っかかりにくいよう体にフィットするサイズの物を

 

 

つなぎ目の無いワンピース形状のウェアも人気ですが、気軽にトイレに行けなかったりゼッケンを取り付けるのに苦労したり、着替え場所の確保に困ったりもするので初心者の方にはあまりオススメ出来ません

ゼッケンの付け外しや転倒、枝に引っかかるなどで穴が開きますし、泥や砂を落とす為に強めに洗ったりするので傷みは早いです

コストを抑えるならお手頃なウェアを適当に使うのが良いですが、目立つ柄だと観客ウケが良いので個人的にはそちらを重視するのがオススメです

忘れがちですが、安全ピンは基本的に参加者側で用意する必要があります

時期柄寒いと思われがちなシクロクロス競技ですが、シーズン序盤や終盤は気温が高い事も多く半袖とハーフパンツの組み合わせで走行する事も少なくないので夏物と冬物を1セットずつは用意しましょう

 

 また、汗冷え対策としてメッシュ系のインナーウェアもオススメです。

 

待機時のウェアは体温の維持に重要ですが、輪行や自走で会場入りするライダーにとっては持ち運びに苦労する物でもあります

私は衣類圧縮袋を使用して持ち運び時を小さくし、バッグ内で濡れた物(汚れた物)と乾いた物を分けられるようにしています。

 

待機時用のウェアは防寒性能以外に、脱ぎやすさという点も重要

特に上半身側はスタート一分前くらいまでは着ていたいので、サッと脱げるようなルーズなフィット感の物がオススメです(※待機時用は自転車ウェアである必要はありません)

 

 

当然レース日が雨になる事もあるので雨具も一式揃えましょう

シーズンが冬であるシクロクロス競技において、濡れたまま過ごすというのは致命的です。

 

シューズに関してはオフロード用のビンディングシステムに対応する物を使いましょう

レース初心者などであればフラットシューズでの参加も出来ますが、靴底が泥などで滑りやすくなります

MTB用などのピンが強いペダルを使用すれば滑る事は抑制出来ますが、万が一踏み外した際に脛などを傷付けるリスクが大きく周囲の選手にぶつかるなどすると危険なので、最終的にはビンディングにした方が怪我のリスクが低く安全と言えます

ビンディングシューズは色々ありますが、締め付け方法の選択をする必要があります

 

メインストリームはバックルやダイアルで締め付ける物で、締まり具合の調整や脱ぎ履きがしやすい事がメリットですが転倒などで部品が壊れるリスクが高く泥詰まりで動かせなくなるなどのトラブルも

 

靴紐式は選べる種類は少ないですがメカトラブルのリスクが低く、軽量で上部がしなやかな事がメリット

履いたり脱いだりという点では少々面倒ですが、シクロクロス競技では人気です

 

エントリーグレードのシューズにはマジックテープで締め付けする物もありますが、テープ部分に汚れが乗ると固定力が弱くなるので要注意

 

靴底(ソール)の硬さはグレードごとに違い、基本的にエントリーグレードほど柔らかく、ハイグレードなモデルほど硬い傾向にあります

自転車を降りて走る事の多いシクロクロス競技においてはソールが硬すぎる事にデメリットがあるので「ハイグレードである程良い」という考えは間違いですが、上位グレードのモデルであるほどフィット感に優れる物が多いので選択のバランスが難しいです

一部のメーカーを除き靴底は交換出来ないので、摩耗したら買い替えましょう。(クリートが露出するほど削れた状態だと滑りやすく危険です)

 

機材の準備でとても重要なのは「忘れ物をしない」という事

レースに必要なシューズやヘルメットを忘れたなんて話は結構多く聞きますし、私自身の経験では帰路用のライトを忘れる、充電を忘れて役に立たない、輪行袋を忘れる(駅で気づく)なんて事も・・・

安全ピンを忘れて知人に融通して貰った事も何度か・・・

チェックリストを準備して前日までには完了させましょう。(お前が言うな感)

 

 シクロクロス

会場入り、試走

ほとんどのレース会場では朝と昼の二部に分けて試走が行われます

下位カテゴリの選手は基本的に朝試走となりますので、かなり早い時間に会場に到着する必要があります。

 

車で来場の場合、駐車場はかなり混雑する可能性があるので注意

駐車場オープンの時間を確認し、出来るだけピッタリに到着出来るように心掛けましょう

オープン時間前に並ぶのは近隣の方や運営の迷惑になるのでNG

電車など公共交通機関をご利用の場合は混雑しない時間帯を狙い、電車内や駅構内での移動用にフラットシューズを用意しましょう

ビンディングシューズで輪行すると、歩きにくいだけでなくレースで付いた泥や砂を電車内に持ち込む事になってしまいます。

 

会場で陣取る場所が決まったら、荷物を置き選手受付へ(※置いた物が風で飛ばないよう要注意)

ゼッケンを貰って装着し、時間になったらコース試走に出ます

落車時に危険なのでポケットにスマホなどを入れたままにしないよう注意

割と良く聞くのが車の鍵を落とす案件

私もコース内で拾った事があります。

 

試走は色々なカテゴリの混走なので人数が多く渋滞しますし、選手同士の実力差が大きい為気を付けましょう

 

路面のコンディションなどを見ながら空気圧を微調整するので、電動空気入れがあるととても捗ります

走るのが難しく感じたセクションは、上手い選手がどういったライン取りや動きでクリアしているのかを見るのが勉強になります。

 

試走のコツは無理をしない事

万が一マシントラブルを起こせば本レースに出走する事も難しくなります。

 

一周目はゆっくりコースレイアウトと路面コンディションのチェック+ウォームアップ走行

二周目は七割程度の速度でラインを選定し、身体のコンディションも確認しつつさらにウォームアップ

三周目はレース速度に近い動きで最終的な空気圧の確定をしましょう

 

必要な空気圧というのは走行速度によって変わるので、レースに近い速度で一度走る事が重要です。

同じ会場で何度も走っている(慣れている)コースならば二周目はカットしても良いですし、ロングコースだと試走時間内に三周する事が難しい事もあるので柔軟に対応

走行後レースまで時間が開くならば軽くクールダウン走行もオススメです(コース内でなくても良いので会場周辺をゆったり流すだけでOK)

 

試走は練習では無く確認の場です

「自分の実力ならここは乗って行ける」「おそらくここは渋滞するから降りた方が早いだろう」「空気圧を下げよう」

などのチェックをする為であり、実力以上の事を試す場所ではありません。

 

シクロクロス

招集、レーススタート

いよいよレースです

招集場所はスタートライン付近

基本的に15分程度前に集合です。

 

ゼッケンと電子計測タグの付け忘れは無いか?ヘルメットやグローブはあるか?などをしっかりチェックし、暖かい恰好のまま向かいましょう

ゼッケン順で呼ばれるので、自分の番号を把握しなんとなく番号が近い集団の辺りに居るとスムーズです。

 

番号を呼ばれたらスタッフにゼッケンを見せスタートグリッドへ

フラットハンドル車の場合は後に回されます

このあたりから緊張で心拍数が高くなる選手が多いですが、スタートまでまだ時間があるので呼吸を深くゆっくりにする事で心拍を抑えましょう

私はスタートダッシュに強い選手ですが、スタート前に呼吸方法で心拍を落とすのはかなり効果的だと思っています。

 

一分前と三十秒前にコールがされ、号砲(もしくはホイッスル)が鳴ったらスタート

「三十秒前」とコールされますが、コール後いつスタートさせるかはスターター次第なので備えましょう

 

ルール上片足は地面に付いた状態で待機している必要がありますので要注意

サドルに座ったまま片足を付く方が多いですが、個人的な意見としてはトップチューブに跨っていた方が足つきが良くしっかり地面を蹴りだして発進出来るのでダッシュしやすいです。

 

前列スタートならある程度実力で順位を確保出来ますが、後列スタートでは運の要素がかなり強いと言えます

順位UPも重要ではあるのですが、トラブルに巻き込まれない事が最重要

前方選手の動きを良く見つつ、走行ラインを変更する場合は後方や側方に居る選手もちゃんと確認しましょう。

 

シクロクロス

順位アップのコツ

シクロクロス競技で順位を上げる為に重要な要素

一つはスタートで良いポジションを確保出来るかという事

コースレイアウトにより多少差はあれど、スタート直後は道幅が狭くなる箇所などで渋滞してしまうので前方に居るほどタイムロスが少なく有利

序盤に上位に入っている選手は、多くの場合ゴールでもそれなりの着順になります

じゃあスタート位置はどうすれば上がるんだと言われると、ポイント順なので出来るだけ多くレース出走する事と、シーズンインを早めにする事ですね・・・

 

もう一つのコツは走行ペースを乱さない事

シクロクロスはレース後にラップタイムを公表されるので、各周回のタイムが大きく上下しないように走れるようになるとGOOD

もちろん他の選手に詰まる、レース進行に伴う路面状態の変化などの外的要因で多少のズレはありますが、安定したラップを刻めるようになると順位も安定します

 

ダメなパターンは序盤のラップタイムが早く、後になるにつれラップタイムが落ちていく事

これはいわゆるオーバーペースでタレるタイプの走り方で、最初で体力を使い切ってしまうので後半で集中力が落ち、落車などが多くなります。

 

レース後半の方がタイムが上がる場合は良い傾向

コースを走りこむ事でライン取りが良くなっていき、体力を残せている証拠なので絞り切り方を覚えればさらなるタイムアップを狙えます。

 

シクロクロスで重要なのは「無駄な減速をしない」という事

コーナリングの脱出速度が上がれば不必要な加速が減り、結果的に体力を温存しつつ全体的な速度を上げられます

口で言うのは簡単ですが、それが出来れば苦労はしないんですけどね(笑)

 

シクロクロス

レース後と後片付け

順位はどうあれ無事にフィニッシュ出来れば満点!

計測タグを返却したらコースから出る選手の邪魔にならない場所まで移動し、地面に倒れ込みましょう(個人的にはこの瞬間が一番好き)

クールダウン走行を行うと疲労回復に効果があると言われているのでオススメしたいところではあるのですが、私の場合帰路に自走を伴うので試した事がありません(笑)

 

参加したカテゴリの表彰式は出来るだけ見に行きましょう

人数が少ない表彰式は寂しいので・・・

 

レース結果は運営テント付近に貼り出される事が多いですが、WEBのみというパターンもあります

家に帰るまで自分の順位を知らない・・・なんて事もまぁまぁある

 

会場に洗車場所がある場合は土汚れなどをおおまかに落とし、錆防止の為チェーンに水置換のオイルを注油しましょう(※水が付いたままだと家に帰るまでの数時間でも錆びます)

帰ってからの本洗車で洗い流すオイルなので、お手頃な価格の物で大丈夫です。

 

帰宅したらまずは汚れ物の洗濯

泥汚れが酷いウェアをそのまま洗濯機に突っ込むのは故障の原因になるので気を付けましょう

バケツやタライなどに水を張り濯ぐのがオススメ

洗剤を少量入れると泥汚れの再付着を低減出来ます

ある程度綺麗にしてから洗濯機に任せましょう。

 

 

シューズはブラシを使ってゴシゴシ洗う

表面が傷みますがこればっかりは仕方ないです

温水やシューズドライヤーの使用はソールの接着剤を傷める可能性があるのでメーカー非推奨の事が多いです(私は自己責任の元やりますが・・・)

当然ですが熱成型のシューズには使っちゃいけません。

 

 

自転車も洗う必要があります

水無し洗車でシクロクロスの汚れを落とすのは非現実的なので、水道が無いならバケツやジョウロなどでなんとかしましょう

最近は自転車洗車を専業にしているお店もあるので必要なら依頼するのも良いと思います

シクロクロスはシーズンで戦うスポーツなので、洗車の際に車体にトラブルが無いかを確認する事が重要です。

 

気を付けたいポイントの一つがフリーボディ内のグリスやオイル

レーシング系ホイールでは回転抵抗低減の為にフリー構造の防塵、防水シールが弱い事があります

特にMAVICやDT SWISS系ハブなどに採用される面ラチェット式フリーでは要注意

必ず洗車後に分解し、内部に土や水などが入っていないか確認したうえでグリスアップしましょう

ヘッドやボトムブラケットなど他部分のベアリングも洗車でオイル抜けしますが、シーズン初めにしっかりとグリスアップしてあれば大きなトラブルを起こす事は稀です。(泥のレースなどを走った場合は分解清掃とグリスアップをオススメいたします。)

 

シクロクロス

強くなるには経験値

シクロクロス競技の面白い所は脚力などのフィジカル的な差を、経験で補完する事で埋める事が出来る事だと思います

実際私はレースの為に身体を鍛えたりした事が無い通勤ライダーですが、長年続けた事で上位クラスを走る事が出来ています。(※当然ですがフィジカルはあった方が良い事を走っていて痛感しますが)

走行スキルも機材セッティング/メンテナンスも洗車などの片付けも、回数を重ねる事で少しずつスキルアップしていきます

コストは掛かりますが、強くなる為には回数をこなすというのが一番です。

 

次シーズンの関東近郊開幕戦は10/5の茨城CX土浦ステージ

都心からでも常磐線一本で一時間程度とアクセスも良く、平坦基調のイージーなレイアウトなので初めての方にもオススメです!

ただし、経験上雨になる事が多いので泥でも楽しめる方の方が良いですが(笑)

個人的にはお手洗いの環境がとても良い所がお気に入り

 

上記した通り、シクロクロスはポイント順スタートなので早めにシーズンインした方が後半も有利です

気になる方は是非エントリーしましょう!

 



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