【スタッフ試乗会】ホビーライダー対応機の最適解では⁉【DE ROSA】
by: 伊藤正樹

11月21日に参加しましたワイズロードスタッフ向けの試乗会、個人的にお気に入りになったロードバイク。

それはDE ROSA IDOL

1 只のミドルグレードに非ず
2 IDOLをIDOLたらしめているモノ
3 では、インプレッション
4 で、今ブログのタイトルへ

只のミドルグレードに非ず

イタリアの名門レーシングバイクブランドDE ROSAの放つカーボンバイク。上にはフラッグシップモデルのブランド創設70周年記念モデルにして創設者ウーゴ・デローザ氏が関わった最後のモデル、デザインはこれまたイタリアの名門プロダクトデザイン会社Pininfarina（ピニンファリーナ）が手掛けた※SETTANTA（70°）に、現在主流のロードバイクジャンルの1つである軽量オールラウンダーのDE ROSAからの回答として生み出され、トッププロでも活躍したことのあるMERAK（DE ROSAの伝統的レーシングモデルの名前にしてマセラティの往年のスポーツカーと同名という、またイイ歳したクルマ好きには刺さる名前）、下にはDE ROSAカーボンバイクの入門モデルながら、非常に好バランスでロードレースからブルべまでオールマイティに使えると評判な838と、モデル数は決して多くは無いながらもレーシングブランドしての軸を外さず、しかもモデルごとに独自のキャラを持たせるDE ROSA。そのミッドレンジを受け持つカーボンロードバイクがIDOL。IDOLも歴史が結構長く、2007年にレーシングモデルとして誕生して代を重ね、今モデルは第5世代にあたります。SETTANTAがウーゴ・デローザ氏が最後に関わったモデルであるのに対し、デビュー順では次モデルとなるIDOLは開発総指揮がDE ROSA CEO、クリスティアーノ氏（ウーゴ氏の３男）が、スタイリング・カラーリングの主導をクリスティアーノ氏の長男ニコラス氏（以前自身がカラーリング監修を手掛けたエントリーカーボンモデルNICKの名前元の人でもありますね。）が担当、とDE ROSAファミリーが一丸となって生み出したモデルとなります。

※：ブランド創設周年記念＆創設者が最後に関わったモデル＆デザインがピニンファリーナと、奇しくもかのフェラーリの伝説的スペチアーレマシン、F40とストーリーを同じくするところがまたクルマ好きに刺さる特別感を際立たせていたり。

IDOLをIDOLたらしめているモノ

やはりトップチューブからシートステーへ繋がる弓なりの弧を描く独特のデザインでしょうか。伝統的にこの弓なりデザインを踏襲してきており、今モデルも健在。しかもトップチューブからシートステーまでをフレームカラーに関わらずカーボン柄にすることでその特徴をさらに強調するデザイン。これらを手掛けたのが先にも書いたニコラス氏率いるデザインチーム。※「チェントロスティーレ」ってヤツですね。

※イタリア車ブランドの自社デザイン部門を自動車業界やメディアを始めクルマ好き界隈ではそう呼んでます。対して、SETTANTAやSK、現DE ROSAロゴをデザインしたピニンファリーナの様な外部デザイン・製造会社は「カロッツェリア」。

完成車標準で装着されるハンドルはイタリアのバイクパーツブランドVISONのカーボンエアロハンドルMETRON AERO ACR。所謂ミドルグレードモデルでこのレベルのハンドルが奢られるとは！

最大タイヤクリアランスは34C。最新ロードバイクトレンドの1つであるワイドタイヤ・ワイドリム幅のホイールにもきっちりと対応。

完成車標準装着ホイールはFULCRUM SONIQ AL 2-WAY FIT ready C23 AFS（STEALTHカラーの履いているホイール）。FULCRUM最新のワイドリム幅のアルミリムホイール。WHITEカラーの履いているホイールは有償オプションのCampagnolo SHAMAL CARBON。

今モデルの個人的デザインのハイライトはココ。トップチューブからシートステーの繋がりがカーボン柄で強調されることで、一本の川が二股に分かれて二連の滝になって流れ落ちていく様を彷彿とさせます。

では、インプレッション

ペダルの入力に対してドカンッという怒涛の加速やスパンッスパンッというハイレスポンスな反応＆加速ではなく、スイィィッとイイ感じに押し出されていくような加速。ナチュラル＋αな感じ。ダンシングをしてみるとこれまたリズムが取り易い。鋭く素早い振りやその逆のセンターに戻ろうとする強い戻しも無く、踏み込んだ力に絶妙なバネ感で反応して次の踏み込みに対応してくれる感じ。実に気持ちイイ走り。月並みな言い方ですが、いつまでも乗っていたくなる様なライド感。DE ROSAにおいてIDOLのジャンルはグランフォンド。プロレース向きというよりはアマチュアレース向き。誰よりも速くゴールを目指すというより確実にゴールを目指す、という感じですか。スプリントレーサーではなく耐久レーサー。なるほど、これならガチなシリアスライダーでなくても体力を温存して（しかも楽しんで）最後まで走り切れそうです。

で、今ブログのタイトルへ

アマチュアレース向きバイクでありますが、レースだけじゃなく休日にロングライドを楽しんだり、フィットネスの一環としてスポーツライドをしてみたり、街をロードバイクで颯爽と走り抜ける、というホビー系な乗り方をする人（正に自分）もいる訳で、というかそういった人の方が多いと思います。そんなホビーライダーな人達が初心者向けとか快適性に振ったモデルじゃなくて、趣味のモノだし凄くレーシーじゃなくても（勿論そっち系を選ばれてもオッケーです）走りも良くてデザインも良い（主観によりますけど）、何ならブランドネームもあるイイモノ感溢れるロードバイクが欲しいとなった時に、最適解の1つになると思いますね。個人的には最適解です。

12/21（日）現在、IDOLの在庫、新宿本館にございます。