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【まつののCicli通信】今だからこそ旧車の最適化を。
by: 松野 海丸

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こんにちは。新宿本館のまつのです。仕事柄、最新のロードバイクに乗る機会も多く、ディスクブレーキ、電子式変速が当たり前の時代、スルーアクスルによる足周りの剛性感や油圧ディスクブレーキの制動性、電子式変速機等の快適性に今も尚 感動を覚えています。そんな“今”だからこそ、古いバイクの乗り味を少しでも快適化させるのもおつなものです。最近はディスクブレーキの新型バイクばかりに乗っていて、これも育てていきたくはあるのですが、折角の機材資産。敬遠する理由が快適性やポジションであれば、そこを改善するのもアリでしょう。

 

旧車の最適化

私は現在複数のカーボンロードバイクと、フレームを所持しているのですが、半分がリムブレーキのカーボンロード。その中の1台はカーボンフレームでも重量はそこそこ。まぁ当時モノのエアロロードとしては悪くない重量感だと思います。リムブレーキの全盛期の時代モノです。今乗っている最新のバイクと比較しても、トップチューブもヘッドチューブも長めの仕様。これは私程度にとっては誤差の範疇に収まっているので、今のところ問題視していないのですが、ハンドルがネック。当時モノのハンドルとしても私にとっては少々アグレッシブすぎる、リーチ100mm越えのハンドルをアサインしております。因みにステムは他のバイクと同じセッティングの110mm。

 

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リーチとは、ステムのクランプ中心から、ブレーキレバーを取り付けるハンドル前方の一番張り出している部分までの水平距離を指します。このハンドルは当時モノとして、今では入手困難な代物ですので使っていきたいところ。私の所持している他のハンドルは大体リーチが80mm。これは比較的平均的な数値で、100mm以上のリーチが如何に長いかがお分かり頂けるでしょう。同じステム長でも、ハンドルのリーチが長いとレバー位置がその分前に出るので、ハンドルの位置が遠く感じられます。よって、このバイクに乗るときは、ドロップバーの上部ばかり持つようになっていました。

 

このような状況から今回、リーチの恐ろしく長いハンドルはそのままに、短いステムへの交換を試みたわけですね。今回着手したバイクは、イタリアンブランドをメインで組み上げた一台。フレーム、グループセット、ホイールすべてイタリアンブランドのもので組んであります。よって、イタリアンブランドのステムで探しました。

 

また、今回のバイクはエアロフレーム。ホイールもハンドルも今でも通用するゴリゴリのエアロロードである為、トラッドな形状よりも、空力性能を意識したエアロステムで探しました。

 

一番重要なのがステム長。ハンドルのリーチが長めの為、ステム長は引き算するしかありません。ここで意識したいのがステム長を変えることによる操作性の変化と運用面の特性。ステムは長すぎるとハンドリングの反応がもっさりし、逆に短かすぎるとクイックになりすぎる節があります。また、短すぎるとハンドルを切った際に、足に干渉する可能性があるということです。つまり、今回の場合はやたら目ったら短くすればいい訳でもありません。また、ステムがあまりにも短すぎるとルックスにもよろしくない為、注意が必要です。ステムの角度もゆるくなるものが多い中、今回は90mmか80mmで検討しました。80mmだと、なかなか攻めた短さ。小柄な方が使うサイズです。ただ、折角変えるのであれば、短いのもアリかな、なんて思っていました。そんな中、私が調べた中では短いイタリアンブランドのエアロカーボンステムに80mmという選択肢がそもそもあまりないということに気づきました。それもあって、攻めすぎない90mmを選ぶことにしました。

 

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別のブランドですが、110mmと90mmの同種ステムを並べてみました。ハンドル半分近くなるイメージでしょうか。

 

そして今回選んだのがこちら。

 

FSA K-FORCE LIGHT ST CARBON -6°

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90mm

税込¥53,790

 

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FSAはアメリカに本社(Full Speed Ahead)を置き、台湾で製造を行いつつ、イタリアにデザインや開発の拠点を持つ多国籍企業なのですが、私的にはFSAはイタリアのイメージ。次に台湾のイメージなのでヨシとしましょう。

 

 VISION METRON CARBONと悩んだ

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最後まで比較対象として挙がったのがVISIONのMETRON CARBON ステム。重量は100mmのカタログ値でFSAが193gでVISIONが194gとほぼ同じと言っても過言ではない値。そもそもVISIONは、2003年にFSAが買収しており、非常に近いブランド。ホイールでいえばCampagnoloとFulcrumの様な立ち位置ですから、FSAとVISIONで近似したアイテムがリリースされているのもあながちおかしくはない訳です。

 

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 FSAとVISIONのスペック値をまとめてみると、かなり共通点が多く、これはもうデザインの違いでしかないのじゃないかというレベル。サイズラインナップ、重量、角度、クランプスタックハイトと、かなり近似しています。フェイスプレートの素材が正確にはFSAが“アロイ”、VISIONが“アルミ”という表記になっています。。自転車などで“アロイ”と言う場合、大抵はアルミをベースに他の金属を混ぜたアルミ合金(アルミ製のアロイ)を指しています。つまり、大体同じということです。本記事投稿現在の参考価格は税込みでFSAが¥53,790、VISIONが53,900。その差僅か100円強。

 

FSAを選んだ理由

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では、今回はなぜFSAを選んだのか。それは、言ってしまえば完全に“好み”なのですが、今、別バイクでVISIONを既に使用しているのと、VISIONの方が最近のイメージがあるので、古いバイクにはFSAがあっているかなという感覚。また、もし別のバイクに組み替えた場合にFSA K-FORCEシリーズの方がハンドルの選択肢が広がるな。というところです。ルックスも若干影響しまして、両者の違いはフェイスプレートの形状です。VISIONは全面を覆うような形状なのに対して、FSAは作業性の高い肉抜き構造。まぁコレも完全になんとなくの好みです。

 

 測定のお時間。

100mmのカタログ値重量は 193gですが、実際に測定してみましょう。ステムには、シムも付属しています。

 

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シムを除いた全体の重量は185g。カタログ値193gと比較すると8g軽いですが、このカタログ値はシムなどを含んだものなのでしょうか。せっかくなので、バラして細かく重量を測定してみましょう。

 

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トップキャップの重量は17g。

 

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トップキャップを締めるボルトの重量は8g。

 

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フェイスプレートの重量は25g。

 

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そのフェイスプレートをクランプするボルトのうちの1本は2g。

 

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付属のシムは13gです。 

 

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シムと専用のトップキャップとボルトを除いた重量は162g。

 

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シムとトップキャップとフェイスプレート、ボルトを除いた、純粋なステム本体だけの重量は127gでした。

 

FSA K-FORCE LIGHT ST CARBON -6°

だから何だという話ですが、重量という数値で見えるスペックを確認するのは楽しくてやめられません。

 

取付け・使用感

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ステムを現在の110mmから20mm短い、90mmにします。ハンドル1本分手前に来るイメージです。併せてベタ上げだったステム高をコラムカットを行いハンドル位置を下げました。ワイヤー類は半外装式のリムブレーキ車の為、作業性は悪くありませんが、ブレーキワイヤーの調節が必要な場合があります。

 

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より手前に、低くしたハンドルは、リーチの長さと相まって、ちょうどいいブラケット位置に。上ハンドルを持つとかなり前傾を起こせるようになりました。これでちょっと距離を伸ばしてもいいかなと思える1台に生まれ変わりました。他の車体ではすべてステムハンドル一体型のものを使用していますが、極端にリーチが長いハンドルは少ないですね。フル内装、リーチも80mmほどであれば、一般的な長さのステム長を選んでもよさそうです。今回の例はやや特殊かもしれませんが、人体というのは胴長と股下の比率が皆違います。オーダーメイドのフレームでない限りは、今乗っているバイクのポジション感に違和感を感じる場合があります。また、使い方や日々の体形の変化、成長や柔軟性によってもポジション感は変わってくる可能性はありますので、そんなときはパーツでの微調整が有効です。当店ではサイズ至上主義ということで、できる限りサイズの合ったフレームを御案内していますが、バイクの楽しさはスペック以上にサイズ感が決めるものです。

 

また今回はメンテナンスの快適化、軽量化ということで、足回りに手を入れていきます。

 

TPUチューブ

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EXARとパナレーサーのTPUチューブです。EXERはリムブレーキの車体に、パナレーサーはディスクブレーキの車体に使用しています。車輪の軽量化は走りの向上に効果テキメンですが、高価なタイヤにかえたらチューブも一緒に軽量なTPUチューブに交換してあげましょう。

 

CLIK VALVE CLIK バルブコア&アダプターセット

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そして今回はバルブにもテコ入れ。先述のTPUチューブをCLICKバルブにします。

 

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画像左側が仏式バルブ、右側がCLICKバルブです。

 

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店頭のモックを触り感動したCLICKバルブ。カポっとヘッドをバルブに差し込むだけで即ポンピングができます。

 

PARKTOOL VC-1 バルブコアツール

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使用する工具は、バルブコアツール。

 

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CLICKバルブにバルブコアツールは付属していますので別途用意しなくてもよさそうですが、パークツールのこちらのバルブコアツールは非常に質感が高く、所有欲も満たせる工具となっていますので自分はこちらを使用しています。 

 

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仏式のバルブコアを取り外してCLICKバルブを設置します。

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できました。パナレーサーのTPUチューブに設置しました。非常にすっきりとした見た目。

 

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米式のポンプヘッドにCLICK バルブのヘッドを取り付けて空気を入れていきます。

 

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従来の仏式バルブに比べて 約1.5倍のエア流量で、ヘッドを差し込むだけで空気入れが開始できました。特に、ねじ込み式のポンプヘッドの場合、空気を入れた後にバルブからヘッドを取り外すのにバルブコアも供回りしてしまうなんてことがあったので、改善が期待できます。

これからのオンシーズンに向けて、“バイクの最適化”は如何でしょうか。


  


 

 

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