DURA-ACE最新モデルR9200系の仕様を確認しました。
by: 田中廉

待ちに待った新型のコンポーネントが発表されましたが私も興味津々です！
DURA-ACE搭載の完成車も店頭に入ってきてますので確認いたしましたが、しっかりフルモデルチェンジしております。
今回はせっかくなんで写真を見ながら最新モデルについて考えるブログを上げていきたいと思います。

1 新しくなったドライブトレイン
2 エアロ化を果たしたインターフェイス
- 2.1 STIレバー
3 ブレーキシステムはコントロール性と整備性を向上

新しくなったドライブトレイン

最新作は新たに設計された最新のドライブトレインへと一新されております。

12速化

リアの変速段数は12段へとパワーアップ！

前作スプロケットはロー側スパイダーにカーボンを使用していましたが、12速化に伴ってより高い工作精度が求められたためアルミ製へと変更。軽量性を追い求めるためにロー側のコグにチタン素材を使用するのは従来型と共通しております。

気になる互換性ですが、従来の11Sフリーボディにも装着可能な設計になっておりますのでホイールとの互換はあり。
しかし、最新の12Sスプロケットはスポーク側へオフセットしているのでホイールとの相性によっては使用不可なものもございます。

クランク

クランクは構造から見直しを図り、駆動剛性を増すために先代比較で左右クランクアームをワイド化。さらに従来接着工法を採用していた左クランクは中空鍛造による一体成型品に進化。剛性を高めつつシューズとの接触を最小限にとどめるよう、アームの中央部分にくぼみをつけた設計を採用。
パワーメーター搭載型のモデルも後日リリース予定となっております。

リアディレイラー

リアディレイラー（以下RD）は最新の変速システムに合わせた設計に変更。
今回の大幅変更点の一つで、充電やジャンクションボタンはRDで操作することになります。機能拡張も素晴らしく、最大34Tまでのスプロケットに対応可能な他、前作より58％変速速度が上昇しております。無線の受信部も備えており、今回の変速システムの核になっているのは間違いないでしょう。

フロントディレイラー

フロントディレイラー（以下FD）は前作よりも全体的にコンパクトな仕上がり。
重量を96ｇ削減したほか、変速速度も45％向上。
RDもそうですが目視で確認してもレスポンスの向上が見込めるので実際の走行時の恩恵はかなりのものだと思います。前作まではワイヤータイプと同じ動きを電動で再現していたのですが、今作は電動用に動きも一新することで上記のような素早い変速を可能としております。

エアロ化を果たしたインターフェイス

STIレバー

昨今のエアロ化の流れをくみ取り外観設計は空力を意識した設計へとシフト。
レバーに関してはエレクトリックワイヤーを廃止。
RDまでの連絡を無線にすることで、余計なワイヤーを減らし、より確実な電力供給を可能としました。バッテリーはボタン電池を採用、電池寿命は1年半から2年と持ちますので長期使用にも対応。
接続はシマノ独自開発のワイヤレスICであり、セキュリティを保ちながら高速処理と消費電力低減を実現。

サーボウェーブ・テクノロジーによりブレーキのコントロール範囲を拡張。さらにレバーに直接リーチアジャスト機能を搭載することで16.4ｍｍレバーの距離を変更可能となりました。

ブレーキシステムはコントロール性と整備性を向上

前後ブレーキはワンピース構造により小型軽量化

従来型はブレーキの強さに定評のある設定でしたが、今回はブレーキキャリパーのパッドクリアランスを10%拡大し、レバーのコントロールエリアを13%広げることで、パッドとローターのクリアランスを拡大。コントロール性の拡大と共に、ローター接触による音鳴りの改善もされています。
ブリーダーを見直し、エア抜きやオイル交換が容易になった事で、レーサーのみならず一般ユーザーにも恩恵のある進化を遂げています。

少し長くなりましたが今回かなり大幅なパワーアップを果たしております。

「ブレーキシステムの改善」「11Sフリーボディの互換」「クランクの見直しによるシューズの接触改善」等はホビーライダーの方にも非常に恩恵の高い進化だと思います。
間違いなく今期大注目のカスタムパーツです。既にDISCブレーキをご利用の方ならコンポの載せ替えを検討してみるのもアリです。

ご興味のある方は新型搭載の完成車もございますので是非一度ご来店下さい！