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【パワートレーニング】速く、楽に!貧脚こそ効果大!【⑦お役立ち情報】
by: 永平 宏行

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このブログは、
中年のブランクライダーが、パワートレーニングを通して、
脚力を回復した喜びを、大した脚力でも無いのに
恥を忍んであえて綴り、パワートレーニングの素晴らしさを
他の多くのライダーにも広めようというお節介なブログです。

 

 

第1回「エビデンス」
第2回「動機」
第3回「やったこと」
第4回「パワートレーニングのメリット」
第5回「どんなパワーメーターがある?」
第6回「パワーは青天井?」
第7回「お役立ち情報」 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

最終回の今回のテーマは、お役立ち情報。

 

 

今まで紹介したパワトレの基礎以上の応用的な話や、
パワトレに取り組む上での注意点などについて紹介します。

 

 

 

 


 

 

 

 

【FTPだけでいいのか?】

 

 

私の個人的な経験をベースにこのブログを書いてきたので、
パワトレの主眼がFTPを上げることかのように読めてしまうかもしれません。

 

 

が、決してそんなことはありません。
FTPは重要な要素ですが、パワトレの全てではありません。

 

 

第3回で紹介した7つのパワーゾーンが示すように、
「運動」という言葉の裏には、
様々な生理的な反応が隠されています。

 

 

FTPを強化するトレーニングをし続ければ、
巡航速度や、持久力は上がるでしょう。
結果、レースやグループライドで、
集団に置いて行かれることは減るでしょう。

 

 

しかし、突然のペースアップやアタックのような、
スピードの上げ下げが起こると、
とたんに置いて行かれてしまうかもしれません。

 

 

これは、その運動強度域でのトレーニングが足りないからです。
FTPを強化するトレーニングは、L4レベルまでです。
L5の最大酸素摂取量(VO2max)、
L6の無酸素域、
L7の神経筋域、
といったレベルを鍛えるには、
そのレベルでのトレーニングが必要です。

 

 

自分のように、

 

 

・ファストランの巡航速度を上げたい
・ヒルクライムの能力を改善したい

 

 

という「目的」なら、
FTP強化トレーニングで十分ですが、
レースに出場し、勝負に絡みたい、
と考えているなら、L5レベル以上の能力強化も欠かせません。

 

 

 

詳しい練習メニューは専門書に任せますが、
メニューは、それぞれのレベルの標準的な運動時間での
インターバルトレーニングとなります。

 

 

例えば、

・L5なら3分~5分
・L6なら1分
・L7なら10秒

という時間単位でのインターバルトレーニングです。 

 

L6やL7といった、高強度の運動では、
心拍は実際の運動に遅れて反応するので、
運動の指標には適していません。

 

 

実際の運動にタイムラグなく反応するパワーメーターでなければ、
こうした高強度の運動の正確な運動の指針にはなりません。
パワーメーターの真骨頂発揮といったところです。
そして、悩みどころの「有効なインターバルの回数」まで、

パワートレーニングなら、正確に判断が付くのです。
心拍トレーニングでは、こうは行きません。

 

 

 

 

やはりパワートレーニングは、目的に沿って、

 

 

「鍛えたいところを、ピンポイントに鍛えられる」

 

 

という効率性が光りますね。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

【ピーク調整ツールとして活用する】

 

 

ただトレーニングに使うだけでなく、
オーバーリーチ(短期的な疲労超過)と、
オーバートレーニング(長期的な疲労超過)を避け、
逆に追い込み不足も避け、

「調子」のピークを狙ったタイミングに持ってくるための
分析・調整にも、パワーは活用できます。

 

 

 

その為の指標が、

 

 

TSS:Training Stress Score

 

 

です。
大抵の解析ソフトでパワーからTSSを計算させることができます。

 

 

一般的に、以下のように疲労度を分類します。
(パワートレーニングバイブルより)

 

 

TSS<150   強度:低い      通常は翌日には完全に回復
TSS150~300 強度:中程度   翌日はやや疲労が残るが通常は翌々日には回復
TSS300~450 強度:高い    翌々日でもいくらか疲労が残ることがある
TSS>450   強度:かなり高い  数日間は疲労が残る

 

 

 

 

さらに、このTSSを長期間集計することによって、

 

 

「短期トレーニング負荷(ATL)」
(お疲れ度 ( ´△`))

「長期トレーニング負荷(CTL)」
(累積的なトレーニング効果 v(・_・))

「トレーニングストレスバランス(TSB)」
(調子:プラスなら「元気」 ヽ(^◇^*)/)

 

 

が「数値」で算出できます。

 

 

すごいですね。
頭のいい人は考えることが違います w(゚o゚)w

 

 

 

目指すレースやイベントに向かって、
負荷を調整し、調子を上げる「ピーキング」を、
勘ではなく、数値で管理できます。
ちなみに、持久的な運動の場合は、
TSBが必ずしもプラスである必要はないそうです。

詳しくは「パワートレーニングバイブル」をご参照ください (・・*)ゞ

 

 

 

 

 

TSBの管理は、有料のトレーニング管理&コーチングサイト、
「TRAINING PEAKS」で解析するのがメジャーです。
(というかTSB自体、この人たちが作ったコンセプトですから本家です)

 

 

 

ホーム画面

 

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カレンダー画面

 

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そしてこれがTSBの集計画面。
パフォーマンスマネージャーという名称です。
ATL、CTL、TSBの推移がグラフで直観的にわかります。
残念ながら?パフォーマンスマネージャーが使えるのは、有料会員のみ。

 

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TRAINING PEAKSの有料コンテンツで凄いのは、
目標とするイベントまでのトレーニングプランを自動作成してくれること。

パワトレバイブルを読み解いて、自分で計画を立てる労力を考えたら、
有料会員になってしまうのも手ですね。

 

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「何だよパフォーマンスマネージャー、有料かよ」
と思った方へ。 
β版ながら、じてトレさんの表計算ソフト
「TSBシミュレーター」
ならフリーでダウンロードできます。
TSSを手入力する必要があるので、手間ですがお金はかかりません。

(両方とも試しましたが、同じデータを用いても、計算結果に多少のズレが出ました)

 

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グラフ表示もできます。

 

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TSBの集計には、当然ながらパワーメーターを使った
トレーニングしか反映されていません。
なので、パワメの無い2台目の自転車でのライドとか、
仕事や、家庭での疲労は加味されません。
そこは「体の声に耳を傾ける」という当たり前の注意が必要ですね。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

【いきなり高強度のトレーニングをしない】

 

 

趣味で乗っている自転車で体を壊しては元も子もありません。

 

 

パワトレについて書かれた個人ブログやSNSを見ていると、
L5以上の高強度のインターバルを○分×○回やった!(耐えた!)
的な記事が多く見られますが、

 

 

・初心者の方
・体力が無いと自覚している方

 

 

は、いきなり真似をしないように!

 

 

負荷の強さにきっとパワトレ嫌いになります。

 

 

 

 

まずは、

 

 

「パワトレできる基礎体力」

 

 

を養いましょう。

 

 

 

L1、L2レベルの運動を2時間~3時間継続できる「基礎体力」がないと、
その上のレベルの運動へは進めません。
(お勧めしませんし、効果も期待できません)

 

 

トレーニングは、過負荷の原則、反復性の原則で効果が出ます。
過負荷と言っても、いきなり高負荷はだめで、
継続的に(反復性の原則)、
徐々に負荷を上げる(過負荷の原則)ことがポイントです。
例えば、通勤ライド+週末のロングライドを低強度で
(初めはポタリングでもよい)
継続的に数か月取り組めば、初めはキツく感じても、
徐々に楽にこなせるようになるはずです。

 

 

この、「運動を低強度(L1、L2レベル)に収める」為の管理にも
パワーメーターは使えます。
決して、高強度のゼイゼイする運動を管理するだけが
パワメの役割ではありません。

 

 

 

急がば回れ。
まずは、パワトレするための体力の土台をじっくり作りましょう。
自分もブランクから復帰するために、1年かけて
「普通に運動できる体力」
を養いました。
その上での、パワトレです。

 

 

 

 


  

 

 

 

【栄養補給と疲労回復が体を作る】

 

パワトレに夢中になると、ついつい体力が伸びるのが嬉しくて、
睡眠時間を削ったり、体のケアを怠ったりしがちですが、

 

 

「休む」

 

 

事が体を作るという事を忘れないようにして下さい。
トレーニングにおいて、休むことは「負け」を意味しません。
(もちろん、適度な休みならの話。休みすぎでは効果は出ません)

 

 

 

栄養バランスを考慮した食事を摂り、体の材料を切らすことのないように。
十分な睡眠をとり、体を回復・成長させましょう。
凝り性の人、まじめな人で、ここが疎かになるケースがあるようです。
何ごとも「ほどほど」が大事ですね。

 

 

 

あと、「ケア」と言えば、

 

 

「ストレッチ」

 

 

もお忘れなく。

・体が硬い
・血行が悪い
・脚がつりやすい

といった自覚があるなら、効果が期待できます。

 

 

 

 

 

自転車乗りなら、

 

 

・ふくらはぎ
・ハムストリングス
・もも
・お尻
・背中
・肩
・首

 

 

の基本的な伸ばし方を覚えておきましょう。

 

 

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↑入門書が沢山出ているので参考に
これは「ストレッチメソッド」という本
スタティックとダイナミックの両方のストレッチが載っています

 

 

運動後やお風呂上りに行うと、血行を促進し、
疲労物質を除去する効果が期待できます。

 

 

 

運動前のストレッチは、
筋肉が緩み、運動能力が低下するとも言われていますが、
楽しみで自転車に乗っているレベルであれば、
気にする必要はないと思います。
(気になる人は、動的ストレッチを行うか、
アップを長めに、かつ高強度まで上げるのが良いでしょう)

 

ホビーで乗る分には、ライド前のストレッチは効果はあっても、害はありません。
特に寒い時期には、故障予防にもなります。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

【まずは正しいフィッティングと正しいスキルを】

スポーツ自転車は、まずここから。
そもそものポジション、フォームが悪いと、
トレーニングの効果が期待できないだけでなく、
怪我・故障の原因にもなりかねません。

 

 

何より、気持ちよく乗れません!

 

 

まずは、当社の「バイオレーサー」などのフィッティングサービスを受けて、
自身の標準的なポジションを知って、愛車に落とし込みましょう。
(バイオレーサーなら、バイオレーサー5000以上のサービスがお勧めです)

 

 

2人のチャンピオンが認めた!大バナー

 

 

 

ポジション、フォームと同じくらい大事なのが、

 

 

「スキル」

 

 

ペダリング技術が未熟なのに、
パワトレで頑張って、フィジカルが向上したとしても、
せっかく向上したフィジカルを「推進力」に変える能力が低ければ、

 

 

「本来得られただろう効果に及ばない」

 

 

でしょう。

 

 

どうせなら、頑張ってトレーニングした成果を、
ロスなく推進力に変換したいですよね。

 

 

だから、スキルが大事なのです。

 

 

パイオニアのペダリングモニターなら、
スキルを数値化、可視化できるのです。

 

 

↓解析サイト「シクロスフィア」上でのペダリングモニターの画面

 

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 16年のシーズンベストの20分MMPを記録した際のペダリングモニター。
円形の図の左がベクトル表示、右がトルク表示。
トルクのピークは、3時になるのが理想的。
通常、ベクトルは4時以降も伸びて無駄足を使いがちなのですが、
この時は斜度のきついヒルクライムという事もあり、ベクトルとトルクの分布がほぼ一致しました。

 

 

 

さらに、スマホアプリ「トレーニングアシスト」で、
パーソナルトレーナーにまでなってくれます。

 

 

↓トレーニングアシスト機能の概要

 

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↓スマホアプリの画面

 

「トレーニング入門」
「パワートレーニング入門」
「ペダリングトレーニング入門」
の3コースに多彩なメニューが用意されている。

 

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画像引用元:http://pioneer-cyclesports.com/

 

 

お勧めですよ♪
(パイオニアさんの回し者ではありません)

 

 

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12月某日、トキガワベースにて、パイオニアの営業様。
地道な普及活動、恐れ入ります。
中の人は、回し者ではありませんが、パイオニア押しです!

 

 

 


 

 

 

 

 

【公道でのトレーニングは安全第一!】

何もパワトレに限った話では無く、
自転車に乗る時は必ず意識したいのが、

 

 

 

「安全!」

 

 

 

自宅でローラー練なら、自分の世界に没入してもOKですが、
公道では、まず歩行者、ランナー、他の交通手段などとの

 

 

「共存」

 

 

を第一に考えてください。

 

 

 

 

モニターの数字とにらめっこするようなトレーニングをする際は、
特に気を付けてください。
高強度の場合は、なおさらです。

 

 

 

道路はみんなのもの。
他者と共存して、安全に、スマートに、
楽しくトレーニングに取り組んでくださいね。

 

 

 

 


 

 

 

 

いかがでしたか。

 

 

7回に渡り、

 

 

 

「普通の中年」

 

 

 

視点で、パワートレーニングについて綴ってみました。 

 

 

今までは、パワーメーターも、パワートレーニングも、
一部の

 

 

 

「競技者」

 

 

 

の為の特別なツール、特別なトレーニングでしたが、
10万円を切る価格で、パワーメーターが手に入るようになった昨今、

 

 

 

「みんなのパワトレ」

 

 

 

という時代が到来しようとしています。

 

 

ネットを見渡せば、

 

 

「普通の人」

 

 

がパワトレに励んでいる、
パワトレで結果を出している、
そんな情報があふれています。

 

 

人それぞれ、自転車で目指す場所は違っても、
その「それぞれ」に役立つ使い方がある機材がパワーメーターです。

 

 

 

皆さんも、

 

 

 

「過去最高の自分(パーソナルベスト!)」

 

 

 

を目指して、パワトレ、始めましょう!

 

 

 

 

 

ここまで駄文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
パワートレーニングで、皆さんのライドがより充実したものになりますように。
この拙いブログが、その一助になれれば幸いです。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

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