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【ライドログ6】通勤SSTの実際は?【NPとVIを考えてみる、って何そのアルファベット(`ヘ´) 】
by: 永平 宏行

バイオレーサーの中の人です。

 

 

 

 

文中のパワトレ用語については↓こちらで解説しています。

 

パワトレ用語集

 

 

 

 

普段、週2~週3ペースで
往復40kmの通勤ライドをしていますが、

通勤ライドの帰路は20分のSST(スイートスポットトレーニング)
を入れています。

 

 

SSTとは、効率的にFTPの向上が見込める
運動強度のトレーニングです。

 

 

温かくなったらFTP域そのものでのトレーニングや、
FTPの上のL5(VO2Max)でのトレーニングも行いますが、
おっさん的には体に無理させず、緩急付けようという考えです。

 

 

でも実際のところ、パワトレ定番のローラー練ではなくて、
通勤の実走で信号待ちとかあるけど、
ほんとの所、運動強度はどうなん?

 

 

というのが今回のお題。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

運動が途中で短時間中断されたり、
運動強度の上下が多い場合、

平均パワーは、実際に体にかかった
負荷を見るには不適切です。

そこで、

 

 

 

 

NP(Normalized Power=標準化パワー)

 

 

 

 

の出番です。
ざっくり言うと、
「強度の上げ下げはあったけど、
実際のところ、このぐらい体に負荷がかかってたよね?」

という計算上のパワー値です。

 

 

今回は通勤SSTを題材にしていますが、
レースやファストランで、コーナー、先頭交代、
下りで脚を休ませる等のシチュエーションでも、
こうした運動強度の緩急は付きますよね。
そんな時の生理的負荷を正しく評価できる便利な値です。

 

 

 

 

計算式は、

 

 

・30秒ごとの平均パワーを算出する
・それぞれを4乗する
・それらの平均を出す
・その4乗根を算出する

 

 

という、文系の自分にとっては摩訶不思議なもの。
理系の人って凄いな~ w(*゚o゚*)w

 

 

 

 

NPは、運動が中断されたり、強度が下がった時間も続いている、
「直前の運動によって、遅れて出てきた生理的負荷」
も反映しているので、
「実際のところ、このぐらい体に負荷がかかってたよね?」
が分かる訳です。

 

 

 

 

TTや一定ペースのヒルクライムで、
運動の緩急があまりなければ、
NPは平均パワーに近くなります。

 

 

 


 

 

 

 

 

と、NPの定義が分かったところで、
通勤SSTの値を見てみましょう。

 

 

ターゲットとなるSST域の値は、
現在210~221W。
(FTPの88%~94%)

 

 

昨夜の記録は、
↓平均203W。
目標より低いやんけ!
ではなくて…

ペダリングモニター170119

 

 

 

 

↓NPは218W。
きちっと目標の負荷を与えられたようです。

サマリー170119

 

 

 

 

↓そんでもってSST走のラップのパワー推移。
信号待ちや車のペースに合わせたりで、
パワーが低下しているのが分かりますね。

時系列グラフ170119

 

 

 

 

平均化すると、このパワーが低下した値に引っ張られて、
実際の生理的負荷よりも低いパワー値となりますが、
NPであれば、トレーニング負荷を正しく評価できる訳です。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

表題に掲げた、もう一つのアルファベット。

 

 

 

 

VI

 

 

 

 

これは、
Variability Index=変動性指標の略です。

 

 

VIは、

 

 

NP÷平均パワー

 

 

で求められ、
「どれだけ運動中のパワー変動が大きかったか?」
を表しています。

 

 

一口に自転車と言っても、
運動の種類は様々で、
一定ペースのTTから、
スピードの上げ下げが多いクリテリウム、
登り下りを繰り返すMTBのクロスカントリーと、
「運動中の運動強度の変化の幅」は様々です。

 

 

それが、このVIを使うと比較ができるわけですね。

 

 

上に挙げた通勤SSTのVIは、
1.07

 

 

ヒルクライムや平地でのロードレース(1.00~1.06)
より少し上、

平地でのクリテリウム(1.06~1.35)
の下の方と同じくらいの

変動性を持った運動だったことが分かります。

 

 

ちなみに、他の種目のVIはこんな感じです。

 

・平地でのTT 1.00~1.04
・アップダウンのあるクリテリウム 1.13~1.50
・アップダウンのあるロードレース 1.20~1.35
・MTBのレース 1.13~1.50
(値は全てパワートレーニングバイブルより)

 

 

 パワトレの定番と言えば、ローラー練ですが、
ローラー練は安定して練習できる反面、
一定ペースの練習だけだと実走の
上げ下げへの対応力が下がります。

 

なので、応用的というか上級レベルのローラーメニューでは、
わざと不安定にするために、SSTやFTPトレーニングの合間に
高強度のL5域を挟んだり、L6域のダッシュを入れたりしますね。

 

 

ローラートレーニングのVIを計算して、
自分が目標としているレースの標準的なVIと
比較すれば、実戦的な練習が出来ているかの
確認ができますね。

 

 

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