2017/06/09 11:01
【パワトレ】パワートレーニング用語集【試験に出るかもよ?!】
by: 永平 宏行
バイオレーサーの中の人です。
「パワトレ」もだいぶ浸透してきましたが、
まだまだその「用語」(FTP?NP?IF?VI?など)については、
疑問だらけの方が多いのではないでしょうか。
それらの用語を理解していただけるよう、
この投稿では、用語と解説をまとめてみました。
並びは「かなの読み順」です。
アルファベットもそのまま「読み」です。
例 TSSの場合
○:てぃーえすえす
×:とれーにんぐすとれすすこあ
※数字は数字のままです。
希望の語句をサクッと見つけたい場合は、ブラウザの検索機能で
調べたい語句を入力すれば、その語句にアクセスできます。
(キーボードのCtrl+Fで、検索ウィンドウを出して、そこに語句を入力して検索)
文字ばっかりで堅苦しいですが、その点はご容赦ください。
また、疲労プロフィールや4分割分析などのより専門的な内容には触れていません。あくまでY’sパワトレブログの中に登場する用語を中心に構成しています。
用語 | 解説 |
IF |
Intensity Factor=運動強度。FTPを基準にした運動強度の目安。FTPを「1」とした時に、比較対象の運動強度がどの程度かを表す。NP(ノーマライズドパワー)÷FTPで計算する。
IF<0.75 L1回復走
パワーの絶対値ではないので、ライダー間の運動強度を比較する物差しとして使える。FTP200WのライダーAと、FTP300WのライダーBだと、同じ耐久走レベルの負荷で運動してもパワーの「値」は異なる。しかし、その時のIFは2人とも等しくなる。仮に2人ともIFが0.75~0.85の範囲に入っていたならば、2人に掛かった身体的負荷は同じ耐久走レベルだったと言える。
もし60分全力走のインテンシティーファクターが1を超えるようなら、解析ソフト上のFTPの設定を更新しなければならない。理由は、60分全力走の平均パワー=FTP=IF1.0であるから、60分全力走のIFが1を上回る事はないため。定期的にFTPテストを行い、ソフト上のFTPの設定を正しく更新しないと、運動強度の指標としての正確性が担保できない。
インテンシティーファクター自体には時間の概念は無いので、同じIF1.0の運動でも20分と60分では、トレーニング負荷は異なる。時間も含めて負荷を数値化したものがTSSである。 |
インターバルインテンシティー |
ある運動時間における、過去の最大平均パワー(MMP)に対する、比較対象の運動強度の比率。20分MMPの自己最高記録が300Wのライダーの、あるライドの20分MMPが280Wだった場合、インターバルインテンシティーは、280÷300=0.93となる。
インターバルトレーニングのMSとRESTの強度・時間配分の適切さを判断する指標にもなる。インターバルトレーニング全体(MSとREST)のインターバルインテンシティーが、70%~90%になるのが適切な範囲。
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SST |
Sweet Spot Training。FTPを向上させるのに最も効率の良いトレーニング。FTPの88%~94%の運動強度。
FTP向上メニューの定番は、WU L2 10分、MS SST20分、REST L2 10分、MS SST20分、CD L1~L2 10分。 |
NP |
Normalized Power=標準化パワー。運動強度を表せるよう補正したパワー値。
計算方法は以下の通り。
平均パワーとNPの比である、VIでその運動がどの程度の「上げ下げ(変動幅)」があったかを表せる。VIを参照。
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FTP |
Functional Threshold Power=機能的作業閾値パワー。1時間継続できる上限のパワー値。持久的運動能力の指標として使われる。
計測方法はコーガン式が主流で、20分間の全力運動をした際の平均パワー(20分のMMP)×0.95で求める。この方法を採るのは1時間の全力運動は、体力的にも精神的にもきつく、継続的に何回も取り組むには無理があるため。
FTP=運動能力ではあるが、必ずしもFTP=速さとはならない。FTPはあくまで速さを構成する一要素であり、速く走るためにはFTPの他にスキルやフォーム、ペース配分や、レースであれば駆け引きなど他の要素も大きく影響する。 |
MS | MS=Main Set。メインセット。インターバルトレーニングにおける強度の高いパート。MS:2×5分L4などと表記する。 |
MMP | Mean Maximal Power=最大平均パワー。任意の運動時間における、平均パワーの最大値。 用例「20分MMPは先月280Wだったが、トレーニングの成果でMMPを更新し、今月は285Wに上昇した」など。 60分MMP=FTPとなる。 |
L1 | LEVELを参照 |
L2 | LEVELを参照 |
L3 | LEVELを参照 |
L4 | LEVELを参照 |
L5 | LEVELを参照 |
L6 | LEVELを参照 |
L7 | LEVELを参照 |
LT | Lactate Threshold=乳酸閾値。LTとはぎりぎり疲労せずに長時間続けられる有酸素運動の限界値。パワートレーニングのL4領域にあたる。FTPもこの領域に含まれる。 関連記事 【ライドログ】小さな峠を、三回登る【LTインターバル】 |
回復走 | LEVELを参照 |
KJ |
キロジュール。エネルギー、熱量、仕事の単位。1Jの1000倍。1Jは約100gの物体を1m持ち上げる際に必要なエネルギー。単位が違うだけで、Kcalと表そうとしているものは同じ(熱量)。
1Kcal=4.184KJであり、1Kcalは1KJの約4倍。ただし、運動で消費したカロリーに換算する場合は、運動の際の熱効率が約1/4であることを考慮して、おおよそ1:1と考えても実用上支障ない。あるライドでパワーメーターで計測された仕事が2000KJだった場合、2000Kcal消費したということ。
脂肪を1Kg減らすのに必要な熱量は約7200Kcalと言われており、すなわち7200KJの熱量を消費する運動が必要となる。 |
CD | CD=Cool Down。クールダウン。トレーニングの最後に行う強度の低い運動。心拍を落ち着かせ、疲労物質の新陳代謝を促し、疲労回復を促進する。 |
神経筋パワー | LEVELを参照 |
ZONE | FTPを基に設定する運動強度の基準。略称「Z」で表す。LEVELと同意。LEVELを参照。 |
耐久走 | LEVELを参照 |
WU | WU=Warm Up。ウォームアップ。トレーニングの前に行う暖気運動。メインセット(MS)の高強度の運動に備えて、体を温めるために行う。心拍を上昇させ、筋肉の血液循環を活発化させる。 通常10分~15分程度、L1~L2強度で行う。 間に高回転ペダリング1分×数本で刺激を入れることもある。 |
TSS |
TSS=Training Stress Score。疲労度を表す数値。強度と時間の両方が反映されている。この数値を用いることでオーバートレーニングを防ぎ、トレーニングを適切な負荷の範囲で管理できる。
一般的に、以下のように疲労度を分類。
TSS<150 強度:低い 通常は翌日には完全に回復
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テンポ走 | LEVELを参照 |
乳酸閾値 | LEVELを参照 |
パワーウェイトレシオ |
体重1kgあたりのパワー値。Power Weight Ratio=PWRと略す。
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パワープロフィール |
特定の運動時間における、MMPのパワーウェイトレシオを並べ、ライダーのレベルと脚質(得意・不得意)を分析するためのツール。
MMPを抽出する運動時間は、5秒、1分、5分、60分(20分)が一般的。これらの時間は、それぞれ、5秒:L7(神経筋域)、1分:L6(無酸素域)、5分:L5(VO2Max域)、60分:L4(乳酸閾値域)に相当する。
コーガン博士らが作成したパワープロフィールの一覧表に当てはめることで、自身が全アスリートの中で、どの運動強度なら、全体の中でどの程度の位置付けなのかがわかる。
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VI |
Variability Index=変動性指標。平均パワーに占めるNPの割合。運動強度の変動幅を表す指標。NP÷平均パワーで求める。
以下は標準的なVIの値。
・ヒルクライムや平地でのロードレース 1.00~1.06 |
VO2max |
最大酸素摂取量のこと。この値が高いほど、有酸素運動能力に優れている。LTとの違いはVO2Maxは有酸素運動の「上限の限界値」で、LTは「ぎりぎり疲労せずに長時間続けられる限界値」と表現できる。パワトレの運動領域ではL5に相当。
成人までの運動歴によって上限が決まり、30歳ごろから徐々に下降すると言われている。
FTPの上限はVO2Maxに対して最大80%~90%までと言われており、VO2Maxの開発はFTPの向上にも結び付く。 |
無酸素運動容量 | LEVELを参照 |
REST |
レスト。インターバルトレーニングにおけるメインセット(MS)間の強度の低いパート。REST INTERVAL=RIと略すこともある。
例えばレストの強度が高ければ、全体の強度も高くなる。
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LEVEL |
FTPを基に設定する運動強度の基準。略称「L」で表す。ZONE(略称「Z」)と同義。通常7段階に分類され、以下のようになる。
( )内の%は対FTP比、[ ]内の表現は主観的運動強度
L1(~55%):Active Recovery 回復走[楽である]
この値を指標にトレーニングやペーシング、結果分析、シミュレーションが行える。
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