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2022/01/02 09:59
年末&新春ホイールインプレ第3弾!
この2本、完全に個人的な興味最優先で選んでいます。
もしかしたらこの両者のどちらかが次期主力ホイールになるかも・・・
ZIPP 303 FIRE CREST DISC ¥257,510-(税込)
〇まずは見た目
40mmでも45mm並みの空力を実現したとは聞いていますが、ジップと考えるとやっぱりもう少しボリューム感が欲しい。
ただ最近は見た目と実際の走りが釣り合わなくなっている気もするので、見た目で判断してはいけないという思いもあります。
〇ゼロ発進
非常にスムース。1,352gなりの軽さはもちろん感じますが、そればかりが目立つような感じでもなく適度なトラクションでもってスルッと滑らかに走り出します。
〇加速
加速もまたスムースでさらに「速い」。軽さを活かした初速の速さのままシームレスに30km/hくらいまで一気に到達するような感じ。
一瞬タメてから伸びていく、といったある種分かりやすい加速の谷みたいな現象も特になし。スムースさとダイレクトさを保ったままバイクの速度をグイグイ上げていきます。
〇巡行
FC形状とディンプル処理が効いているのか、30km/hを越えてからもその速さは衰えません。
踏んでも回しても良く進みますが、どちらかと言えば回すペダリングの方が相性が良さそう。適度な踏み心地に合わせてテンポよく入力していけば速度の維持も容易です。
横風耐性はまずまずのレベル。得意というほどではなかったのがちょっと意外かも。
また縦の乗り心地も少々硬め。4.5気圧の28Cでもその状態なのでワイドリム化による数少ないネガなのかもしれません。
〇総括
重量の軽さで出だし〇。適度なホイール剛性と高効率なラチェット構造で中間加速〇。リムのエアロ効果で中~高速度域〇。
ゼロ発進から巡行まで一貫してスムースに走るのが驚きです。流石はZIPPと唸らされました。
初めから作りたいホイールのビジョンが明確だったからでしょう。極端な軽さや切れ味といった脇道に逸れることなく、エアロに優れるという303シリーズの良さを真っすぐにブラッシュアップしてきた印象です。
ちなみに、フックレスがどうしたとかベンドスポークがこうしたみたいな先入観的なものは、乗ったらあっという間に消えていきました。
それぐらい完成度が高い、実に良く出来たホイールです。
続いてWTOのBORA。
リムブレーキ仕様は間違いなく名作だと思うのですが・・・DBの出来もそのレベルに仕上がっているのでしょうか。
CAMPAGNOLO BORA WTO 45 DB ¥299,200-(税込)
〇まずは見た目
グラフィックが通常と違うのはコレがテスト用のモデルゆえ。
パッと見でも何かが違う!と思わせてくれるG3スポ―キングならではのスペシャル感は〇。
〇ゼロ発進
1,520gという重くも軽くもない重量のイメージそのまま、重くも軽くもない滑り出し。ベアリング性能が高いので抵抗感は特に感じません。
〇加速
全てにおいてスムースだった303FCと比べるとこちらはかなりワイルド。ハマると爆発的に速いという印象です。
今回乗った6本の中でダンシングで一番良く進むと感じたのがこのBORAなので、回すよりしっかりと踏むペダリングの方が向いてそう。
ある程度のパワーがあればという前提にはなりますが、キック感溢れるG3ならではの力強い加速はちょっとクセになります。
〇巡行
25km/hを越えてからが本領発揮。30km/hオーバーが得意な領域なのはまさにレーシングホイール。ここまでくると踏んだ以上に進むように感じられるので、スピードを出すのが楽しくなること間違いなし。
当然それなりに脚は使わされるのですが、この速さの前には細事のように思えてくるから危険。
USB&従来型の爪ラチェットの効果なのか、滑空感が強くスピードの維持も容易。最近流行りの面ラチェットだけが唯一の正解じゃないのでは?とちょっと考えさせられました。
ザクザクと雑に踏んでも走ってくれるので、登りも意外と登れます。
〇総括
デビューしたての最新ホイールと比べてしまうと良くも悪くも1世代前という感じでしたが、それでも「悪くない」と思えるから不思議。
得意・不得意がはっきりしていてオールラウンド感は薄いものの、得意な領域では圧倒的な力を見せつけるというスタイル。これもまた一つの個性と言っていいのでは。
パワーが必要だというのもレース機材と考えれば納得できる話。なによりカンパホイールに期待する「加速の良さと転がりの滑らかさ」がきちんと残されているのがわかっただけでも試した甲斐があるというもの。
とりあえず、年末年始ライドの相棒はボーラに決まりです。