【府中×社内試乗会】FELTの新型アドベンチャーバイクBROAM
by: 益子暁

　最近府中多摩川店に入荷したBROAM。
　既に2Fの売場に並んでいてお客さまの注目度も高い自転車なので、早速当社の社内試乗会でお借りして実走してきました！

　BROAM（ブローム）は2019年モデルから登場の新車種です。
　FELTにはVRというエンデュランスロードのシリーズが既にありましたが、このBROAMはフレーム・フォークとも全く新設計。軽量なVRに対して約500g重量が増した分、頑丈に作られています。
　VRもダートを含む長距離ライドを視野に入れたエンデュランスロードでしたが、BROAMはより過酷な悪路をキャンプ装備を積載して走破するようなアドベンチャーツーリングにも対応します。

　この手の自転車は一見しただけでは分かりにくいのですが、各社の各モデルで考えや味付けが結構違うもの。今回は舗装路のみの試乗でしたがBROAMのキャラクターがおおよそ分かりました。簡単に言うと冒険用の自転車です。まさにアドベンチャーロードですね。つまりグラベルレースバイクやシクロクロスバイクの性格は薄いのではないか、ということです。
　加速は穏やかですが、その代わり快適性は良好です。40Cタイヤの効果だけでなく、長くて細身のシートステー等フレームでも振動を吸収してくれているようです。何より直進安定性が抜群。ジオメトリを確認したらホイールベースがうんと長い1056mm（54サイズ）でした。機会が有れば荷物満載でも走ってみたいですね。それでも安心して走れることが予想出来ます。

　
　ハンドル幅（実測）はブラケット近くで約430mm、バーエンドで約470mmでした。ややハの字でこれもダートツーリングに適した形状です。
　バイクパッキングにも対応し易いですね。

　大きくスローピングしたトップチューブ。試乗車は私に合った540mmサイズですが、シートチューブの実寸は460mmしか有りません。このかたちを見るとドロッパーポスト付けるなどしてシングルトラックを･･････なんて想像してしまいますが、チェーンステーがすごく長い（450mm）のでそれには余り向かなそう。。シートチューブと後輪の隙間が大きいのが写真でも分かります。逆に林道や河川敷のダート等を淡々と走るようなツーリングには最高の相棒になることでしょう。

　VR同様にトップチューブバッグマウントを装備。最近は対応するバッグも増えました。ストラップ固定より確実な固定が出来、見た目もすっきりします。

　セラロイヤル製のGEL入りサドルはムニムニ柔らかく、パッド入りのパンツで着座するとクッション過剰なくらいです。スポーツバイク初心者の方や、長いグラベルロードを走る方には良さそうです。

　BROAM 60はシリーズ最廉価グレードですが、フレームは上位モデルと同じものを使用。前後スルーアクスル・フラットマウントの最新規格を採用し、ケーブルも内装です。

　スルーアクスルはハンドリングが安定するなどの効果が有りますが、輪行等でホイールを脱着した時に必ず元の位置に装着出来るという利点も有ります。輪行派の私はそこにも魅力を感じます。

　タイヤはマキシスのRE-FUSE。シルクワームという同社独自の素材を使い、パンクに強く良く転がります。その40Cサイズ。更に太い45Cまで入る隙間。40Cのままなら泥除けも通せます。全体がヤスリ目パターンでノブ（凹凸）は無いので、乾いたダートや舗装路を軽快に走れます。

　パッと見はVRそっくりなので、極太スキンサイドのタイヤ等を入れて主張させるのも面白いかも。

　トップギアが48×12なので、好条件の舗装路をロードバイクのつもりで走ると踏み切れてしまいます。
　ギア比を変えても良いですが、そもそも速く走りたいひとはVRやFRを選んだほうが良いでしょう。BROAMは誰かと競うための自転車ではなく、好奇心や冒険心を満たす種類の自転車だと思います。日常の移動手段や短距離のサイクリング用としては、快適な癒し系バイクです。
　

FELT 2019 BROAM 60 ￥118,000＋税

【フレーム】アルミニウム
【フォーク】カーボンフォーク（アルミコラム）
【タイヤ】MAXXIS REFUSE 700×40C
【メインコンポーネント】シマノ Claris 2×8速
【サイズ】470、510、540、560mm
【カラー】マットオブシディアン
【重量】10.9kg（560mm、カタログ値）

　2018年10月21日現在、府中多摩川店には510mmサイズの在庫を展示中。次回便は来年2月以降の予定ですので、御興味をお持ちの方はお急ぎ下さい。