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2025/10/08 17:56
こんにちはY’s Road福岡天神店の遊佐です。
2年ぶりに開催されたSDA王滝2025、ロング(93km)をグラベルバイクにて完走してきました!運転距離往復約2,000kmの大遠征での参加、簡単にですがレースレポートです!
目次
9月19日深夜、長野県に向けて出発。片道約1,000kmの大旅行がスタート。翌9/20の15:00頃に受付を目指します。今回参加したのは私と当店ビアンキストアのスタッフ、取引先でもあるホダカ(株)の営業様の3名。仮眠を取りつつ交代で運転しました。深夜出発だったこともありスムーズに進め、急ぎ足ではありましたが食事や休憩をはさみつつ16時前には王滝村スポーツ公園に到着しました。
会場は様々なメーカー様のブースや、屋台で賑わっていてオフロードイベントならではの暖かい雰囲気を感じました。エイアンドエフ様のブースではアンバウンドグラベルXLを完走した新型KONA LIBRE CLも展示されていました!
気になっていたSUTRA LTDにも試乗。29×2.25のタイヤがアッセンブルされ快適性抜群、MTBのジオメトリーに近いのでスタンディングポジションが超楽。このままこれで出走させてほしいと思いつつ返却。グラベルカテゴリーはタイヤ幅45C以下の制限がありますが、オーバーしていてもMTBのカテゴリで参戦可能なのでタイムや着順を気にしない方はこの仕様でも参加は可能です。
ゼッケンを取り付けて車検も完了。この日は一旦バイクを車に撤収しここから1時間ほど車で移動した伊那市のホテルへ前泊です。既に夕方から強い雨が降り続け、予報では日中は晴れるものの出走までの時間は雨が続く予報です。予報通り晴れることを祈りつつたらふく夕食を食べて早めに就寝。緊張や興奮で目を閉じても寝れないのはわかっていたので一時間くらい無駄にしましたが21時には就寝、翌2時に起床しすぐバナナとおにぎりを食べて3時にはホテルロビーへ集合し移動を開始。会場へは4時入りだったと思います。
会場についても割と強めに雨が降っていて車の駐車スペースは泥濘だらけで車がスリップするほど。ランタンは持参していましたが足元も悪く雨も降っていて作業スペースも大きく取れない中のセットアップは一苦労。もしこれを読んで来年参加する方は駐車スペースでの活動用に長靴やGore-Texシューズの持参をオススメします(1敗)
世が明け始めるとスタートラインからずらっとバイクが勢ぞろい、今回は延べ1200名以上もライダーが参加したようです。これだけのオフロードライダーが一堂に会するイベントって王滝だけだと思います。我々は完走狙いなので後ろの方で整列、後ろの方は泥んこゾーンなので置きに行ったりするだけでシューズがびちょびちょになりました。
半袖ジャージ:カステリESPRESSO
ビブショーツ:カステリESPRESSO
ジレ:カステリESPRESSO
レインウェア上:ラファメンズトレイル GORE-TEX インフィニアム ジャケット
レインウェア下:モンベルレインサイクルパンツ
SPDシューズ:ジロSECTOR
グローブ:パールイズミアンバウンドグローブ
ヘルメット:OGKカブト FLEX-AIR
バックパック:キャメルバックCHASE 8ベスト + CRUXリザーバータンク2.0L、予備ライト、救急キット(絆創膏、包帯、消毒液)など
パンク修理キット:TREK電動ポンプ、ブチルチューブ2つ、TPUチューブ1つ、携帯工具
補給食:フラスク2本(ジェル×3本)、羊羹2本、ジェル6本、MAG-ON顆粒、おにぎり1つ
フレーム:キャノンデール TOPSTONE CARBON LEFTY
ホイール:EQUAL手組カーボンホイール
コンポ:GRXワイヤレス
タイヤ:パナレーサーGRAVELKING X1 45C
インサート:VITTORIA AIR LINER GRAVEL
当日は最低気温15度、最高気温25度の予報。ウェアについてはこの後スタート時には雨が止んだのでジャケットは丸めてバックパックへ、日中は半袖ジャージ&ビブでも暑い場面がありました。ただメインの標高は1,000M以上を行ったり来たり、最も標高が高いところでは1,600Mだったのと水たまりで濡れまくったのでお腹が冷えないようにジレを着ていて正解でした。
携行品は必須のアイテム(レインウェアや予備ライト)の不携帯で失格者が多数でたと聞いています。結構重たくなってしまいますがケガや遭難の危険性があるので絶対に漏れなく携帯しましょう。
バイクについてはサスのセッティングを若干やらかし・・・、家で適正まで入れたので満足してサスポンプを置いてきてしまいました。標高が上がると気圧の変化でサスペンションが固くなるという現象にこの後苦しめられることになりました。タイヤは前後1.5BARで丁度良い感じでしたが標高のことを考えるともっと下げても良かったような・・・それでは出走です
御嶽山に向かって祈祷がささげられたのちにレーススタートとなります。バイクの整列場所がぐちゃぐちゃなのでMTBタイヤサイズのわだちが走りにくい!ここから公園を出てすぐのガレ場は崩落の為迂回ルートに変更されていますので総距離も100KM➡93KMへと短くなっております。その影響で10KM程は舗装路のゆるーい登りです。この辺はまだ皆さん元気なのでグラベルであろうとMTBであろうとそこまで差は付きません。足の揃う方たちととりあえず進んでいきます。表彰式の16:00までには戻ってくるという事でここでホダカの営業様とはお別れです。
10KMを越えた辺りで遂に本格的なオフロードへ突入しました。とは言っても最初のここら辺は序の口、今見返すと割とスムースな林道で走りやすそうですね。ですがここから数キロで( ^ω^)・・・
一瞬の油断も許されないダウンヒルが開始!私は帰りの事も運転の事も考えて散れないので超安全運転。MTBに比べてタイヤが細いので選べるラインが少なく、追い越される時も避けたくても避けれないタイミングが多々ありドキドキです。いよいよアドベンチャーレースらしくなってきました!
二つ大きい登りを越えてようやく第一CPに到着。ここの周りは標高も高く、さえぎる木々が無いため斜面の表側は動画の様に乾いています。そして石一つ一つが大きいのが特徴です。イベントでなければここにグラベルロードで侵入しようとは思わないでしょう。

座り込んで休憩してしまうと動けなくなりそうなので立ったままジェルを飲んだりして息を整えます。ここに来るまでに何本ものボトル、補給食が落ちているのを見ましたがあれは固定の具合が悪くて落下したというよりかは補給中に落としたんでしょうね。下りでは手を離せる瞬間なんて全くないですし(少なくとも私は)、登りでもかなり神経使ってラインを選んでるので補給できる場面が限られます。その点でハイドレーションは便利ですが腰への負担が爆増です(笑)。思ったより気温も上がらなかったので体感1.5Lは残っている気がします。あとで振り返ればCPで水の補給をする前提であればボトル2本で足りたと思います。
このCPから少し登ると頂上ですがそこでワイズロードの王滝担当、池袋店の店長様とお会いできました!なんでもサポートカーの修理をしていてギリギリにスタートをしていて会場で合わなかったようです。初対面でしたがわざわざお声かけいただきありがとうございました。私よりよっぽど為になる事を書かれているので次回参加される方はコチラをどうぞ☟
ささっと頂上で写真を撮って颯爽と下って行かれました。その後お見掛けすることは無く私より50分も速くゴールされたようです!私は後ろからMTBをせき止めるのもナーバスなので速そうな人を見送って長い下りをスタートします。
ここの下りは今日一キツイ!最早石というより岩の割合が多くなってきました!登りと違って日が当たっていた面と逆方向なのでドロドロの道も長く、スリップの予兆を感じます。ここで転んだら終わるのでめっちゃ抑えます。
下りきると緩いアップダウンを繰り返してCP2(62.6km)へそこからまた10km程の下りを経て登り返し、CP3(74.6km)といった流れです。CP2まではこれまでと同じくガれた道に加えて泥んこゾーンが大幅増量中でした。やはり降り続いた雨で至る所に水たまり、ひどいとこだと小川が出来ています。
こういう水たまりは凶悪で、見ても深さが分からない、中で大きい岩があっても分からないので突っ込む時は何があっても良いように身構えます。前輪がぶっ刺さって転べば大けがですからね、気を付けましょう。
気温もあまり高くなく、汗をかかなかったのでトイレに行きたいなーと思いつつCP2に到着するとトイレは長蛇の列。少し止まってみていると大会サポートの方からCP3までそこまで遠くないからそっちいった方が速いと案内されました。一瞬考えましたがCP2では止まらずCP3まで行くことに決定(早くトイレに行きたかったので)。
ちなみにCP2をパスしたことでグラベルカテゴリ内の順位32/52位が20位まで大幅ジャンプアップ。ここまで5時間でこれているのでこのペースで行ければぎりぎり7時間切れそうな感じです。

CP2(62.6km)からは本日2番目に長いダウンヒルなので気合を入れて下ります。
下り始めて1kmもしないうちになんだかリアのブレーキから異音が聞こえ始めます。最初は気のせいかと思いますが大きい異音に加えてブレーキが明らかに効かない感じがいます。同行していたビアンキスタッフに走行しながらリアブレーキを見てもらうと・・・
「リアのパッドが無い!」
この写真は帰ってから清掃した時の写真ですが、パッド右側は板迄削れ、抑えばねまで到達して溶けてしまってました。まだ残量には余裕があったはずですが泥が凄かったのでもしかしたら過酷な環境でマッハですり減ってしまったのかもしれません。トホホ・・・。
リアブレーキが終わったことは分かりましたが長い下りなのでぶっ飛ばしてくるライダーが居る中安全に降車して修理できるような場所はありません。(探せばあったのかもしれませんが)フロントブレーキに全身全霊をかけて力を入れ、全集中で下ります!
これまでの下りにドデカ砂利というレパートリーが増えました。グラベルタイヤだと進行方向が勝手に決定されます。タマムシジムみたいな感じで移動しながら命からがら下りきりました。
そんなわけで若干登りCP3(74km)へ到達。念願のトイレも行けて遂に腰をおろして休憩します。さっきの下りは神経を尖らせて下ったのでかなり疲れました。腕も常に振動にさらされているので手が痛いというか2の腕の肉がぶるぶるして既に筋肉痛になっています。
サスペンションが仕事していない気がするので押し込んでみるとありえないくらい硬い(笑)やっぱり標高なのか、はたまたインナーが汚れて稼働が悪いのか、どちらにしても体へのダメージを軽減してくれていないことにようやく気付いたので普段より20PSI程気圧を落とします。エアサスはないのですが電動ポンプのホースを持っていることに気が付いて電動ポンプで入れてみました。なら最初からこれで調整していれば( ^ω^)・・・。
身体へのダメージもバイクのダメージもピークへ達したので出発が遅れましたが足から根が生えないうちに出発。ここからも獲得としては500m程あります。ここでアクションカメラの容量&バッテリーも力尽きたので写真が残っていません。流石に疲れて脚が攣りまくるので予兆を感じたら押して登るを繰り返します。この最後の登りも特撮ヒーローの撮影地みたいな岩場が続くせいで道が悪くオンロードの2倍、いや3倍の疲労を感じます。怪我した時様に洗い流せるように750mlの水がボトルに入ってました、ここまできてプラスになるのか分からないですが下りはいる前のプロ選手よろしくボトルの水は捨ててみました。頂上まで来ましたが嬉しい気持ちはあまり無く、最後の下りが憂鬱です(笑)
最後の下りもなかなか長く10km程下ったのちに舗装路へ移行しゴールします。散らないように集中しつつ下ります。
ゴール。
池袋店の店長様に写真を撮ってもらいました!とりあえず腰も腕も限界です!お疲れ様でした!最後の登りで先行してもらったビアンキストアのスタッフも10分前にゴールしていました。
ゴールタイムは7:20:55と当初のペース予測からは大幅に遅れてしまいましたが怪我無く、パンクなく走り切れてホっとしております。ホダカの営業様は表彰式が始まってしばらくたって現れました。足きりから逃げ切って無事ゴールされたとのことです。特に凄いのがこの方、ほぼノーカスタムのキングガベルで完走されてます。サスペンション有の自分はまだまだ甘えてますね。
泥がヤバすぎます(笑)
粘土質なので流水程度では全く洗えず、洗車グッズをそんなに持ってきてなかったのでホテルに入っても許される程度に身体や携行品の泥を落とします。バイクはまた福岡に帰ってからです。
そして表彰式。表彰式にこんなに人が残っているイベントって初めてです。王滝って独特のアットホーム感があります。リピート率が高いのも頷けます。
本当にすべてが終わりました。丁度雲がかかっている部分が御嶽山です。途中途中素晴らしい長めでしたが写真を撮る事も足を止める事もしなかったのでそこはもったいなかったですね。もし次回があればしっかりロケーションを堪能する体力を残すべくMTBかなと思います(笑)
その日の夕飯は久しぶりに涙が出る程美味かったです。ゆっくり寝て次の日はまた1,000kmのドライブですが、往路と違って時間に追われてないので宿題の終わった夏休みの様な気持ちで帰れました。
午前中9時ごろ出て、道中琵琶湖を眺めたり、厳島神社を驚異の肉眼でとらえたりと、観光しながら福岡には夜11時くらいに帰ってきました。書ききれなくて端折った話も多々あるので話のネタに尽きない王滝でした。
帰ってからも王滝の後片付けが大変です。バイクは至る所がキシキシ、ウェアは何度洗っても泥や砂が出てきます。ビブの内側が泥だらけっていったい何が起きているんでしょうか。バイクは外見上キレイになりましたが結局ベアリングの類の部分はほぼ全部要メンテの状態になっていました。
RDは落車してないけど石かなんかに当たって傷が、多分あの引っ込むギミック作動してたのかもしれません。バッテリーホルダーに砂と泥が噛みまくってバッテリーが外れなかったです(笑)。
前後輪ともグリスが抜け抜け、特に前輪は錆びてんのかってぐらい回転が渋くグリスの代わりに泥との化合物が入ってました。構造的に水が入ったら抜けづらいので早めに開けて正解でした。ほんとは良くないですがシールをペロッとして綺麗にしてから戻します。後輪はMSハブが優秀でそこまでひどい状態にはなってませんでした。各部綺麗にして組付けして完了です。
パッドはここまで削れましたがスラムのローターは厚みがある分強靭だったのか1.85mmから減っていないようでした。その代わりベースプレートの端っこ迄ローターに触れたのでアームにガリ傷入りまくりでした。
リムは飛び石などによる傷が多数。パナのロゴ下部分は切れてますがシーラントで塞がってました!使用シーラントはマックオフのMTB TUBELESS SEALANTです。やっぱマックオフ使ってて良かったです。自分の仕様だとインサート入りなのでタイヤ外しての修理は絶対にやりたくなかったので。
作業あるあるで写真を撮り忘れてますがキングピンが一番状態がひどかったです。ブッシュの部分まで砂が嚙んでてギシギシ音がひどくグリスも全くありませんでした。ピン自体は段付きまで行きませんが摩耗していたので基本ノーメンテのキングピンも王滝後は一回開けるという教訓を得ました。ちなみにメンテ後は体感できる程フレックスしていてもともと要メンテだった可能性ありです(笑)。
後半にまったく写真が取れていないので絵的に寂しくなってしまいましたがこれで終わりです。得た教訓は
・サスペンションポンプは忘れない(Leftyフォークの推奨空気圧は私の体重で88psi程度なので電動ポンプで代用可能)
・リュックを背負うかどうかもっとよく考える
・パッドはレース前に新品に変える
レースという感じで走ったわけではありませんがアドベンチャーレースというジャンルを全身で感じれた貴重な体験でした。そして王滝はやっぱグラベルで走るとこではないなと思いましたが、今年のロンググラベル優勝者はMTBの優勝者とタイム差が6分しかないので自分はまだまだへぼグラベルライダーなのだと実感しました。また行けそうなイベントを探して参加したいと思います!それでは長文失礼しました。