5,847

デュラ組み、フルカーボン、フラットバーロード作ってみました。【お客様の一台】
by: 木立春之介

こんにちは。修理・カスタム担当です。
普段はお客様からご依頼いただいた修理やカスタムを承っているのですが、日々のカスタムや修理の中から私の琴線に触れる一台を担当させていただきましたので、ご紹介させていただきます。
まずはブログの掲載にご協力いただきましたオーナー様に感謝申し上げます。

STIレバー寿命問題

以前ブログでご紹介したCAAD9の時もそうでしたが古い型のSTIレバーたちが、いよいよ天寿を全うし始めております。

我が家の5700系105さんも同様の症状で天寿を全うしたことから、それより以前のモデルをお使いの皆様も、そろそろ覚悟を決める時が近いかもしれませんね。今回カスタムのご依頼をいただいたオーナー様の車体には7800デュラが組み込まれておりましたが、やはりSTIのレバーがクリックしない症状が出ておりFD側はそこそこ重症といった状態でした。

KUOTA KOM

”キング オブ マウンテン”
名前からしてもうイケメンです。
イタリアのバイクブランドKUOTAの軽量オールラウンドモデル山岳王KOM。

カスタム前の画像なのですが、出で立ちから既に「走るだろうな」っという雰囲気を周囲にまき散らしております。今回の修理とは全く関係ありませんが、サイクルコンピューターにはフライトデッキが取り付けられていました。こういうのグッと来ます。

さて、問題のSTIレバーなのですが、延命措置が通用しない痛み具合でしたので、ここらで大きくテコ入れが必要と判断。以前のブログにも書きましたが、このくらいの年式のレバーともなるとメーカー在庫は廃盤ですので、基本的にはコンポーネントの総入れ替えとなる場合が多いのですが、それなりに大きな金額が動く作業ではありますので、今後もこのバイクをガッツリ乗って行こうという決心が必要となってきます。

ご購入当初はレース用として、その後は主にローラー台用として長らく使用されてきた車体。長年の使用によりサドルレールが破断してしまったことを機に、今後はサイクリングを楽しむ自転車に生まれ変わらせたい、ということで当店にご相談いただきました。

最新のロードコンポでバキバキに固めた仕様も面白そうではありますが、サイクリング用途と言うことを考慮すると若干オーバースペック気味な気もします。
そこでこんなご提案をさせていただきました。

そうだ!フラットバーロードにしよう!

ということで完成したものがコチラとなります。

かっこよろしい。
正統派のゴリゴリなレーシングバイクも、フラットバーを付けるだけでストリートな香りを漂わせてしまうから不思議なものです。

個人的に今回のカスタムの鍵を握っていると思っているのがこちらのシフター。

 

“DIA-COMPE ENEサムシフター”
これの素晴らしいのがノンインデックスなこと。
最近のシフターでは当たり前のようにボタンをカチっと鳴る所まで押してあげれば勝手にちょど良い位置に変速機が移動してくれますが、昔の変速機にはこのカチカチが無い時代がありました。レバー操作の加減で変速機を丁度いい位置に調整する必要があったわけですね。そういう昔ながらの機構をノンインデックスと呼びます。
これだけ聞くと、ただ不便なだけの旧世代アイテムのように考えてしまいますが、わざわざこのシフターを採用したのには訳がございます。最近のシフターの様にインデックスが無いということは、シフターと変速機の互換性がほとんど関係が無いとも言えます。つまり今回の様にシフターが壊れてしまって入手が困難な場合でも、ノンインデックスのシフターであれば、貴重な7800デュラのRDとFDを活かしたまま乗り続けることができるわけです。さらにサムシフター自体は構造がシンプルなこともあって壊れにくく、インデックスが付いているシフターではワイヤーが伸びてきてしまうと、変速の調子が悪くなってしまうことがありますが、サムシフターではそれがまず起こらないのも大きな魅力です。(よっぽどワイヤーの引きが緩かったり引っ張り過ぎたりしていれば話は別ですが。)
ちなみに私もこのシフターを愛用しております。「カチカチが付いて無いから不便じゃない?」と聞かれることがありますが、感覚さえ掴んでしまえば無意識でも変速出来るくらいなので慣れの範疇かと思います。
今回はフラットバーやプロムナードバーに使いやすいサムシフターをご紹介しましたが、DIA-COMPEには他にドロップハンドルのエンド部分に取り付け出来るタイプもありますので汎用性の高いシフターでもあります。

その他の部品も見ていきましょう。

”VENO セットインフラットハンドルバー”
オーソドックスなフラットバーに若干のバックスイープ(ハンドルが手元に向かって絞られている)が付いているタイプをチョイス。ライザーバー(ハンドルが高くオフセットしているハンドル)も似合いそうではあったのですが、前傾はある程度確保したいというご要望でしたので今回はフラットなタイプにさせていただきました。

ステムは”DIXNA Vシェイプステム”をチョイス。こちらも前傾確保を狙ってお辞儀している角度が大きい物にしてあります。横から見るとなかなかに戦闘的なルックスになっているのはハンドル周りの部品たちが関係してる気がします。

ブレーキレバーは私もお気に入りの“DIA-COMPE  SS-6”
以前のブログでご紹介したBIANCHI IMOLAのフラットバーカスタムの際にも登場しております。滑らかなシェイプと彫り込まれたロゴがグッときます。

 

レールが破断してしまったサドルは“GIZA VL-1533”に交換させていただきました。パキッとした雰囲気のバイクに対して柔らかすぎる形状だったり、クッションのボリュームが大きすぎるサドルだと浮いてしまう気がしたので、今回はこちらのサドルをご案内させていただきました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
デュラエース組みのフルカーボンフラットバーロード。その響きだけでもう楽しそうですし、街中で見かけたら「おっ」となる一台に生まれ変わりました。STIレバーは高性能で複雑なこともあって、どの部品よりも先に寿命がきてしまうことが多いですが、RDやFDは案外まだまだ使えるパターンを多々見かけます。今回のようにデュラエースグレードともなると購入時はそれなりに良いお値段を出して手に入れられたものだと想像が出来ますし、コンポーネントが古くなってきても大切に使っていきたいと考えているオーナー様もいらっしゃるかと思います。そんなお悩みを抱えている方のヒントになればという想いも込めて今回のブログを書かせていただきました。

最後に、このスタイリッシュな写真の提供は当店スタッフの下山田でした。
いつもありがとうございます。

 

施設案内

 

大型屋内駐車場併設!
雨でも濡れることなくお店に来れます!
店頭自転車即日納車強化中!