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【ワイズロードスタッフ試乗会】#7 超マニアック!ワコーズのグリスを使い分けて最高の性能を
by: 関

s-DSC_7275みなさんこんにちは。Y’s Road松山店 関です。

 

 

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先日東京で行われたワイズロードのスタッフ試乗会の様子をお伝えしていきます。

 

 

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毎年次々と新しいモデルが発売されるスポーツバイク。

いくら自転車屋さんでも最新モデルはスペックしか情報がありません、、

今回、多数のメーカーさんのご協力を得てたくさんの商品を試す機会をいただきました!

 

限られた時間ではありますが、可能な限りたくさんの商品を「実際に使った感想」とともに紹介していきますので是非ご覧ください!!

 

 

#0-1 初の飛行機輪行に挑戦!! いざ東京へ! 

 

#1 今年のコスパ最強モデル⁉ 性能もお墨付きのRP8! 

 

#2 COLNAGOの進化が止まらない! V4 Rs試乗インプレ

 

#3史上最速間違いなし!! TREK新型MADONEを実走インプレ!

 

#4最高の快適性と加速感の共存!? 異次元の快適さTREK DOMANE

 

#5日本の工業技術力の結晶! 時速300㎞/h出せるGOKISOハブ!?

 

#6待望の12s対応ビックプーリー紹介&新作チェーンオイル使用インプレ

 

 

7回目は、

超マニアック? ワコーズのグリスについてです!

 

 

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スタッフ試乗会では自転車ブランド以外にも多くのメーカーさんにご参加いただいています。

今年はそんな展示ブースもたくさん回るようにしてみました。

その中でも毎回お話を伺っているのがワコーズさん!

国内有数のケミカルブランドで、車やバイクのイメージが強いかもしれませんが、自転車をピカピカにするガラス系コーティングのバリアスコートや、ゴムや塗装を痛めず自転車本体やグリップなどをピカピカにできるフォーミングマルチクリーナーなど、車にも自転車にも使えるケミカルのほか、チェーンルブリキッドなどの自転車専用製品にも力を入れています。

 

何かに特化したオイルやケミカルはたくさんありますが、全製品の信頼性が高く、最も信頼できるメーカーは(個人的に)ワコーズさんだと確信しています!!

もちろん店舗でも、チェーンルブ、チェーンクリーナー、フォーミングマルチクリーナーなど多くの製品をお客様のバイクに使用しています!

 

ワコーズのチェーンオイルの種類、選び方はコチラで紹介

 

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今年のワコーズブースでは、試作中の洗車液や水置換性能のあるチェーンルブリキッドなど、近いうちに発売されるかもしれない商品や、

性能の限界に挑戦した(販売の予定はない)「試作ハイパフォーマンスチェーンオイル」など気になるアイテムの展示がありましたが、いずれも試すことはできず、、、

 

 

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そこで、今回教わったのがグリス!

 

スタッフ向けのなんとマニアックな展示!!

 

グリスにもこんなにたくさんの種類があり、役割が違います。

 

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ワコーズの豊富なラインナップから、、

 

 

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 今回自転車向けにピックアップされたグリスは6種類

 

説明文を簡潔に抜粋すると、、

 

ハイマルチグリース

摺動部(こすれる部分)や高負荷のベアリングまで幅広く使える

 

ブームグリース

高粘着でヘッドに最適

強力な付着性と撥水性で過酷な環境に耐える一般車、MTB、グラベルにおすすめ。

 

マルチパーパスグリース

最高級多目的グリス。

ヘッド、BB、コラムの防錆などに最適。

 

スーパーマルチグリース

極低温から高温まで長期にわたって低フリクション性を発揮

ペダルなどのニードルベアリングに最適。

 

タフグリース

塩水や高負荷に強く、錆びやすい過酷な環境で効果を発揮。

潮風や汗、雨天時に影響を受けやすい部分に最適。

 

とのこと。

 

ほとんどの方からすると、そもそもグリスってどこに使うの?何が違うの??と思われると思います。

グリスは自転車の組付けには不可欠で、さび止めとしてネジやバネに塗ったり、潤滑剤としてホイール、ヘッド、BBなどのベアリングに塗ったりします。

乱暴な言い方をすれば、一種類の万能グリスがあれば自転車を組むことはできますが、場所や用途によってグリスを使い分けることで、より性能を高めたり、耐久性を上げることができます。 

 

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写真やカタログを見ると、「ちょう度 〇号」と書いてあります。

これはグリスの硬さで、この数値が小さいほど柔らかいグリスとなります。

必要以上にグリスが硬いと抵抗になって回転が重く感じてしまうので、適切な硬さを選ぶ必要があり、箇所にもよりますが、自転車なら1号で十分だそうです。

(ちなみに、工業用のグリスは自転車とはスケールが違い、低温といえば冷凍庫、高負荷といえば重機にも耐えられます)

 

 

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ということで、個人的に買ってみました!!

右からケチャップ、マスタード、、、嘘です。

左からタフグリース、スーパーマルチグリース、マルチパーパスグリース

 

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この3種類です

 

 

 

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まずは緑色のタフグリース

塩水、汗、錆びに強いとのことなので、ヘッドやBBの組付けのほか、汗や海水のかかるトライアスロンやインドアトレーニングをする方のバイクには、ステムやボトルケージなど各部ネジ、フレームとワイヤー受けなどの隙間、(金属製の場合)シートポスト挿入部でも効果を発揮できそうです!

上記の箇所ではさび止めとしての活用方法ですが、このグリスは単なるさび止めだけでなく潤滑性能も十分にあるので、分解可能なBBやヘッドにはベアリングに直接塗ってもよさそうです。

 

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早速オーバーホールでお預かりしている車体のヘッドに使いたいと思います。

 

 

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ヘッドが収まる部分に塗布。

ワコーズのブレーキプロテクターのような極端なべたつきはなく、ほんのちょっと硬い普通のグリスくらいの粘度なので汎用性が高く、ベアリングに使っても回転性能を損なわなさそうです。

 

 

 

 

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スーパーマルチグリースとマルチパーパスグリースはホイールのメンテナンスに使ってみようと思います。

実験台は自分のカンパニョーロ ハイペロン。

 

久しぶりのメンテで中身はこの通り汚れています。

 

 

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まずはパーツの清掃。

このホイールは古いタイプのセラミックベアリングが入っています。今でいうUSBグレード相当でしょうか。

最上位グレードの「CULTベアリング」であれば潤滑はオイルかごくわずかなグリスで十分ですが、USBグレード以下はグリスでの潤滑が必要です。

 

ホイール(ベアリング)の回転抵抗の大きな割合を占めるのがグリスの抵抗。

CULTベアリングやフルセラミックベアリングの回転が軽い理由は、「セラミックベアリングであること」ではなく、セラミックベアリングと特殊加工された受けを使用することで「グリスではなく抵抗の少ないオイルを使用できること」が大きな理由です。

 

つまりUSBやシマノなどで使う一般的なスチールベアリングでグリスを使用する場合、どんなグリスをどれくらい入れるかが重要になります!

 

ホイールの回転を軽くしようと思えば、柔らかいグリスを少なめに入れればいいわけですが、グリスが少なければすぐに切れてしまう上に、柔らかいグリスは流れ出てしまう恐れもあります。

 

そこで場所はもちろん、用途やメンテ頻度によってグリスの種類や量を変えます。

ここら辺は経験によって微調整するところなのでプロにお任せください!

 

 

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フリーボディーのラチェット部分を掃除。

フリーボディーは足を止めるとカラカラいう部分。この構造のおかげで足を止めて休むことができます。

 

 

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この部分にはスーパーマルチグリースを塗ってみます。

気を付けたいのが、シマノのプレミアムグリスなどは粘度が高すぎて正常に動作しないことがあり、特に冬場はグリスが固まって不具合が起こることがあるので、グリスなら何でもよいというわけではありません。

 

スーパーマルチグリースは「冷凍庫の中で使うフォークリフト」にも使えるということで、耐寒、耐負荷とも問題なし!

今は無きカンパグリスとも成分が似ているとのことです。

もちろん性能的にはベアリング部分に使ってもOKなので、カンパ系ホイールの場合はフリーボディー・ベアリングともこのグリスで統一することもできます!

(違う種類のグリスが混ざらないので耐久性や作業性向上が期待できます)

 

今回は実験的にグリスをたっぷり注入。

 

 

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ホイールの回転性能をつかさどるベアリング部分には、マルチパーパスグリースを使ってみます。

 

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マルチパーパスグリースにはちょう度が1号と2号の2種類がラインナップ。

今回は柔らかめの1号を選びました。

 

他のグリスより柔らかいので回転抵抗削減が期待できます。

グリスの量はこまめにメンテナンスするのでちょっと少なめ。

 

 

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最後に玉あたりを調整して完成!

 

 

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早速乗ってみました!

 

短距離のライドでも、ホイールの回転が軽くなりました。

特に漕ぎだしや、瞬間的なスプリントでは加速の良さを実感できます!

 

そして驚くべきは足を止めてホイールを空転させた時の静かさ!!

カンパのホイールとは思えないほど、シマノのホイール並みに静か!

(今回は多めにグリスを入れたので、今後必要な量を検証していきたいです)

 

空転時のラチェット音はホイールによって違いますが、新品の時より音が大きく感じれば、グリスが抜けているサイン。

音が出る=金属が直接当たっている=すり減りが速くなる

なので、あまり大きく感じたらメンテが必要かもしれません。

 

 

今回ご紹介したホイールのメンテナンスは前後輪約¥10,000で受付中。

 

シマノ・カンパ・フルクラムなどカップアンドコーンタイプのホイールであれば、用途に合わせてグリスの量を調整することもできるのでご相談ください。

 

今のところ今回紹介したグリスは備品ではないので、作業でご指定いただくことはできません。

*私が作業する際に状況に合わせて使わせていただくことがあります。

 

 当店でグリスをご注文いただければ、お客様のグリスを使ってメンテナンスさせていただくことも可能です!

*取り寄せにお時間がかかります

ベアリング、グリス、ネジ、、普段気にしないパーツにもこだわって自分好みの1台に仕上げてみませんか?

 

 

 

今回はほとんどお客様の役に立たないマニアックな内容で申し訳ありません。

当店のテックでは、どうすれば少しでも回転が軽くなるか、どうすれば少しでも錆びにくいか、、など常に工夫を考えながら作業しております。

どうしても直したいバイクの修理、バイクの性能を発揮するカスタム、オーバーホール、ぜひご相談ください!!

 

 

 

 

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