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2019/12/04 23:44
【月刊ディスクロードをガチインプレ!番外編】PRINCE DISKにCOSMIC CARBON履かせてみた【ど真ん中×2】
by: 永平 宏行
バイオレーサーの中の人です。
前回、PRINCE DISKのインプレでバイク自体の評価は、
完成車パッケージこのままの仕様だと、巡行性・乗り心地に優れたGTカー的な味付けのバイク
上げ下げの少ない一定ペースのロングライドで良い相棒になる
登坂能力と空力性能にも優れている
初・中級者のホビーユースに最適
と総じて良かったのですが。
ホイールは変えたい
将来的には、フレームと並んでバイクの印象を左右する2大要素である「ホイール」を替えて、どれだけ化けるか?ぜひチューンナップしたいですね~
MAVIC COSMIC PRO CARBON UST DISCに変えて試します!
と書いた、そのホイール交換編です。
PRINCE DISKのインプレはこちら。
MAVIC COSMIC PRO CARBON UST DISC
重量: 1650g ¥220,000+税(ペア)
あえてのSLじゃない、NON SLのコスカボプロ。
いわゆる「無印」。
バイクがミドルグレードのど真ん中バイクだったので、ホイールもそれに合わせて「ちょっと頑張れば手に入る」無印のコスカボプロを合わせてみました。
無印プリンスと無印コスカボプロ。
ど真ん中の同士の組み合わせです。
重量こそ完成車仕様のレーシング500DBとほとんど一緒ですが、リムの高さ、カーボンリムの剛性、USTチューブレスの転がりの良さでバイクの印象がどう変わったのか?早速見てみましょう!
完成車仕様の元ホイールはこちら。
FULCRUM RACING500DB
ペア重量1610g
いざ、実走。
登り下りのある郊外で60kmのライド。
27kmの市街地ライド×2。
合計114km。
プリンスの評価がどう変わったか?という観点と、カーボンホイールの特性、ホイール自体について、と3つの視点からお話します。
【プリンスの評価は変わったか?】
やっぱりカーボンディープは威圧感が増しマシですね(^^)
簡潔に言うと、「幹」の評価は変わりませんでした。
ガチレース系のバイクでは無く、一定ペースでのロングが得意なGTカーという評価は変わらず。
剛性感や、平坦・登坂それぞれのペダリングフィールも、基本的には前回のインプレ通りです。
が、変わった部分もありました。
フレーム特性に起因する「幹」は変わらず、ホイールに起因する「枝葉」の部分が変わった印象です。
具体的に挙げると、
トルクの掛け始めのレスポンスが向上し、スピードに乗ってからのホイールの回転も維持しやすくなりました。
別の言い方をすると「失速しにくい」です。
スプリントでは初期の掛かりが良くなって、後半の伸びも改善。気持ちよく思い通りにスピードが乗ります。
平坦でもヒルクライムでも、トルクの緩急に対してリニアに反応するようになり、かつ乗せたスピードの維持が容易になりました。
フレームが本来持っていた剛性感をフルに引き出せている感じです。
最大勾配26%(^^;)
斜度のキツイところでのペダリングフィール・剛性感も確認。
まあ、¥46,000+税のホイールと¥220,000+税のホイール、約5倍の価格な訳ですからこのぐらいの変化が起きないと納得できませんよねw
これらの変化の理由ですが、ホイール重量自体はコスカボとRACING500 DBで大した違いはありませんので(重量だけで言えばむしろRACING500 DBの方が気持ち軽い)、ホイール剛性によるものと思われます。
特にカーボンリムによるところが大きいはず(これについて詳しくは後半で)。
あと、ホイールそのものの変化ではありませんが、USTチューブレスのタイヤによる変化も体感できるレベルでハッキリとありました。
比較的硬めな乗り心地の普及グレードのZAFFIRO(微振動は均してるけど大きなギャップは伝えてくる)から、ハイエンドのUSTチューブレスのYKSIONに変わって、乗り心地の良さと転がりの軽さ、グリップ感が劇的に向上。
大げさに書くとゴツゴツ、ゴロゴロ、と硬いものが転がっていた感じが、スーーーーっと無音でスムーズに転がって行くようになりました。
路面が荒れていても、凸凹を均しながら常に接地し続けているイメージです。
ロードインフォメーションにノイズが混じらず、的確に情報が伝わってきて安心できます。
パニックブレーキ時など、ZAFFIROではディスクブレーキの制動力にタイヤのグリップが負けてしまいタイヤがロックして滑るシチュエーションもありましたが、YKSIONはコンパウンドとケーシング両面でグリップが高く、コントロール不能になることはありませんでした。
次にカーボンホイールの特性という観点からお話しましょう。
【カーボンホイールの特性】
一昔前のカーボンリムは玉石混交で、剛性の低い、ちょっと怖いものもありましたが、現在のカーボンリム、特に名の通ったブランドのものは非常に剛性が高いです。
スポークを張っていないリム単体を縦に置いて上から体重を掛けてもほとんどたわみません。物にもよりますが、ガッチガチで変形する気配すら感じません。
これは、スポークの張力に頼らずとも、リム単体で形を保てるだけの剛性がカーボンリムには備わっているということです。
アルミリムで同じことをやると、簡単に「クニャッ」と歪んでしまいます…。
リムの剛性は正義。
そりゃ、そんな高剛性なリムでホイールを組んだらホイールの変形に起因するパワーロスが減って、トルクの掛かりも良くなって、乗せたスピードの維持も楽になるはずですよね。
カーボンは自転車用リムに最も向いた素材なのでは無いでしょうか?
剛性万歳!
だけどそこで、
乗り心地が悪くなるんじゃないのか?
という心配も。
でもご安心ください。
自転車のホイールはほとんどがスポークで張力を掛けた「テンション構造」。
路面から受けた衝撃をスポークで緩和する構造なので、リムが硬くても「衝撃が逃げる余地」があるので基本的に問題ありません。
そんな構造的な部分にプラスして、このホイールはUSTチューブレス。そもそも乗り心地が非常に良い!
ホイールの構造による部分と、チューブレスというタイヤ形式による部分と、2つの理由で乗り心地の心配は皆無でした。
完成車の仕様よりも格段に快適(^^)
余談ですが、テンション構造では無いコンプレッション構造のホイール(ライトウェイトなど)は基本的に逃げが無い一体構造なので、自分には過剛性で上手く進ませることができませんでした…。
【COSMIC PRO CARBONについて】
今回履き替えたホイールはエアロ系のCOSMIC PRO CARBON。
リムハイトが45mm、NACA準拠の空力に優れたリム形状。
そのリム形状のお陰か、リムハイト以上に空力の良さを感じます。平坦の速度維持が楽、というかいつもよりスピードが出る!
まあ、自分がどうこう言うまでもなく良いホイールです。
普段、軽量な30mmハイトのクライミング系のホイールを履いて甘やかされているので、重量差から少し余計にパワーが必要と感じましたが、そこはエアロ系とクライミング系の違いなので比べちゃダメなところですね。
(自分のホイールはGIANT SLR 0。DBLというスポークの組み方で駆動剛性を高めた1331gの軽量カーボンチューブレスレディホイール)
ところで、COSMIC PRO CARBONにはSLと今回試した「無印」のNON SLがあるのでその点についても触れておきます。
COSMIC PRO CARBON(無印)
COSMIC PRO CARBON SL
ぱっと見違いが分からない…
そんな両者の違う点・同じ点はこんな感じ。
>>>違う点
・スポーク
SL:楕円断面のエアロスポーク
NON SL:まっ平らな扁平エアロスポーク
⇒空力と重量に影響します
・スポークの組み方
SL:後輪のドライブ側がラジアル組の「ISO PULSE」組み
NON SL:通常のタンジェント(交差)組
⇒駆動剛性、振動吸収性、重量に影響します
・スポーク本数
SL:フロント20本、リア24本
NON SL:前後24本
⇒重量、空力、剛性に影響します
・スポーク長
SL:短い(よく見るとハブフランジが大径)
NON SL:長い
⇒重量、空力、剛性、快適性に影響します
・重量(前後ペア)
SL:1515g
NON SL:1650g
⇒135gの差
>>>同じ点
・リム:まったく一緒
・ラチェット構造:INSTANT DIRVE360でまったく一緒
性能のキモとなるリムがまったく同一な点にMAVICさんの良心を感じます。
以前のモデルではグレード間で差別化していたラチェット構造も現行モデルでは同一に。
漕ぎだしの掛かりの良さに定評のある優れたラチェット構造です。
今回の「履き替えインプレ」での「掛かりが良くなった」という評価には、リム剛性だけでなく、少なからずこのラチェットが体感できるレベルで影響を与えていると思います。
この「差」で、
SL:¥295,000+税 vs NON SL:¥220,000+税。
¥75,000+税の差は大きいのか、小さいのか?
COSMICではありませんが、KSYRIUM PRO CARBONで、SLとNON SLを乗り比べた経験から言うと、これは優劣の問題では無いので、使い方で選びましょう、というのが結論です。
SL=レースの加減速に応える、キレのある走りを求めるライダー向け
NON SL=ロングライドなど、距離と快適性を意識するライダー向け
と考えて頂ければ。
今回は「自転車のど真ん中」×「ホイールのど真ん中」ということで、意図的にNON SLモデルで試乗しましたが、求めるものが「レーシーさ」や「軽さ」であれば、SLモデルが良いでしょう。
「レースは出ないし、加減速のある走りもあまりしない」「重さもさほど気にしない」のでればNON SLが向いている、となります。
PRINCEのGTカー的な味付けはそのままに、ペダリングフィールを気持ちシャープにしたいならNON SLで。
PRINCEでガチ度高めのレースに出たい、キレのある走りにしたい、のであればSLを。
そんな形で使い方で選ぶのが、SLとNON SLの正しい選び方です。
そもそもPRINCEにはFXというよりレーシーな味付けの、他社ならハイエンドに位置するようなグレードがある訳ですから、初めからそっちを選ぶ、という選択肢もありますね。
バイク×ホイールの選択肢が広くて贅沢な悩み。
ちなみに無印PRINCEは残念ながら対象外ですが、ピナレロジャパンさんがPRINCE FXとDOGMA F12では「PINARELLOホイールアップグレードプログラム」というのを展開しています。
新車購入時に指定ホイールをお得にアッセンブルできるサービスなので、上位モデルの購入を検討されている方はこのプログラムを使って、納得の走りを追求されてはいかがでしょうか。
【まとめ】
・バイクの基本的な個性はキープ
・が、細かなニュアンスはポジティブに変化!
・カーボンはリム素材としてベスト
・チューブレスタイヤもいい仕事をしてる
・MAVICのSLとNON SLは用途で選ぼう
・FX以上ならホイールアップグレードプログラムも
いかがでしたか。
バイクの素性が良いだけに、それを引き出したくて思いついたホイール交換インプレ。
予想通り、ポジティブな変化を感じられてより一層PRINCEの良さを感じることができました。
カーボンリムホイールまで奮発しなくても、アルミリム×アルミスポークのKSYRIUM PRO UST DISC ¥145,000+税も、アルミスポークの剛性がいい仕事をしてくれるので、お勧めです。
今後、機会があったらよりレーシーな味付けのFXにも是非乗ってみたいと思います!
【おまけ】
今回、あきる野、日の出、青梅方面を走ってきました。
途中の写真でお気づきの方もいるかと思いますが。
時節柄、話題の場所に寄ってきました。
まだ開館時間前で見学することは出来ませんでした。
自転車で1時間強の割と近所に住んでいるけど初めて訪問。行った峠の脇道にあったので、寄ってみた次第。
山荘というだけあり、ご覧の通りの中々マニアックな風情のある場所に建ってました。
この日の最低気温は氷点下。
いよいよ今年もコイツの出番。
パールイズミHG-03ヒーターグローブ。
(↑クリックでインプレ記事へ)
冷え性サイクリストの最終兵器です。
自分、厳寒期用と呼ばれるグローブでも指が凍傷になるんじゃ?ってぐらいの末端冷え性ですが、これのお陰で全くもって快適です♪
今回のライドモチベーション↓↓↓
青梅街道沿いにある「へそまん」。
ふかしたての温かいお饅頭をいただきました。
おいしいけれど、言ってしまえば至って普通の饅頭ですが、ネーミングと店構えでついつい立ち寄ってしまう店。
(饅頭の由来についてはググってください)
学生時代のツーリングの時から寄ってます。
徹底あんこ主義の自分。
きっと爺さんになっても足を運ぶんだろうな(*´ω`)
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