2020/01/16 23:37
【バイクフィッティング】コスパの秘密に迫る!②【バイオレーサースタンダード】
by: 永平 宏行
バイオレーサーの中の人です。
前回・前々回に引き続き、Y’sRoad独自開発のバイクフィッティングシステム「バイオレーサー」のお話です。
~前々回の投稿~
【バイクフィッティング】オフシーズンにポジション・フォームを見直そう!【バイオレーサー】
↑そもそもフィッティングとは何か?お客様の声、実際何をやるか、お薦めサービス、なぜオフシーズンにフィッティングなのか?などをご案内しています。
~前回の投稿~
【バイクフィッティング】コスパの秘密に迫る!①【バイオレーサースタンダード】
↑価格と時間のバランスにこだわった「ちょうどいいフィッティング」、バイオレーサースタンダードのコスパの秘密をご紹介しています。
今回は前回と逆で、バイオレーサースタンダードが
コストダウンせずにこだわっているところ
についてお話しします。
コストダウンばっかり考えてたら役に立たないですからね(^^;)
【フィッターが見るべき譲れない線とは?】
前回、お客様に任せるところと、フィッターが見るところと、切り分けることで高コスパを実現した、とご紹介しました。
今回のテーマである、フィッターが見るべきところとはどんなところでしょうか?
いきなり答えですが、
①フォームの全体像に破綻がないか
と
②ペダルに体重を乗せられるか
の2点です。
①が大きな骨組みで、その骨組みの微調整が②、という構造です。
フィッティングは魔法では無いので、結局のところどこまで行っても乗り手による微調整が必要です。
フィッターが四六時中付きっ切りで一緒にライドする訳には行きませんし、その人本人にはなれませんからね。
短時間での施工効果にこだわっているバイオレーサースタンダードなら、なおさらです。
なので、全体像・大きな骨組みにこだわっています。
「あえて90点を目指す」
というバイオレーサースタンダードのコンセプトそのものです。
ここら辺の話は実はすでに前回、しっかりしちゃってますねw
なので、今回は「①フォームの全体像」について、次のようなテーマで見て行きたいと思います。
【バイオレーサーは数値の押し付けか??】
よくある誤解がコレ(^^;)
確かに過去にはそのように捉えられても仕方ない時期もありました。
当時はまだまだ国内外の「バイクフィッティング」が未成熟で、バイオレーサーに限らずどこも
「骨の長さから計算するとアンタはこのポジションのはずだから、コレで乗っとけ!」
っていう乱暴な時代がありました。
かつ、受け手側もやる方もフィッティングという未知なるもの、かつPCからはじき出されたもっともらしい数字に対して、天啓のように有り難く受け入れていたような時代です。
しかし、現在は国内外のフィッティングに携わる個人や団体の研究・経験の成果により、「数字」ではなく「ライダー」そのものに目を向けた北米型のよりパーソナルなフィッティングが確立し、広く普及しました。
結局、フィッティングは生身の人間(お客様)がどう感じるか?が大事なので、当社バイオレーサーが用いている骨長の計算から導き出した数値はあくまでフィッティングの「スタート値」でしかありません。
なので、バイオレーサースタンダードでは骨長からの最大公約数的な計算結果を「押し付けて」はいません。
お客様からの「体感のフィードバック」と「第三者視点での観察結果」からフィッターが知識と経験を基に「こうしたら良いのではないか?」と仮説を立て、「すぐにポジションを変更できる」シミュレーターの機能を活かしてお客様にご提案しています。
例えば、サドル高は股下長からの計算のみでは個人差を反映しきれないので、必要に応じて関節角度計も併用し、最適な高さかどうかを検証・体感して頂ています。
例えば、上半身のフォームに関わるハンドルの水平リーチや垂直落差は、下半身以上に柔軟性・体幹の筋力によって個人個人で差が大きく出る部分です。
計算値とフィッターの観察結果をベースにしつつ、お客様からのフィードバックを重視して決定しています。
なので、お客様はシミュレーターで実際に「体感」した上で最終ポジションに納得して決定できるので、安心してフィッティングを終えることができます。
決して押し付けはいたしません。
※ライドやポジション調整の経験値が少ない方など、ポジションの良し悪しが判断できない場合には「計算値そのまま」もしくは多少の+αで乗って頂いて、様子を見てもらうこともあります。
続いては「フィッターが見るべき譲れない線②」について。
【ペダルに体重を乗せる】
人にもよりますが、バイオレーサースタンダードのフィッティング過程で、一番お客様のリアクションが大きいのがこの
ペダルに体重を乗せる感覚を掴めた時
です。
特にポジション調整の経験値の少ない方ほど顕著に反応されます。
「お~~~!こんなに違うんですね?!」
「すごく漕ぎやすくなりました!」
という具合に。
それほどにフィッティングにおいては、
「ペダルに体重を乗せられるポジションを出す」
ことが重要なのです。
なぜなら筋力は有限、体重はタダ、ですからね(^^)v
「ペダリングに体重を活かす」
という言い方もできます。
我々がペダルに加えている「踏力」は、「筋出力」と「脚や上半身の重さ(体重)」という2つの成分の合力で出来ています。
より効率的に、省エネルギーで走るなら、体重成分の比率を高めるのが合理的です。
何せ、体重はタダ、ですからね(大事なので2回目)。
体重を活かした走りができれば、労せずして踏力をアップ(もしくはセーブ)できるのです。
筋力に頼った、もしくは体重が活かせないポジションは有限な体力を消耗するだけです。
このテーマは各自転車専門誌のフィッティング特集とかペダリング特集でもよく取り上げられていますね。
それほどに「ペダルに体重を乗せられるポジションを出す」ことは、フィッティングの基本であり、重要なポイントなのです。
【ペダルに体重が乗った状態って?】
「ペダルに体重が乗った状態の重要性は分かったけど、それってどんなん??」
って思いますよね。
すごく雑に、かつ極論で言うと、
「人による」
っていう怒られそうな一言になってしまうのですが…m(_ _)m
そうしたパーソナライズする前段階の「一般論」「最大公約数」としての「ニュートラル(中立的)」な基準はあります。
それが、
KOPS
(Knee Over Pedal Spindle)
と呼ばれるものです。
英語で書くともっともらしい響きですが、何十年も前から(ひょっとしたら自転車の歴史およそ100年でも?)変わらない、この位置です。
「クランク3時位置でペダル軸から伸ばした垂線が膝の皿の裏側を通る」
っていうやつです。一度は本や雑誌、ウェブで膝から5円玉を垂らした写真を見たことがありませんか?
「な~んだ、それか」
って思ったかもしれませんが、まさにそれです。
この「クランク3時位置でペダル軸から~(以下略)」になるよう、ペダル・BBに対する膝位置・腰の着座位置(=サドル前後位置)を調整することで、ペダリングに体重を活かすことが出来るのです。
【でも、こういう疑問も湧きませんか?】
「膝の皿の裏側って具体的にどこよ??」
「クランク3時位置でのペダル軸垂線ってどう見たらいい??」
「踵の高さで膝の位置が結構変わるんじゃないの??」
私も若かりしころ、本や雑誌で「クランク3時位置でペダル軸から~(以下略)」を見る度に思ってました。
かろうじてペダル軸からの垂線(もしくは膝皿裏からの垂線)は、紐で5円玉を垂らす(いわゆる下げ振り)という方法が紹介されていましたが、モヤっと感は拭えませんでした。
はい、我がバイオレーサーも下げ振り使ってました。
(これはこれで速くていいのですが)
そのモヤモヤを払拭するのがこちら。
レーザー水準器
第三者(フィッター)による観察
レーザー水準器は、シミュレーターと平行に設置されたレール上にセットされており、シミュレーションするクランク長に合わせてレール上を移動します。
「ペダル軸」「膝皿裏」を明確にビシっと照らし出します。
その膝皿裏は、
脛骨粗面
という場所を基準に特定します。
この画像の○印の場所です。
脛の骨を下から辿って行って、膝下でポコッと隆起するポイントです。
直接、膝皿裏を目視や触診で特定しようとしても、場所が明瞭ではないので人によって計測誤差が大きいため、「明瞭で人による計測誤差の少ない場所」としてこのポイントを基準にします。
ここをレーザーで照射すれば、ご覧の通り明瞭です♪
踵の高さによる膝位置の変化に関しては、お客様のペダリングをフィッターが観察し、3時位置での「自然な足底角度」をクランク静止時でも正確に再現することで解消します。
※研修なので寄ってたかって「観察」しています
実は踵の高さ(=足底角度)で膝位置が平気で数センチ変わってしまうので、第三者によるこうした観察は欠かせません。
やっていることはシンプルですしビデオやスマホがあるとは言っても、一人でセルフフィッティングするには少し難易度が高い内容。
だから、トレーニングを受けて知識と技術を持った我々フィッターの、第三者の視点での客観的な観察が必要になるのです。
【電動シミュレーターの真骨頂!】
バイオレーサースタンダードでは、フィッティングに自社開発の電動シミュレーターを導入しています。
様々なポジションを、乗ったままで、工具での調整無しに、すぐに試せる!
という利点があり、実車でのフィッティングでは実現できないスピーディーなポジション体験が可能です。
そんな電動シミュレーターが最も威力を発揮するのが実はこの膝とペダル軸の位置調整なのです。
(他にもサドル高や、ハンドル位置、ハンドル幅(360~420mm)、クランク長(165~175mm)など全てのポジション調整が可能です)
↑シミュレーターの機能を動画でご確認頂けます♪
レーザーを照射して脛骨粗面とペダル軸との差異を測り、その分サドルの前後位置をウィ~~~ンっと調整し、すぐに違いを体感することが可能です。
(前後移動に伴って変化するサドル高もきちんと勘案されます)
実車を使ったフィッティングと異なり、お客様に降りて頂いて調整する時間が掛からないため、ビフォー・アフターのペダリング感覚が「いいのか?悪いのか?」を直感的に判断して頂くことができます。
その結果、多くのお客様から
「お~~~!こんなに違うんですね?!」
「すごく漕ぎやすくなりました!」
という評価を頂けているのです。
【KOPSは絶対か?】
ここまで、ペダルに体重を乗せやすい、ニュートラル(中立的)な膝の前後位置としてKOPSがあり、そこを基準に調整している、とご紹介しましたが…。
このKOPS、「最大公約数」的な位置であって、絶対的な位置ではありません。
フィッティングのスターティングポイントではありますが、より個人のクセや好みを反映すると、KOPSよりも「前」がベストな着座位置となることもあります(逆に後ろになることは稀です)。
いわゆる「前乗り」です。
この投稿の途中でペダルに体重が乗った状態は「人による」と書いたのはこのためです。
前乗りや、前乗りに特化した「ショートサドル」について、詳しくはこちら。
【一番詳しくて明快な解説】ショートサドルについて考える【たぶんw】
「前乗りを試したいけど、自分に合うのかな?」
という不安を感じて二の足を踏んでいませんか?
KOPSと異なり、ピンポイントでココ!という位置が定型的に求められないのがショートサドルの前後位置設定の難しいところ。
でもバイオレーサースタンダードなら大丈夫。
前回紹介した「サドルセンター」の考え方と、「サドルセンターゲージ」で、前乗り時の着座位置を電動シミュレーター上で、スピーディーに体験・検証できるようになっています。
これでもうショートサドルのトレンドに乗り遅れることはありませんね♪
(↑そういうもんじゃない)
【まとめ】
今回は、コスパの秘密の第二回として、バイオレーサースタンダードが「コストダウンせずにこだわっているところ」についてご紹介しました。
・フォーム全体を適正化し体重をペダリングに活かす
・バイオレーサースタンダードは数値の押し付けではない
・KOPSとシミュレーターで着座位置を適正化
・前乗り&ショートサドルにも対応
実はバイオレーサースタンダードが、
数字ありきではなく、むしろシミュレーターを活用してライダーの体感を重視していること。
闇雲に値段の安さだけを追っていないこと。
お分かり頂けたかと思います。
以前の投稿で書いた通り、冬はフィッティングのベストシーズンです。
ぜひ、「時間・価格・効果」のちょうどいいフィッティング、
を体験してみてください!
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