2020/01/08 23:40
【バイクフィッティング】コスパの秘密に迫る!①【バイオレーサースタンダード】
by: 永平 宏行
バイオレーサーの中の人です。
前回に引き続き、Y’sRoad独自開発のバイクフィッティングシステム「バイオレーサー」のお話です。
~前回の投稿~
【バイクフィッティング】オフシーズンにポジション・フォームを見直そう!【バイオレーサー】
↑そもそもフィッティングとは何か?お客様の声、実際何をやるか、お薦めサービス、なぜオフシーズンにフィッティングなのか?などをご案内しています。
今回は、バイオレーサーの中でも中核サービスである「バイオレーサースタンダード」が、
なぜ¥7,500+税の低価格、
約1時間の短時間なのに、
多くのお客様にご満足いただけているのか?
についてお話します。
【なぜコスパにこだわるのか?】
前回の投稿でも書きましたが、バイオレーサースタンダードのサービス設計の根底にあるのは、
誰もが高価で時間の掛かる最上級のフィッティングを望んでいる訳ではない
という考え方です。
(もちろん、予算も時間もある方は上位サービスを受けましょう!)
もっと速く走りたい!
もっと楽に走りたい!
と、フィッティングが気になっていても、
大して乗ってないし、速くもないし、そんな私が○万円のフィッティングを受けてもいいの?
○万円もするフィッティングって、レースに出る人のためのものなんでしょう?
○時間も掛かるような大掛かりなフィッティングをしても、自分には違いが分からないかも?
と、価格や時間で尻込みしているユーザーさんが多いのではないでしょうか?
当社Y’sRoadの大多数のお客様である「エンジョイライダー」「ホビーライダー」の皆さんの多くが、このように思っているかもしれません。
でも!
Y’sRoadとしてはそうした「尻込みしている方々」にも、低価格・短時間だけど効果の高いフィッティングを気軽に受けて頂きたいと考えました。
Fitting for everyone!です。
例えばパワーメーターも当初はとても高価で、一部競技者のための「トレーニングツール」でした。
それが今では、本格的なトレーニングをしない多くのホビーライダーにも有効な、「ペーシングツール」である、と認識されたことで近年低価格モデルが広く普及したのと同じ構図です。
一昔前は数十万円していたパワーメーター。
低価格になって多くの方に普及しました。
何とプロチームも使っている4iiiiの片側計測モデルなら3万円台から!
そんな考えの下で生まれたのが多くの方に
「ちょうどいいフィッティング」である、
「バイオレーサースタンダード」なのです。
だってスポーツバイクを楽しむ上で、フィッティングは絶対に受けた方がいい!ですから。
その実例は「お客様の声」でも明らかです。
また、バイオレーサーのフィッティングの一番の実験台でもある自分自身は、手前味噌ですが自転車での怪我や故障とはずっと無縁です。
体が丈夫なだけ?かもしれませんが、自分より明らかに体が丈夫であろう若者やベテラン選手でも怪我や故障をしている方もいます。
また、練習が足りないだけでは?というご指摘もあるかもしれませんが、IF0.8前後のトレーニングでCTL90~100を維持してますから、その批判は当たらないかと思います。
しいて言うなら、自分は最上位サービスのバイオレーサープレミアム相当のフィッティングをしているので、その点スタンダードコース以上のケアができているのは事実ですが、基本ポジションはスタンダードコースそのものです。
フィッティングが決まると、怪我や故障をしにくくなるので、あとは何も気にせず「乗ること」に集中できます。
ほんと、「あとは乗るだけ」です。
楽しいですね♪
【どうやって高コスパを実現している?】
高コスパのフィッティングを実現するためにはどうしたら良いのか?
私や各店のフィッターが意見交換して導き出した結論は…
フィッターが見るべきところ
と
お客様が詰めて行くところ
この2つを切り分ける、というやり方でした。
カッコよく言うと、選択と集中です(^^;)
そのために、フィッティング界の常識?を破ったコンセプトを打ち立てました。
あえて90点を目指す
そうです。完璧を目指したら、低価格・短時間のサービスは実現できません。
そのために、お店でのフィッティングは「あえて」90点の完成度にして、残りの10点はお客様自身に詰めて行って頂こうと。
お客様にお任せしたポイントとは、具体的には
・クリート位置設定
・お客様の実車サドルを使ったサドル位置設定
主にこの2点です。
(もちろん、これら&これら以外の箇所の微調整も含まれますが、ポジションに微調整が必要なのは上位サービスでも変わりませんので)
完璧を目指すことが多いフィッティング界の常識からすると、まあ随分思い切ったことをしたものです…。
あ、誤解の無いように書いておきますが、
フィッターが見るべきところ
はきちんと押さえていますので、コストダウンだけを考えている訳ではありません(^^;)
そこら辺の話は次回の投稿でさせて頂きます。
【クリートのセッティングをなぜ見ない?】
クリートのセッティングをあえて見ない理由は、
①そもそも大外れな位置に付けている方が少ない
②微調整に時間が掛かる
③ここに時間を割くよりも、優先度の高いものがある
からです。
もちろん、時間を掛けて微調整した方が良いに決まってますが、まずは「大外れしていない」なら、優先度の高い、もっと大きな「フォーム全体」を優先して見るべきだ、という考えです。
海外の大御所フィッターさんも言っていました。
See the Big Picture!
(細部に目を奪われず、フォームを大局的に捉えよう!)
もちろん、明らかに「大外れ」な位置にクリートを付けていたら、それは適宜調整しますが、限られた時間でフィッティングするならば、「大きな絵」であるフォーム全体を最適な位置に調整することに注力すべきだと考えた訳です。
フィッティングにおいては、最初から細部にこだわるよりも、
この写真のような側面からの「大きなフォーム」の適正化が優先されます。
かの鉄人アダム・ハンセン氏もサイスポ20年2月号でクリートやクランク長よりも
まずは大きなポジションを見よう、と仰っていますね。
【なぜお客様のサドルを使わない?】
この理由は、
①お客様がバイクに付けているサドルをシミュレーターに付け替えると時間が掛かる
②サドルを付け替えなくてもそこそこ精度を出せる方法と機材を開発した
③そこそこの精度で位置が出せればあとはお客様の微調整に任せられる
からです。
①はそのまんまです。サドルをシミュレーターに移すのが一番良いのですが、それをやると単純に作業時間が掛かりますし、もしサドルセッティングを現状復帰するなら調整もシビアになります。
②は19年の秋の施工分から運用し始めた「ソリューション」なのですが、ひとつの「コンセプト」とひとつの「機材」がキーとなっています。
そのコンセプトとは、
「サドルセンター」
その機材とは、
「サドルセンターゲージ」
です。
サドルセンター、という言葉は当社の社内用語なので聞き慣れないと思いますが、ざっくり言うと
「個々のサドルによって、長さも、断面形状とその変化の度合いも異なるけれど、そうした違いに左右されずに着座位置を見極めるための基準」
です…。わかりにくいのでもうちょっと詳しく。
今までは、特定のサドル上でどこに腰が落ち着くかは、実際にそのサドルを使ってフィッティングしないと分からなかった。
↓
任意の「幅」の箇所を全てのサドルに共通した「標準的な着座位置(サドルセンター)」として設定。
↓
検証の結果、サドルセンターを基準にすることで、個々のサドル間の形状の差を踏まえたポジション算出が、そこそこの精度で行えることが分かった。
のです。
検証中のひとコマ
サドルセンターは、長さも断面形状も違う様々なサドルを使ってポジション算出するための、「統一基準」と考えて頂ければ。
で、その任意の幅の箇所を計測する機材がこちら。
サドルセンターゲージ
手造り感満載、かつ超シンプル。
だけど、これをサドルにパカッと乗せるだけで、サドルセンターがわかっちゃいます!
サドル高もサドルの前後位置も、この位置を基準にセッティングすれば、シミュレーターと実車のサドルが違っても、BBに対してほぼほぼ同じ着座位置に腰が落ち着きます。
サドルが違ってもほぼ同じ着座位置が再現できるということです。
※サドル間の形状の違いは完全には埋められないので、微調整は必要です
たったこれだけのことですが、この発想に至るまでには長い時間を要しました…。
様々なポジションを瞬時に試したい
⇒電動シミュレーターが必須
シミュレーターのサドルを使いながらもある程度の精度を担保したい
⇒サドルセンター
シンプルで時間も掛かりませんが、かなりのブレイクスルーでした。
特に近年はショートノーズサドルなど、サドル形状がメーカーやコンセプトによって多岐に渡って分化していますが、このコンセプトによって横断的に一定の精度を保つことが出来るようになりました。
職業柄、様々なインプレバイクに乗る機会があり、当然サドルも様々なものを使わざるを得ませんが、サドルセンターとこのゲージのお陰で、サドル位置設定の精度がかなり向上しました。
ご覧の通り毎回違うサドルを使っても、ほぼ違和感の無いポジションで乗ることができています。
最後の写真はマイバイクに付けているPROLOGOのDIMENSIONですが、こうしたショートノーズサドルにも対応できるのです。
ちなみに、同じような考え方をイタリアでもしていたようで…。
BRP
(Biomechanic Reference Point)
idmatchが提唱している、全てのサドルに横断的に使える着座位置の計測基準です。
当初、バイオレーサーでは、「任意の幅」を当社独自基準で設定していましたが、大手サドルメーカーも採用していて「世界基準」とも言えるidmatchのBRPに合わせて、当社も現在は70mmの位置をサドルセンターとしています。
BRPとサドルセンターは考え方は同じですが、言葉としてはサドルセンターの方が覚えやすいですよね(^^)
【まとめ】
・コスパにこだわるのは多くの人に体験してほしいから
・フィッターとお客様が詰める部分を切り分けて高コスパを実現
・細部にこだわるよりも大局的なフォーム作りを優先
・形状の違いに左右されない基準「サドルセンター」を導入
いかがでしょうか。
Y’sRoadが「あえて90点を目指した」理由と、そのために行ったこと、その根拠、お分かりいただけたでしょうか。
何度も書きますが、予算と時間に余裕があるなら上位サービスを受けてください。
当社なら、バイオレーサープレミアムがそれに当たります。
しかし、それ「だけ」では世の中の大多数のサイクリストは置き去りにされてしまいます。
だからこそ、
「あえての90点⇒ちょうどいい価格と時間」
を目指し、創意工夫でそれを実現しました。
前回の投稿で書いた通り、冬はフィッティングのベストシーズンです。
ぜひ、ちょうどいいフィッティング、
バイオレーサースタンダード
を体験してみてください!
次回は今回触れなかった
フィッターが詰める部分
についてご紹介します。
こちらからどうぞ↓↓↓
【バイクフィッティング】コスパの秘密に迫る!②【バイオレーサースタンダード】
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