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【3年経つので】ヘルメット買い替え検討中【そろそろ注意】
by: 高橋 おさむ

ご無沙汰しておりますが、皆様お元気でしょうか。やっと関東も自転車が快適な季節になってきましたね。私は前回ブルベに出てから、自転車イベントを体調不良でDNS、300kmブルベを雨でDNSと、自転車イベントに参加できない日々が続いております。

自転車周りの消耗品

さて、Farna君を購入してから2年半が過ぎまして、消耗した部分が結構出てきました。タイヤとバーテープは交換済みで、バックパックもちょっとほつれが出てきました。

そんな中で耳にしたのが「ヘルメットは3年で交換したほうがよい」という話。一体どういうことなのか、調べてみました。

壊れていないヘルメットを交換する?

確かに各ヘルメットメーカーさんが、一定期間使用したヘルメットを交換することを推奨しています。

OGK Kabutoのヘルメットガイド

⑧ ヘルメットの使用期間についての部分。3年での交換を推奨

GiroのFAQ

「How often should a helmet be replaced? Is it OK to use old helmets?」の部分。3-5年での交換を推奨

Lazerのブログ記事: When to replace your bike helmet?

記事の末尾で1-3年での交換を推奨。「歯磨きと同じで、予防が大事」とのこと

日本ヘルメット工業会

Q13. 自転車用ヘルメットの買い替えの目安の年数はどのくらいですか? の部分。使用開始から3年以内での交換を推奨

その根拠として、衝撃吸収のための素材が経年劣化する、というのが大きいようです。ただ、ざっと調べてみると、劣化するという調査結果もあり、それほど影響ないという論文もありました。さすが科学。

経年劣化はあるとする実験:  谷沢製作所

保護帽の経年劣化(その1)

保護帽の経年劣化(その2)

新品の時は要求水準を満たしていても、数年後には基準を満たさない物があった、という結果です。確かに、紫外線・水・塩分に振動と、ヘルメットは厳しめの環境に置かれているので、劣化はありそう。私の場合、毎回水洗いとかもしていませんし。年単位で使っていると劣化をしていても不思議ではない…。

経年劣化は重要な要素でないとする研究: MEA Forensic Engineers & Scientists

英語なのですが、フルバージョンを読みたい場合は、下のページの文中のリンクから飛ぶと読めます。(論文名検索しても、要旨までしか読めませんでした)

https://www.meaforensic.com/bicycle-helmets-stand-the-test-of-time/

こちらによると、確かに経年劣化は存在するが、元々のヘルメットの形状や材質の方が、衝撃吸収性能に影響が大きい、とのことでした。ちゃんと作られたヘルメットを選ぶのがまず大事、ということですね。

つまりどういうこと?

2つの逆の結論の情報を紹介したのですが、よく読むと、実は同じ現象を示していると思っています。アメリカの論文の方は、科学的に劣化の有無の評価をして、経年劣化は統計的に有意な水準で存在するけど、他にも重要な要素があると言っている。日本の研究も、20年使っているヘルメットでも安全基準を満たしているものもあるので、経年劣化がすべてを決めるわけではないという結果。ただ、100%安全であるべき安全帽が、経年劣化によって5%も安全ではない状態になっていたと考えると、安全マージンを考えて劣化が始まる前に交換しましょう、という考え。流石日本の会社ですね。

また、別の論点ですが、日本の高温多湿の条件下は、アメリカとはまた違うと個人的に思います。自分の命をどちらに賭けるかと言われると、やはり安全側にしておきたいので、経年劣化でのリスクを抑えるために、買い替えようと思います。

いざお店へ

と、3階の池袋本館へ下見をしに行ったところ、「ブルベ走るんですから、軽さも考えておいた方がよいですよ。首って意外と疲れますよ」とか「結構着用感で印象変わるので、試してから買いましょう」とか、「軽さ、通気性、空力とありますけど、都内のストップアンドゴー考えると、空力は順位落としてよいと思います」とか、色々アドバイスもらいました。やはりお店に行く良さってありますね。いつもありがとうございます。

実はまだ買っていないのですが、上記の実験結果を公開して下さっている谷沢製作所のヘルメットの取扱が始まっていたようです。 ガチの偶然です。とはいえ、ああいった情報を公開してくれる会社の商品は、信頼できる気がします。

軽くて見た目のフィット感が良い、という風にお勧めされたのはこちら。

 さて、どっち買おう…。

おまけ

自転車用ヘルメット:自転車用ヘルメットの安全性について
(Youtubeへのリンクです)

ヘルメットについて調べていて興味深かったのが、こちらのビデオ。ヘルメット工業会さんが公開して下さっています。

経年劣化とは直接関係ないのですが、ちゃんと機能していたヘルメットでも、2度3度と衝撃が加わると、衝撃吸収性能が落ちるということを示した実験。「1回事故ったヘルメットは、外傷がなくても変えたほうがよい」と聞いたことはありましたが、こういうことだったんですね。強い衝撃と経年劣化は別の話ではありますが、新品の時にはきちんと機能しているヘルメットも、性能が落ちるイベントを経た後ではフルの性能を発揮できないというのを納得できたので、ちゃんと買い替えしようと思います。

ヘルメットの努力義務化を期に購入された方だと、そろそろ使用3年目に入る頃かと思います。自転車小売店の回し者かつ、都内チャリ通勤者として、せっかくヘルメットをかぶるなら、しっかり自分の安全に資するものをかぶろうと思いますし、自転車仲間の皆さんにもお勧めします。SGマークを確認しましょう。

しっかりとヘルメットをかぶって、皆様も楽しく安全な自転車ライフを。