
エアロロード・トライアスロンの殿堂 日本最大級トライアスロンショップ
2025/02/03 10:05
みなさんこんにちは、ワイズロードお茶の水店 関です。
久しぶりに購入した最新バイク。TREK MADONE SLR Gen8をより速く、よりカッコよくカスタムしいきます!
第0回 MADONE購入編はコチラ
第1回 パワーメーター・楕円ギア編はコチラ
第2回 ビックプーリー編はコチラ
第3回 マクハルシーラント編はコチラ
第4回 セラミックハブベアリング編はコチラ
第5回 セラミックBB編はコチラ
今回は第6回、ここまで予定していたカスタムがほぼ完了しました。
せっかく新しいバイクを手に入れたので早速ヒルクライムに挑戦してみたくなるところですが、今までヒルクライムで使っていたEMONDAとどっちを使うか悩むところです。
今回はヒルクライムコースで軽量特化のEMONDAとオールラウンドの新型MADONEのどちらが速いか考えていこうと思います。
軽量モデルかエアロロードか、どちらが速いかは
今回は以前参加したことがある日の出町のヒルクライムコースを実走して検証します。
同じコースをそれぞれのバイクで、200Wの出力に固定して走ります。
コースは8.4kmで獲得標高435m。
序盤は平坦で、後半ほど急勾配になります。
1台目のバイクは最新のMADONE SLR
軽量かつ空力も優れたオールラウンドモデル。
ホイールは50mm。
ドリンク、携帯工具などを含んだ重量は9kg。
2台目はEMONDA
非エアロ形状の軽量モデル。
ホイールは35mm。
バイクについて詳しくはコチラ
コチラもドリンク、ライト、工具込で7kg。
決戦用のパーツに交換すると5kg以下になりますが、空力がさらに悪化します。
急勾配ほどかるいEMONDAの方が速く、平坦区間では空力の良いMADONEの方が速いはずです。
重量差が2kgで、どのくらいの勾配の時に有利不利が入れ替わるかが重要なポイントです。
そのうえで、コースレイアウトに合わせてどっちのバイクが有利か判断したいと思います。
実験前の予想ではEMONDA の方有利な気はしますが、新型MADONEがどこまで万能かも気になるところです。
ヒルクライムとはいえこの時期は寒い!
そして、FTPより低いとはいえ200Wピッタリだ走るのは体力的にも、技術的にも結構難しい!
当然パワーは上下にぶれてしまいますが、できるだけ平均が200Wになるように注意します。
序盤はほぼ平坦で、本番は集団走行になります。ここで集団のどこにいるかもフレーム形状によって作戦が変わりそうなところ。
中盤以降は勾配がきつくなってきて、林道に入るところからかなりの急勾配になります。
しかし、、、
林道部分は通行止め!
どうやら普段は入れないようです。
残り2km強。残念ですが、今回はここまでのデータで検証しましょう。
バイクを変えて2本目。
「全力で上って◯秒短縮しました!」という検証だと、走る順番や全力具合によっては怪しいデータになりますが、今回は200W固定なので、単純なフレーム形状と重量によるタイムの違いが記録できるはずです。
ただし、ベアリングや楕円ギアなどのカスタム内容が違うので、単純な車種の違いだけではないのでご注意ください。
また、各バイクとも1回のみの計測であることと、平均パワーで比較しますが人間なので踏むタイミングやペダリング効率など完全一致はできない点、誤差の範囲と思いますが違うメーカーのパワーメーターを使っていますのでご留意ください。
もちろん、自分のための検証なので、どちらかのバイクをひいきすることはありません、
結果を並べてご紹介します。
MADONE ← →EMONDA
コース全体、約6km、獲得標高190mの結果、
MADONE 15:50 平均パワー211W
EMONDA 16:58 平均パワー220W
コース全体では平坦区間が多かったこともあり、MADONEの方が10W近く少ないパワーで1分以上速い結果になりました。
前半の平坦区間2kmの結果。
MADONE 4:15 平均196W
EMONDA 4:26 平均211W
平坦は予想通りマドンが有利。平均速度にして2km/h、1kmあたり5秒の差。
実際にマドンで30km/h出ていたところがエモンダでは27km/hくらいに感じられました。
ちなみに、EMONDAの空力的不利を補うために下ハンやブラケットの先端を握ってエアロポジションをとってもう一度計測しましたが、疲労感が大きかった割に4:24と2秒しか改善しませんでした。
後半1.5km、獲得標高100mの区間。
MADONE 5:43 平均225W
EMONDA 6:10 平均235W
予想に反して上り区間でもマドンの方が速いという結果になりました!
本当に1.5kmで30秒の差がつくなら、レースでは大きく結果が変わります。
これがプロチームで勝利を量産している最新フレームの力なのか!!?
ラスト500m、勾配約10%区間。
MADONE 2:47 平均232W
EMONDA 2:47 平均253W
おもしろいデータが取れました!
勾配10%区間ではタイムは全く同じでした。しかし、EMONDAの方が20W強く踏んでいたので、同じパワーだったらMADONEの方が速い事になります。
20Wの差は大きいですね!!
実際のフィーリングでは、
MADONEの時はギア比が足りずインナーローでも(ケイデンスを維持するために)200Wを越えてしまっていました。
特に上りにくいことはありませんでしたが、勾配なりのきつさはありました。
EMONDAでは、ポジションもギア比もヒルクライム用に組んでいるので、MADONEより安定してパワーを維持できました。(マドンに合わせて200W以上踏んでいます)EMONDA的には10%を超えてからが本番な感じです。
フィーリングは良かったので、MADONEの方が省エネとは思いもよらずビックリです。
同じライドデータをSTRAVAでも確認します。
ストラバでのセグメントは3つ。
「つるつる温泉トレーニングコース」がコース全体。
「HINODE」が前半区間。
「都道184号線」が登坂区間。
どの区間でもMADONEの方が少ないパワーで速く走れています。
計測が1回である事や、コース全体を走ることができませんでしたが、今回の検証からわかった事は、、、
平坦~勾配10%強まではMADONEの方が速い!
ということがわかりました。
平坦では空力の違いも実感していたのでMADONEの方が速いのは当然として、2kgのハンデをひっくり返して上りで勝てた要因は何でしょう??
セラミックベアリング???パワーメーターの計測誤差???
また今度別の峠でも試してみたいと思います。
この結果を踏まえてレースでどっちのバイクを使うか、、、
実はまだかなり迷っています。
結果が正しければ、圧倒的にMADONE有利!
このコースは4km地点くらいまでは平坦基調で200Wの独走でも30km/hくらい出ます。勾配がきつくなって20km/hを切ったのは5.5km地点。レースではもっと速度が出るはず。
MADONEなら空力がいいので、序盤は集団がまとまっていれば休んでもいいし、少数の逃げが出れば乗ってもいいし、集団がお見合いしていたら(調子が良ければ)逃げる手もあるし、逃げを追うこともできます。
つまり、空力が良ければ、平坦区間で様々な作戦が選べます。
勾配がきつくなったら残り3km。高剛性のフレームを活かして踏みまくるしかない!!
逆にEMONDAの場合、前半逃げたり引いたりという選択肢は無くなります。空力が悪いフレームで前に出るのはあまりにも体力を消耗するからです。
逃げが出て少数で追いかける場合も体力を多く使うことになります。
でも、集団走行をしている間は空力的なデメリットが無くなるので、逃げが出ない展開なら有利です。
そして勾配がきつくなるほど有利なので、後半ほど他のライダーより有利に走る事ができます。
うーん、悩ましい。
勾配が8~10%程度のヒルクライムならMADONEの方が速そうですが、日の出のコースは今回走れなかった後半部分で勾配20%区間が長く続くので後半は圧倒的にEMONDAが有利なはず。
ギア比はインナーローで、
MADONE 36-34T 【1.05】
EMONDA 32-29T 【1.10】
と、MADONEの方が軽いので上れないことは無いと思いますが、車重が2kg以上違うので激坂区間でどう変わるか、、、
他の峠でいろいろ試して考えたいと思います。
MADONEで出るなら軽量ホイールも欲しいなぁ~
ここまでのカスタムはセラミックベアリングなど駆動抵抗削減に重きを置いていましたが、次は軽量化に取り組もうと思います!
トレーニングもしないと、、、
ということで、MADONE Gen8、想像以上に万能でヒルクライムでも最強でした!
~信じるか信じないかは、あなた次第です~